こたつの中で旅気分【のんびり読書泊no.5】『旅の断片』 | いとぽんの『メモのすすめ』

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新潟県からこんにちは。
出張本屋をしている、店主いとぽんの徒然日記。本の屋台と古いトランクをもって、次はどの街にいこうかな。

新潟にもついに平地に雪が降ってきて、青空の広がる季節が恋しく感じる日々がはじまりました。

 

そんな時は、「次の春に向けてどこへいこうか」と思案したり、

こたつに入って温かいお茶をのみつつ旅の本を読むと、サッと気持ちが晴れます。

 

ページをめくれば、そこは砂漠へ向かう道になったり、月夜のテントの中になったり、

想像を巡らす時間がなんとも心地よいのです。

 

今日紹介する本は、若菜晃子著『旅の断片』。

 

 

 

 

 

年に何度か海外に旅して、しかもメジャーな観光地ではなく、その国の人もあまり行かないような地方へ足を運ぶ著者。

 

そんな旅の記憶を、短いエッセイでまるでスケッチブックのように綴った本です。

静かな語り口がとても心地よく、目の前に景色が浮かぶよう。

 

印象的だったのは、クリスマスをタイの小島で過ごすお話。

海風に当たりながらビールを飲み、新鮮なお魚の美味しいディナーを食べる。

 

海に目を向けると、海中にはクリスマスツリー・ワームという名のゴカイの仲間がいて、

色とりどりの林のように見え、魚がその周りを泳いでいるのが見える。

 

同じクリスマスという日に、そんな風に過ごす人もいるのかと、ちょっとクリスマスの概念が壊れた感じがします。

 

私は当たり前のように毎年、日本でいつものクリスマスを過ごしているので、海で過ごすクリスマスはとても新鮮。
 

知らぬ間に、今年はこんな感じだったから、来年はおおよそこんな過ごし方をするだろう、と考えてしまっていたことに気づく。

 

ここ数年は行動範囲がどうしても狭まって、予想外の景色に出会ったり、新しい場所へ足を運ぶのをためらったりしがちだったけど、来年からは動き出そうかな。

 

長い冬の間に少しずつ読んで、こんな過ごし方もいいな、この町の景色を見に行きたいと、来年の手帳に書き込んでみよう。

 

 

 

いとぽんより

 

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【のんびり読書泊の宿】

 

新潟県長岡市にある、1日1組限定の一軒家の貸し切り宿『NEMARU~stay&deiscovery~

ブックコーナーの本は、いとぽんがセレクトした新刊・古本が並んでいます。

お泊りの方は本を読んだり、購入することができます。

 

宿のHP:NEMARU~stay&deiscovery~