前日の面接の余韻を引きずりながら、静かに朝がはじまった。
LINEに、よっくんから「◯番が良い」と連絡が入っていた。
自分の感覚とぴたりと重なったその一言で、ようやく答えを出すことができた。
今回の面接では、レンディやイルパンの親戚も候補者に含まれていた。
とても悩んだ末、彼らは“選ばない”という判断に至った。
でもそれは、感情を切り捨てた冷たい決断ではなく、誠実な判断の結果。
選ばれなかった子たちにも、
そしてレンディたちにも、
きちんと「敬意」を持って理由を伝えようと思っている。
彼らが誇れるような組織をつくっていくことこそ、自分の役目だから。
世界遺産を巡る、祈りと歴史の旅
この日は、観光の1日。
せっかく中部ジャワに来たからには、行きたいと思っていた場所があった。
それが──
ヒンドゥーと仏教、異なる信仰が息づく2つの世界遺産。
プランバナンと、ボロブドゥール。
🛕 プランバナン寺院|“破壊神シヴァ”と縦に伸びる信仰
最初に訪れたのは「プランバナン」。
ここには、ヒンドゥー教の三大神のひとり、破壊と再生の神“シヴァ(こちらでは“シワ”と呼ばれていた)”が祀られている。
不思議なことに、この寺院群は「一晩で造られた」という伝説もある。
現地ガイドがそう語ってくれたとき、
“ああ、人々の信仰って、時に不可能をも信じさせるんだな”と妙に納得した。
ヒンドゥー建築は「縦へ縦へ」と天に向かっていく様が特徴。
空へと突き抜けるような尖塔を眺めながら、
人が神に近づこうとしたその姿勢に少し感動した。
🪷 ボロブドゥール仏教寺院|時を超えた静寂のシンボル
そこから車で1時間半ほど。
お次は「ボロブドゥール」へ。
こちらは仏教寺院。
国の大部分がイスラム教であるインドネシアで、仏教とヒンドゥーがこれほどまでに大切に残されていること自体がすごいと思う。
建物そのものよりも、
そこに立つことで得られる“感覚”が良かった。
正直、泣くほど感動した…とかではないけど、
異なる宗教が平和に共存しているこの場所の空気を感じられたことが、何よりも収穫だった。
🚗 支えてくれる仲間の存在
移動中もずっと運転してくれたホエールルさん、
そしてずっと帯同してくれたインドネシアスタッフ・ヌルハン(通称:賢一)、
本当にありがとう。
こうして無事に観光を終え、空港へ。
再びジャカルタへと戻った。
まだまだ続くこの旅。
でも、こうして「決断」と「体験」が交差する一日があると、旅そのものがまた一段と深まる気がした。





