個人を力で押さえ付ける、安倍政権を象徴する今村復興相の「暴言」 | 一言居士21+α

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欧米や国連が懸念するほど、日本の言論・報道の自由は危ない状況です。
そんな老婆心から立ち上げたのが「一言居士21」です。
40年余りの記者経験による直感と近現代史の視点から、
気ままに放言していきたいと思います。
(2016年4月、原則として敬称略)

出るべくして出た「暴言」だった、といえるだろう。

 

福島の原発事故での自主避難者への住宅の無償提供が打ち切られたことに関する、4月4日の記者会見での今村雅弘復興相の発言である。

 

「それ(帰還)はもう本人の責任でしょう。本人の判断でしょう」

「自分はそうだ(自己責任)と思いますよ」

裁判だなんだでも、そこのところはやればいいじゃないですか、やったじゃないですか。」

 

今村大臣は、記者に対して「(撤回)しなさい! 出て行きなさい! もう二度と来ないでください、あなたは!」といって、自分から退場してしまったが、注目すべきは今村復興相の「暴言」が、安倍内閣の体質を如実に物語っていることである。

 

沖縄基地問題での沖縄県民に対する安倍政権の問答無用の強引な対応、原発の再稼働の強行過程での原発地元住民の安全対策への配慮の欠如、アベノミクスでの大企業ファースト・・・、強きを助け弱きを挫く安倍政権のホンネが目立っている。

 

さらに卑近な例では、安倍首相、稲田防衛相が教育勅語に共鳴していることを認めていること(森友学園の教育勅語教育に関しては賛同)が、より鮮明になっている。

 

以下は、教育勅語の一節だが、親孝行や兄弟姉妹が仲良くすることが、皇国国家(実際は、時の政権)への捨て身の奉仕に収斂することが目的にされていることは要注意である。

 

「・・・汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交わり、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、・・・」

 

なお、特定秘密保護法、きょうから審議入りする「共謀罪(テロ等準備罪)」も、個人をさまざまな形で制約していくことになる・・・。