どうやら、安倍首相は拉致問題をお得意の「ATM外交」で解決する肚を固めたようだ。
さる5月14日の衆議院・予算委員会(集中審議)では、国民民主党の玉木雄一郎共同代表から的を射た質問攻勢にタジタジだったが、シドロモドロの答弁の中に、安倍首相のホンネがチラホラ露見した。
玉木氏は、こう質問した。
「スカッドERやノドンといった(北朝鮮の)中短距離(ミサイル)がCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核解体)で完全な形で廃棄されない限り、制裁解除はもちろんだが、『我が国の(経済)支援も1円も出さない』と、明確にいってください。」
明かに動揺した安倍首相の答弁は、ここから脈絡のないパニック状態に陥るので、ある程度、要点をまとめる形で、以下のようにチェックしていきたい。
安倍首相はまず、「北朝鮮への経済支援については、我々、(核)ミサイルと同時に拉致問題がありますから、“独自の立場”を取っているといってもいいわけです。」と聞き様によっては、驚嘆すべき爆弾発言を行った。
ところが、これはまずいと思い直したのか、「原則」に立ち返ろうとする。
「かつて10年前、第1次安倍政権では、6者会合で北朝鮮が核施設を破壊することに対応して経済支援を実施したが、日本は拉致問題が解決していないなかで、20万トンの重油は出さないという判断をした。」
「それは今回も全く変わりはない」とも語ったので、なるほど原則を曲げないのか、と思ったが、そうでもないようだ。こう続けたのである。
「(ただ、)日本にはいま、拉致問題もあるということも加味して考えなければいけないということをご留意願いたいと思うわけでございます。」
ここでいう、①「拉致問題もあるということも加味」とはどういう意味なのか? ②「ご留意願いたい」とは、何を留意するのか? 結局のところ、次のような“苦しい政策転換”の姿が浮かんできた・・・。
「拉致問題を抱えるという“独自の立場”を加味すれば、1円も出さない、なんていってられないんです。どうかご留意ください。」
安倍首相はさらなる玉木氏の追及にプッツンしたようで、遂に、泣き言を吐いた。
「いま、我々は拉致問題を何とかしたいと思って交渉しているんですよ。全ての手の内をここで申し上げるわけにはいかないんです・・・。」
交渉?手の内?
これまで利用するだけ利用した揚句、何年もほったらかしにしてきた安倍が、よくいえたものだ。
麻生財務相の「ヤジ」が飛んだのは、そのクライマックスの時であった・・・。