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一言居士21+α

欧米や国連が懸念するほど、日本の言論・報道の自由は危ない状況です。
そんな老婆心から立ち上げたのが「一言居士21」です。
40年余りの記者経験による直感と近現代史の視点から、
気ままに放言していきたいと思います。
(2016年4月、原則として敬称略)

都知事選で小池知事が圧勝したことで、またぞろ期待?待望?話題作り?の「小池総理」論が出ているが、現状では実現性は低いと見ている。

 

確かに、安倍内閣の支持率は低下しているが、自民党支持率が大幅に下落しているわけではない。ならば、党内の後継者で足りる。

 

 

それでも仮に、「小池総理」が誕生すると想定すると、まずは国会議員になる必要がある。今秋と目される解散総選挙に出馬する必要があり、小池に投票した都民から批判が出かねない。ただ、新型コロナで盟友の東京豊島区長を支援する辺りは「その気」はあるのだろう。

 

さらに、解散総選挙で安倍自民が単独過半数を維持できれば辛勝とはいえ、「勝利は勝利」ということで、「総裁4選」へと突き進む可能性が出てくる。兎に角、安倍夫婦にとっては、「辞めた後が怖い」。一番、安心なのは、やはり自分で総理の座に座り続けることなのだ。

 

こうなると、事実上、「小池総理」の可能性は消える

 

 

解散が現実味を帯びるなか、立憲民主党と国民民主党の合流は両党の存亡左右する喫緊の課題となってきた。

 

国民民主党は17日、両院議員懇談会と全国幹事会の合同会議を開き、立憲民主党との合流を議論するそうだ。窮地に立っていた安倍自民は今度の都議補選で全勝し、息を吹き返しつつあるように見える。

 

今回の合同会議で「合流」に向けた明確な方針が決まらず、立憲との合流が先送りとなれば、安倍自民を一層強気にさせるのは必定で、9月とも10月とも囁かれる解散総選挙で「自民圧勝・野党惨敗」という悲劇が繰り返されることになりかねない。

 

しかも今度は悲劇で済まない事情もある。

第2の“希望の党事件”が起きる可能性が浮上しているからだ。

 

 

あの“分断男”前原誠司は日本維新に接近し、今度の都知事選でも維新の候補を応援した親密さで、虎視眈々と国民民主党の分断と日本維新による「吸収合併」を謀っているように見える。同党は“草刈り場”になるだろう。

 

立憲民主党との合流が党名で滞っているというならば、党名原点に帰って「民主党」でよいではないか。

 

旧民主党の目玉政策「コンクリートから人へ」が未だに気に食わない連中には、今度の熊本・球磨川流域の洪水は、格好の攻撃材料になるはずだった。

 

案の定、口火を切った橋下徹元大阪府知事は、12年前に蒲島郁夫県知事川辺川ダム計画中止したことを槍玉に上げることで、間接的に旧民主党を批判するつむりだったのだろう。

 

ところが、ふと気付いたようだ。

 

攻撃対象に定めた蒲島知事を尊敬する弟子で、8年もの長きにわたって「熊本県副知事」として蒲島県政を支えてきたのが、何と先の都知事選で維新が推薦した小野泰輔氏なのである。

 

 

つまり、単純に蒲島知事の「脱ダム」を批判すれば、橋下の仲間が推薦した小野候補同罪として批判するという自己矛盾に陥ってしまうわけだ。

 

そこで攻撃の対象を「脱ダム」そのものから若干逸らし、蒲島知事も同意見の「ダムに変わる治水対策しない」という何とも苦しい言い草と相成ったらしい。かくして、旧民主党の「コンクリートから人へ」バッシングは腰砕けに終わった。

 

 

今回の東京都知事選での、れいわ新選組山本太郎候補(代表)の選挙運動をみるにつけ、田中角栄元総理再来を連想するのは筆者だけだろうか。

 

 

★「学歴」ではなく「実力」

  =非大卒だが頭脳明晰で肚が据わっている

★目線が低い=常に庶民目線で地方を重視する

★底知れぬパワーと情熱

   =角栄は、コンピュータ付ブルドーザーと呼ばれた

★抜きん出たコミュニケーション能力をフルに発揮する

=情報の収集・分析・表現力と三拍子揃っている

★目指す目標が明確=総理となって日本を変えると明言する

 

ランダムに挙げただけでも上記のような共通点が思い浮かぶ。とにかく山本候補の行くところ、人が集まる話が上手い(&面白いし元気が出る)。予告なし街頭演説を始めてもやがて人だかりができる。それでいて、街頭演説の大半は市民ボランティアが自主的にセッティングしたものだそうだ。

 

ただ、山本太郎はバージョンアップした“令和の角栄”である。

 

 

 

ITメディアの駆使もその1つ。TVメディアからは疎外(=排除?)される一方で、ネット動画による街頭演説のライブ配信SNSを駆使した情報戦略で、時代の潮流から取り残されていくTVメディアによる“不作為のイジメ”を跳ね返す。

 

都知事選で善戦すれば、国政でも勢いが復活するだろう。そして、あといくつかの条件が整えば、今後10年~20年の間に「山本太郎総理」が誕生する確率は高いと見る。まだ45歳、10年後で55歳、20年後でも65歳である。

 

今年の解散に絡んだ政治情勢が、2017年解散時の情勢によく似ているとの声が聞かれる。確かに、安倍自民党サイドの事情(疑惑の追及、内閣支持率の低下・不支持率の上昇等)は似ている。

 

今度は、立憲&国民の団結がカギを握る

 

しかし、決定的に違うのは野党サイドの事情だ。

 

当時は、前年に都知事に当選した小池百合子が都議会自民党を敵に回した、いわゆる「小池劇場」がTVのワイドショーを中心に持て囃され、殊に女性層から絶大な支持を集めていた。

 

その勢いをかって、小池は都議会政党「都民ファーストの会」の旗を掲げて、翌17年の都議会議員選挙で大勝した。都政での破竹の勢いが全国的な人気へと広がり、解散を見据えて国政政党「希望の党」を立ち上げる。

 

間髪入れずに、前原誠二代表の下で党勢が沈滞していた野党第一党「民進党」に手を突っ込んだ。小池は稚拙な前原を籠絡し、政治的に自分に近い右派議員を取り込み、リベラル派議員を「排除する」と公言して憚らなかった。

 

結局、小池の「排除発言」で希望の党は失速するが、2017年9月の解散総選挙での安倍自民大勝に「民進党分裂」が多大な貢献をしたことは明らかだ。

 

翻って今年2020年7月現在、大手メディアが期待するように都知事選で小池百合子が当選しても、2017年のような一大ブームが起きるとは思えない。立憲民主党と国民民主党など野党のリーダー、所属議員が賢ければ小異を捨てて団結し、今度のチャンスをゲットすることになるだろう。

 

ちなみに、もう1つ挙げれば、広島の河合夫婦の逮捕1億5000万円の疑惑が解明されるにつれて、安倍自民にどのような影響が及ぶのか、特捜部の捜査の行方によっては安倍総理は抜き差しならぬ立場に立たされる恐れもあろう。