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一言居士21+α

欧米や国連が懸念するほど、日本の言論・報道の自由は危ない状況です。
そんな老婆心から立ち上げたのが「一言居士21」です。
40年余りの記者経験による直感と近現代史の視点から、
気ままに放言していきたいと思います。
(2016年4月、原則として敬称略)

GoToイートの盲点を衝く「トリキの錬金術」と呼ばれるポイント稼ぎがSNSで拡散し問題になっている。

 

全品を税抜き298円で提供する鳥貴族で夕食に1品を注文するだけで、後日1000円分のポイントがもらえることから差額が“儲け”になる。この作業をすればするほどポイントが貯まっていく。

 

トリキ錬金術は盲点を衝いてはいるが、合法的かつルールに則っている。

すなわち、本来の趣旨から外れ自制すべき“脱法行為”である。

 

法律を自分に都合良く解釈して、この脱法行為を繰り返してきたのが安倍政権であり、菅政権である。トリキ錬金術を使っている人たちは、そうした安倍&菅の手法を見倣ったのかも知れない。これも“悪しき前例”である。

日本国憲法・第6条にはこう記されている。

 

第1項 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣任命する。

第2項 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官任命する。

 

もし菅総理が、日本学術会議が推薦した新会員候補者の任命を拒否できると言い張るのであれば、天皇の意に添わなければ、総理大臣任命最高裁長官任命拒否できる、ということになってしまうだろう。

 

菅は、それでもいいのだろうか?

 

菅義偉総理の強権狂権?)ぶりが目に余る。

異論異議を挟む、唱えることを一切許さない、といった態度だ。

 

霞が関官僚に対する態度はすでに報道されているが、今度は日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を拒否した。遂に、学問=頭脳の領域まで手を突っ込んできたのだ。

 

 

日本学術会議のホームページには、同会議が「科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました」と記されている。

 

要は、総理は君臨すれども統治せず、が根本原則だったのだ。その禁を軽々しく打ち破ってしまった。戦時下の憲兵、特高を連想させるとともに、諜報機関出のプーチン露大統領陰湿陰険さが似通っている。

 

これに対して、安倍晋三前総理は同じ強権でも、トランプ米大統領に近い。というよりも、安倍の方が5年早かったので、トランプ大統領が“安倍型”と言うべきだろう。その意味で、安倍は続々登場した世界の荒くれ者リーダー先駆者だったのだ。

 

 

議論が混乱しているな、という印象だ。

 

特に目新しいプランではないのだが、23日夜のTV番組で、菅総理の“元上司”かつ“政策ブレーン”竹中平蔵パソナグループ取締役会長が提案したことで、再び、注目を集めるに至っている。

 

ベーシックインカム(BI)」は欧米ではすでに地域限定の実証実験も行われているし、日本でもはかなり以前から話題になってきた。しかし、ほとんどの発言者が「具体的な制度設計」を示さずに良し悪しを議論するため、聞けば聞くほどに迷路に迷い込んだ気分になってしまう。

 

当たり前のことだが、「ベーシックインカム(BI)」はあくまでも1つの政策「手段」であり、詳細な「制度設計」「誰が執行するのか」によって、その効果・影響は大きく変わってしまう性質を備えている。「誰が」「何時」、どのタイミングで持ち出したか、という点も重要な判断材料になる。

 

制度設計」について言えば、菅総理が官房長官時代に実施した「ふるさと納税」や新型コロナ対策として始めた「GoToキャンペーン」などの政策が現実に誰に恩恵を与え、誰に与えなかったのか、検証すれば一目瞭然であろう。

 

したがって、総論だけで賛否を議論するのはほとんど無意味であるばかりか危険でもある。必ず、具体案=制度設計を示した上で、その賛否を論じるべきだ。

 

日本人は「改革」という言葉に酔う傾向がある。

 

菅義偉政権はこの心理を巧みに利用して、表では「改革」をアピールしながら、そのでは既得権益者から利権を奪取する「仕組み作り」に熱心に取り組んでいる。そのシンボリックな動きが「デジタル・ガバメント(電子政府)」である。

 

新型コロナ禍は、日本政府機関のデジタル化の遅れを浮き彫りにした。安倍&菅政権は、これを好機と捉え、さる7月の「骨太の方針」で次世代型行政サービスの強力な推進として、「デジタル・ガバメントの断行」を打ち出した。

 

骨太の方針では、民間の人材・技術・知恵を取り入れ、徹底した見直しを行い、ベンダーロックインを避けるとしている。ベンダーロックインとは、システム改修を開発ベンダ(事業者)しか実質的に実施できないなど、特定のベンダに依存せざるをえない環境のことで、早い話、改革の名の下に霞が関官庁IT企業(ITソフト会社等)からデジタル利権召し上げることである。

 

政府全体で様々な行政手続のデジタル化を一気に実現するとし、行政のデジタル化の集中改革を強力に推進するため、「内閣官房に民間専門家と関係府省庁を含む新たな司令塔機能を構築する」とした。これが、「デジタル庁」である。

 

これらの施策を一元的に推進するため、関係法令の改正を含めたIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法、〈平成12年〉)の全面的な見直しを行う。これにより、「政府CIO(最高情報責任者)の機能の強化等を定め、政府全体に横串を刺した社会全体のデジタル化の取組の抜本的強化を図る」とした。

 

安倍政権で内閣府副大臣だった自民党の平将明議員は、IT基本法改正案の柱が政府CIOの権限強化であり、これと合わせてIT予算集約化を行う、と言う。つまり、IT予算のうち700億円は政府CIOの下で一括計上する改革を行ったが、今度はIT予算全額4000億円政府CIOの下で一括調達、計上して、そこに集約することにした、というのだ。

 

言うまでもなく政府CIOが一人では4000億円を差配できるはずはなく、自ずと周囲のデジタル庁関係者官邸が絡むことになる。そればかりか何と、あの竹中平蔵がすでに絡んでいるようなのだ。竹中と言えば、小泉政権当時、菅総理が総務副大臣だったときの総務大臣=元上司部下の関係である。

 

底知れぬ胡散臭さを感じざるを得ないのだ・・・。