米朝首脳会談=北朝鮮を強気に転換させた2つの要因(中国と米中東政策) | 一言居士21+α

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(2016年4月、原則として敬称略)

 

先日、北朝鮮メディアが6月12日に予定される米朝首脳会談考を警告するという、お試し的“揺さぶり”を仕掛けてきた。

 

北朝鮮は米朝首脳会談の開催が決まって以降、2つの点強気に転じる要因が生じた。

1つは、中国の積極的バックアップであり、もう1つはワーストタイミングによるトランプ米政権による中東政策の実施である。

 

米国による中東政策は、①イラン核合意からの離脱と、②イスラエルの米大使館エルサレム移転である。いずれも、中東情勢緊迫させるに十分な政策であり、一部では武力行使も始まっている。

 

中東が緊迫して、米軍が関与するようになれば、米軍事行動中東に大きくシフトするのは目に見えている。その結果、二正面作戦を採れない米軍は、朝鮮半島で武力衝突を回避せざるを得なくなった。

 

かくして、北朝鮮は米朝首脳会談の決裂を、従来ほどには恐れる必要が逓減した。

 

とはいえ、トランプ大統領との首脳会談の決裂のダメージが小さくいわけでもない。

これは今秋に中間選挙を控える、トランプ大統領にとっても同様だ。

 

したがって、非核化や化学兵器廃棄等々に関する“条件闘争”となる。CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核解体)は不透明感が漂ってきた。米朝首脳会談を「成功」とさせるためには、トランプ大統領はある程度の“譲歩”を迫られることになろう。