伊藤ニコラス -11ページ目
どうです、みなさん。
自分の可愛い、可愛い肥えたペットを見るとよだれがとまらない。。。ってなります?

そんなことないですよね。

いやべつに僕も肥えた牛や羊を見て「やばっ!!うまそ!!」ってなるわけじゃないんですけど、そう言う事を言いたいわけじゃないんです。笑


日本で飼われてるペットの多くは犬か猫です。自分のペットを愛してやまない人はたくさんいますし、僕も前まで犬を飼っていたのでその気持ちはよくわかります。

じゃあなんでそのペットのことを「食べたい!」とは思わないんでしょうか。というか、なぜ「食べたい!」なんてまず考えもしないのはなぜでしょうか。


中国では未だに犬が食されている事は有名です。

某年某日、北京のイギリス大使館でレセプションが開かれた時に、中国の外相が大使の飼っていたスパニュエル種の雌イヌのことを「かわいらしい」と褒めました。すると大使の方は、もうすぐ仔犬を生みますので、その仔犬をお受け取りいただけたら光栄です、と、その外相に応答。
仔犬は無事に生まれ、大使は外相のところに仔犬を何匹か送りました。数日後、イギリスの大使「仔犬はお気に召しましたか」とたずねたところ、「たいへん美味でした」と外相は答えた。

という笑い話があるくらいです。

そうでなくても、ヨーロッパでは10世紀から15世紀までに記録されてるだけでも8回の飢饉があります。そう言った時に飢え苦しんでいた庶民はイヌを見つけては食べていました。
食料がないのだから当たり前です。

中国での犬肉食の話が出ると中国をバカにするような風潮が海外には少しありますが、20世紀にはいいってからも、スペインやドイツ、スイスなどで、犬肉食の事実が明るみに出て近隣諸国に衝撃を与えたという話もあります。

他民族の犬肉食の伝統を野蛮だ、残酷だと避難してきたにも関わらず、ごく最近まで一部のマニアたちは犬肉を食べていたのです。(てかきっとまだ食べてるよね)


というかそもそも、なぜ犬肉食を「悪」のように扱うのかという話です。

たくさんある理由のうちの一つとしては、狩猟、遊牧民にとって、イヌは重要な仲間であり財産でもあったので、自分たちにとって大切な「仲間」であるイヌをを食べる人達に対して嫌悪感を抱いていたのです。またイヌとともに狩猟をしていた民族には、オオカミをトーテム(祖先神)としていた事が多かったので、イヌを食べる事なんてまず考えられなかったのだと思います。

また『旧約聖書』では人をイヌよばわりする事は軽蔑・侮辱を表していたり、dog は god の逆綴りだったので自分の尻尾を加えているイヌは悪魔の化身とされ、14世紀にヨーロッパを恐怖のどん底に陥れたペストの大流行も黒犬に化けた悪魔が黒死病をまき散らして回ったせいだ、と噂されたりしていたので、そんな動物に食欲が湧くはずもなく、しだいにイヌは食べられなくなっていったのです。



じゃあ猫はどうでしょう

イヌを食べたという記録はたくさん残っているのですが、ネコを食べたという記録はあまり残っていません。

ネコは、農業国でありネズミ害に悩まされていた古代エジプトで大活躍しました。ヘビやイタチに任せるよりよっぽど役に立つので、エジプト農民の救世主となっていたのです。

そんなネコは古代エジプト人から、暗闇のなかで目が光る事から「夜に冥界に沈んだ太陽神ラーがネコの目を通してこの世を見ている」と信じられていました。

また、エジプトではネコはその鳴き声から「マウ」と呼ばれていたのですが、これには「見る」という意味もあり、光の明暗によって変化するネコの瞳は、月の満ち欠けとも関係しているとも考えられていました。そのため、ネコの頭部をもつ月と愛と生殖の女神バストとして崇拝されるようになったのです。

太陽神でもあり、月神でもあったネコは神聖な動物として扱われ、国家に幸福をもたらす守護神となっていたのです。
こんなんになっちゃったら、いくらなんでも食べるなんて考えられませんよね笑

他にも、犬は飼い主になつくのに対して、ネコはこれだけの時間、人間とともに生きてきたにもかかわらず、未だに孤独を好みます。それに「ネコを被る」という言葉があるように、甘えてきたかと思った矢先に態度を変え、どっかに行ってしまいます。ローマ人はネコたちのこのような習性に不気味さを感じ、その七変化的な魔性ゆえにネコを敬遠して食べなかったのだと思われます。


こうしてみてみてみると、犬は「汚い」とか「悪魔の化身」のように象徴されていたり、猫は「不気味」とされて忌み嫌われていたりするのと同時に、犬も猫も神に似たようなものとして崇拝されていた例があるのです。

嫌われても崇められていても、「食べ物として考えられなくなる」という点では同じ方向に向かっていた事が調べていて面白かったです。

世界各地でも似たような理由で犬や猫は食べられなくなっていきました。これが、長い時間を経て「現代の常識」となったのです。


他にもたくさん例があるんですが、キリがないのでこれくらいで!!

じゃっ!



この本かなり参考にしました。

ヒトはなぜペットを食べないか (文春新書)/文藝春秋

¥714
Amazon.co.jp