【令和3年 第2回 富田林市議会定例会(6月)本会議】いとう寛光による大阪維新の会・代表質問② | 富田林市議会議員 伊東寛光オフィシャルブログ「議員って普段、何してる?」Powered by Ameba

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「議員って普段、何してるん?」
「議会が無い日はヒマなんやろ?」

議員になる前、私も同じような疑問を持っていました。
そして、その答えは議員になって初めて知りました!

あなたの疑問に全力でお答えします。

※富田林市議会議員「いとう寛光」の公式ブログ。

■本市の学校教育について。

(1)学校のきまりごとについて。

 昨今、合理性のない学校独自のルール、いわゆるブラック校則というものがメディア等で取り上げられております。本市の中学校についても調べたところ幾つか課題が見つかりましたので、今回取り上げようと思います。

 まずは総論からお伺いしようと思いますが、そもそもの問題として、校則等の決まり事が定められているのはなぜか。

 例えば、第一中学校区では富田林小学校、新堂小学校と併せて校長連名で「第一中学校区でルールが統一されています~新たな出会いを大切にするために~」というプリントが校区の保護者宛てに配付されております。

 私はこのプリントを拝見して非常に感銘を受けたのですが、どういう思いでルールを定めているのか、何のためにルールが定められているのか、どんな中学校区にしたいかなど、趣旨や目的、ビジョン等が明確に示されております。

 他の学校、中学校区には無い取り組みのようですが、非常に分かりやすく、保護者にとっても児童生徒にとっても納得感が得られやすいように思います。

 恐らく、ほかの学校でも同じような思いから決まりごとを定めているのではないかと推察するところではありますが、学校ごとに決まりごとが定められている理由について本市教育委員会の見解をお示しください。

 次に、きまりごとの制定権者(最終責任者)は誰か、お伺いいたします。

 第一中学校区については各学校長連名となっておりますが、他の学校については必ずしも明記されていないようですので、お伺いいたします。

 また、決まりごとを改正する方法について定めがありません。

 いくつかの学校で、生徒会が主導して生徒の意見を募ったり教職員と折衝を行うなどして改正した事例があるように聞き及んでおりますが、そもそも決まり事を改正する方法が明示されていなければ、改正しようとする運動も起きにくいと考えます。決まり事を改正する方法について定めがないのはなぜか、また、生徒の自主性、主体性等を育むためにも改正する方法について明示するべきではないかと考えますが、見解をお示しください。

 次に、私たちが中学生だった頃は、恐らく校則というものは生徒手帳などの形で配付されていたかと思いますが、現在、生徒証明証はカード型で配付されており、校則や決まり事等は別途、印刷して冊子を配付していると聞き及んでおります。

 ところが、一部の学校ではその冊子を教諭が回収しているため生徒の手元になかったり、学校で保管していて保護者が確認しにくいなどの事例が発生しております。決まり事は確認できなければ意味がありませんし、口頭で説明等しているとしても説明が不十分である可能性もあります。また、成熟した成人と比べ批判能力が必ずしも十分でない生徒たちの自由を、非合理的な決め事で不当に制限することにつながりやすい状況であると言えます。

 そこで、決まり事を生徒や保護者が自由に確認できない学校があることについて本市教育委員会の見解を求めます。

 また、この際ですので、幅広く意見を集めるためにも決まり事を全校それぞれウェブ公開してはどうかと考えますが、併せてご見解をお示しください。

 次に、冒頭申し上げましたとおり、本市にも合理的な説明が難しいように思われる決まりが存在します。細かく指摘していくと切りがないので、服装、頭髪に限って5点お伺いいたします。

 ポニーテール禁止、ツーブロック禁止、男子の髪型について襟にかからない長さにするように指定、ズボンの裾をダブルに指定、ジャケットの前ボタンを全て留めるように指定など、いずれも私は必要性を感じません。特に男子の髪型について、襟にかからない長さにするように指定というのは、LGBTQに対する理解、配慮に欠けるとんでもない決まりだと考えます。
 これらの合理的な説明が難しいように思われる決まり事について、それぞれ禁止や指定する理由の説明を求めるとともに、このような決まりが存在することについて本市教育委員会の見解を求めます。

 最後に、地域特性を考慮してもなお、学校間で対応が分かれている決まり事が存在することについてお伺いします。

 例えば、ある中学校ではハイネックの服を着てもよかったり、他の学校では禁止であったりという、同じ富田林市内であるにもかかわらず学校によって決まり事が分かれているのは、生徒にも保護者にも説明がつかないのではないかと考えます。このような状況が発生していることについて本市教育委員会はどのように考えているのか、見解を求めます。

(2)中学校給食について。

 本市では現在、中学1年生を対象に、給食の日という中学校給食を無料で体験する日が設けられております。小学校給食とは献立の内容や給食の受け取り方が異なることから、違いを体験し、中学校給食の魅力を知ってもらうことを目的としているとのことであります。

 本事業により、中学校給食の喫食率等にどのような影響があったのか、まずは給食の日の事業効果についてお示しください。

 次に、令和2年度には中学校給食30食分の無料チケットが配付されました。

 案内文では、ぜひこの機会に給食の利用を増やしていただけたらと考えておりますとの記載があります。

 そこで、実際のチケットの消化状況及び事業実施後の喫食率への影響等についてお示しください。

 最後に、中学校給食の全員喫食化についてお伺いします。

 全員喫食化については以前、他会派の代表質問等でも言及がありましたが、改めて取り上げたいと思います。

 私は北海道釧路市出身であります。今から約35年前の話になりますが、小学校、中学校とも学校給食は全員喫食でありました。

 大阪ではそもそも中学校給食が実施されていないということを知ったときには、大変驚いたのを覚えております。その後、本市では平成22年度から市内全中学校で選択制給食が始まったわけですが、なぜ選択制なのか、いまだに理由がよく分かりません。

 先日、令和2年度の事務事業評価シートが公表されましたが、学校給食管理運営事業のシートで小学校給食においては、事業の必需性について、市立小学校に通学する小学生全員を対象にした行政サービスであり、子育てするなら富田林をキャッチコピーにする本市には必要不可欠の事業との記載があります。

 それに対して中学校給食事業のシートでは、中学校給食開始から10年以上経過し、平成30年度には初めて喫食率が年間50%以上となり、本市において中学校給食は定着したものとなった。子育てするなら富田林をキャッチコピーにする本市においては必要不可欠の事業であるとの記載があります。

 記載のとおり、いずれも子育てするなら富田林をキャッチコピーとする本市にとって必要不可欠の事業なのであれば、小学校は全員喫食とし、中学校では全員喫食としない理由がよく分かりません。

 また、事業概要の欄を見ても食育の推進という共通のフレーズが入っておりますが、選択制を是とするならば、中学校では一部の生徒に対しては食育の推進をしなくてもよいという考えが根底にあるという理解でいいのか、さらには、今年度から市立幼稚園で給食の提供が始まりますが、給食の提供の対象拡大の方向と現状の中学校給食を選択制のままで据え置くということの整合性がつかないようにも思います。いかがでしょうか。

 提供可能食数が生徒数に満たない学校があるということは承知しておりますが、全員喫食を前提に考えれば工夫の余地があるのではないか、あるいは改修等に予算を割いてでも全員喫食化すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、執行部の見解を求めます。



[執行部答弁]教育長

 最初に、 学校の決まり事は、各校の教育目的の実現に向け、子どもが健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として定めるものでございます。特に小中学校におきましては、子どもが心身の大きな発達の過程にあることに加え、学校が集団生活の場であることを踏まえ、各校において定められております。

 次に、決まり事は、それぞれの学校の状況に合わせて決められる内容もございますことから、校内での議論を踏まえ、最終的に学校長が判断し定めるものとなっております。

 次に、学校の決まり事の改正に当たりましては、例えば通学、欠席や早退などの手続のように指導の観点で教職員や保護者が主導となる形もあれば、服装、髪型、所持品の変更など子どもが主導となるものもございます。決まり事の改正方法を一くくりで示すことは難しい部分があると考えております。

 しかしながら、議員ご指摘のように改正に向けた取組を行うことは、子どもの自主性、主体性を育むことにもつながると考えておりますことから、今後、改正に係る方法を明示することについても検討してまいります。

 次に現在、学校は、決まり事を記した文書を年度始めや入学説明会の際に子どもや保護者へ配付しております。また、見直した内容や改正の進捗状況につきましても生徒会新聞や児童生徒集会の機会を通して発信しております。一方で、議員ご指摘のとおり、学校が冊子などを保管し、決まり事を子どもや保護者が自由に確認できない状況につきましては、改善を図る必要があると考えております。

 本市教育委員会といたしましては、そのような状況の改善に加え、決まり事に対して保護者をはじめ幅広い意見をいただくことも重要であると考えておりますことから、今後、各校のウェブページ等での公開を検討してまいります。

 次に、様々な禁止事項や指示事項につきましては、TPOを踏まえて学校生活に適した身だしなみや服装を整えることを目的にしたものが多くございます。近年では、男女の区別なく着用できるブレザー、スラックス型の制服へと、子どもの意向を尊重しながら順次変更している学校も多くなってきております。

 また、ズボンの裾のダブル指定は、身長が伸びた際にシングルにできるような配慮となっている側面もございますが、一方で、議員ご指摘のように、現在の子どもや社会の実態に即していないもの、合理的な説明が難しいと捉えられる内容も見受けられます。

 決まりごとの中には、冊子などには記されているものの校内で柔軟に運用している場合もございますので、その趣旨や合理性などを踏まえ、子どもの状況と併せて改めて確認する必要があると考えております。

 次に、各学校の決まり事に係る実情につきましては、市内中学校生徒指導担当者が集まった会議などで情報を交換しております。この会議では、決まり事の内容、学校や生徒の現状、保護者や地域からの意見なども共有しております。ほかにも、社会情勢に照らして決まり事の趣旨や内容を議論することもございます。

 今後は、学校間で対応が分かれている決まりごとについて取り上げ、各校の教育目的を実現するために必要なものか、あるいは合理的な説明が必要か否かといった観点で議論を進めてまいりたいと考えております。

 本市教育委員会といたしましては、様々な決まりごとの目的や定められた理由について、子どもをはじめ保護者や地域の皆様にも幅広く周知しご理解いただくことが、よりよい学校生活、子どもの自己実現のために重要であると認識しておりますことから、各校が決まり事や改正方法の周知、意見収集、見直しの充実を図ることができるよう取組を進めてまいります。



[執行部答弁]教育総務部長

 まず、給食の日は、平成22年度から全8中学校で始まりました中学校給食のよさを知っていただいて、申込みをしてもらえるよう、生徒に給食1食分を無料で提供し味わっていただく取組としまして平成24年度から実施しております。平成28年度までは1年生から3年生までを対象とし、平成29年度からは1年生のみを対象に行っているところでございます。

 その事業効果といたしましては、全8中学校での喫食率の推移から見ますと、平成23年度で29.3%、24年度で34.9%、26年度で41.8%、30年度で50.6%、令和2年度で53.2%と年々増加しており、給食の日に合わせて実施しているアンケートなどを基に生徒のニーズの把握に努めるとともに、献立立案の工夫などの取組を通じまして選択制給食をより多くの生徒の皆さんに申し込んでいただいていると考えております。

 次に、給食無料チケットは、新型コロナウイルス感染症の影響による保護者の経済的負担の軽減を図ることを目的に、令和2年10月から令和3年3月までの6か月間で生徒1人当たり30食分が無料になる事業としまして実施したものでございます。

 チケットの消化状況としましては、全体の利用が80.1%の5万9,843食分で、この6か月間の全8中学校の平均喫食率は前年の同期間と比較して約4.4ポイント上昇という結果でございました。また、給食無料チケット事業実施後の喫食率につきましても上昇傾向が現れているものと考えております。

 最後に、本市中学校給食は、現在全8中学校におきまして選択制で自校調理方式により実施しているところでございます。学校給食の導入に当たりましては、家庭で作られたお弁当と手の込んだ学校給食を併存させ、自我に目覚めた中学生の選択を尊重するなどの観点から現在の方式が採用され、給食提供に対応できるよう各施設や設備の整備をしたものでございます。

 本市では、全8中学校での給食が始まって約10年が経過し、選択制給食での喫食率について、他市と比較しても高い状態を維持しており、満足度の高いものになっていると認識しているところでございます。

 このような中、中学校給食を全員喫食化する場合には、提供可能食数の確保のため、新たな施設や設備の整備などのほか、配膳下膳の面から限られた給食時間内で給食を終えることが困難となるなど、様々な課題が考えられるところでございます。

 しかしながら、全員喫食化している自治体も増えている状況もございますことから近隣市や
先進市の取組を注視するとともに、食育の推進という観点からも、生徒、保護者の皆様により満足していただける中学校給食となるよう調査検討してまいります。



[いとう寛光の発言]意見・要望

 まず、学校の決まり事についてですが、前向きかつ誠実なご答弁をいただいたものと評価いたします。できれば、合理的な説明が難しいと思われる決まりごとについて、私が列挙したそれぞれについて決まり事の合理的な理由をご説明いただきたかったところではありますが、いただいたご答弁から、市教委としても合理的な説明が難しいと考えているであろうこと、あるいは個別に答弁するのはしんどいと考えているんだろうということは推察できましたので、敢えて再質問はいたしません。

 ただ、冊子等には記載されているものの校内で柔軟に運用している場合もあるというのは、子どもたちや保護者の立場からすると、何がよくて何が禁止されているのかという予測可能性を害すること、また、ルールとして定められていても必ずしもルールを守らなくてもよいものなのだという誤ったメッセージを与えることにもなりかねませんので、早急に改善していただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、今回取り上げた事項につきましては、スピード感を持って今年度中に検討、対応をしていただき、令和4年度からは改善された状態で新年度を迎えていただきたいと考えておりますので、強く要望いたします。

 次に、中学校給食における給食の日や無料チケットの事業効果等についてですが、特に、無料チケットの利用率が約80.1%ということには大変驚いております。

 事前のヒアリングでは、ふだんから喫食率が高い学校はチケットの利用率も高く、喫食率が低い学校はチケットの利用率が低かったように聞き及んでおりますが、チケットの利用日を自由に選ぶことができ、また、無料であるにかかわらず未利用分が約19.9%も残ったというのは問題だと考えております。中学校給食自体に問題があるかもしれないので、決算審査等、別の機会に改めて議論していきたいと思っております。

 また、全員喫食化については若干前向きなご答弁をいただけたものと受け取ります。

 中学校給食については、例えば量が多いとか少ないなど、現在の提供方法等を変えることで解決できる課題から出ている不満も聞こえてきております。

 喫食率が高い学校と低い学校では、同調圧力や地域特性、学校給食以外の選択肢に魅力を感じているケースなど、様々な状況の違いがあるかと考えます。

 中学校給食自体は定着している現在、全員喫食化の方向に向かうのであれば、全員喫食化を前提に課題を整理し、クリアできるところから取り組んでいくことが大切だと考えます。食育の推進という観点からも、市としてどういう方向に進めるべきかということも含め、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。