市立病院の先生は、普通の小児科医だ。

精神科医でもないし、そういう分野にも手を伸ばしているだけの先生でメンタルヘルスの治療をやっているわけではなかった。

わたしはその頃60キロ。
すっかり学校には行けなっていた。
痩せたら行こうと思っていた。
初めて楽しいと思えた学校。
大好きな友達と、大好きなクラス。
卒業が寂しい。
卒業式は友達といっぱい泣こうねと約束していた。


こんなことをしている場合ではない。
まだまだ中学という場所でやらなければいけないことがある。
もうすでにこんなにも大事な時間を無駄にしている。
なんとしてでも学校にいかないと。
いきたい。早く
学校に行きたい。

わたしは考えた。
どうしたらいいのか。
食べ物があるから食べてしまう。
食べ物のない場所にいく。


独り暮らしをしよう。


と思い、色々調べ、不動産屋に電話をした。
そんな話うまくいくはずなく。
そんなときにやってきた新しい先生との出会い。
どうしても、期待をしてしまうのだ。
ちゃんと治してくれるかもって。
今までのぱっとぱっと話進めて薬を出して終わりの精神科医の診察と同じにならないため、わたしは手紙を書いた。
とても長かった。
どれほど今自分がぼろぼろで生きるのが苦しいのかを書いた。
どうしても食べるのを止められないことを分かってもらいたい。
全てを話すのは難しいことだ。
だから、前もって家で書いたのだ。


そして、最後の一文には、

入院して治療を受けたいです。


と書いた。

始めての診察の日。
手紙を読んだ先生は、否定せず受け入れてくれた。
そして入院が決まる。
思い通りになった。
が、わたしは本当は治療をうけたいというよりは、ただ入院して何も食べなければ痩せると思っていたから。

治療って、なんだ。