日本のメディアはなぜ、報じなかったのだろうか?
トランプ米政権はさる3月1日、米USTRによる「トレード・ポリシー・アジェンダ」を公表した。
正式名称を「2017年通商政策課題および2016年年次報告」という、このアジェンダは分厚い英語の資料であり、「日本に関する言及が多い」と、藤末健三氏(民進党・新緑風会)は、きょう30日の参議院・財政金融委員会で指摘した。
このアジェンダの内容について、外務省の石田審議官は、「米国国民にとってより自由でより公正な形での貿易を拡大することを基本原則として、米国の経済成長、雇用創出など、現時点でのトランプ政権の政策を表明した」と説明する。
また、経済産業省の中川審議官は、同様に現時点におけるトランプ政権における通商政策を表明したものとした上で、「これが日本の産業や企業にどのような影響を与えるか、将にここで示された基本指針とか目標とかのもとで、具体的にどのような政策をとっていくか、引き続き注視していく必要がある」と述べた。
民進党の藤末氏は、「無茶苦茶なことを書いているが、トランプ米政権は(実際に)やるのではないかと思う」と語る。
第1に、「米国の主権を守る」と書いてあり、WTOの枠組みには従わないと明確に書いてある。今後、日米二国間対話、日米FTA交渉を行うだろうが、恐らくWTOで仲介してくださいということはできなくなるのではないか」という。
第2に、「米国の通商法を厳密に執行する」ことも書いている。これも恐らく、「米国内で法律を作り、それを他国にも守らせるという議論をされるのではないか」という。
第3に、他の国の市場開放と市場アクセスをあらゆるポリシー・メジャー(政策)を使ってやりますよ、と書いてある。あらゆる手段、恐らく、いろんなことをやると思う。また「新しい通商協定(二国間など)を作っていく」と書いてあるという。
こうして非常に大きな方針が示されたが、麻生太郎・財務大臣は、おおよそ次のように答弁した。
「トランプ大統領は就任時にオバマケア廃止と5回も言い切った。それで対案を出したが、議会に出したら否決ですよ、恥ずかしいやね。自分で出したのに否決よ。議会対策を先にやったらって、それができない人じゃ相手できませんよ。・・・マイク・ペンス副大統領とポール・ライアン下院議長に与えられている使命は議会対策ですから、それができるようにならないと、いろんなことをいってこられても議会を通らないんだから。それが、今の米国が抱える最大の問題だと思います。」
問題は、それでも強引に要求を突き付けてくるリスクが大きいことだ。
あのNYトランプタワー会談、フロリダのゴルフ会談は何だったのだろうか・・・・・?