僕のバレンタイン | まさかずのブログ

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こんにちは。

「踊る阿呆に見る阿呆」とは阿波踊りの唄の文句でありますが、
同じ阿呆でもその性質はまったく異なった阿呆でして、
バレンタインデイという日に限っては、
「祭」の中心の阿呆は、金額の多寡があれども
経済的な負担を強いられる訳で、
祭りから離れた周縁の阿呆は、
一方で精神的に辛酸を嘗めさせられる阿呆という訳です。


僕がバレンタインデイについて確かに思うのは、
1. 人間の最大の娯楽は恋愛であること
2.女性が男性に”おごる”日であることという、
何とも実のないことばかりです。

1はともかくとして、
女性が男性に当然におごることは、世の中にはままあれど、
一般的にはあまりない出来事かもしれません。


最近ではデートの食事も割り勘にする男性もいるようで、
たまにネットのニュースでアンケートや議論があったり、
「わたしは割り勘はダメ派」という
中年のおばさんも知っていますが、
そういうのは置いといて、
古代から男性は女性のために損をするようになっています。


トオマス・マンの『トニオ・クレーゲル』の中で、
「愛するものは常に弱者である」という有名な言葉がありますが、
一般的な男性に豊富な性欲=愛がある以上、
これは致し方のないことである気がします。

オデュッセウスは妻の元へ命がけで帰還するし、
オルフェウスだって、失敗したけど頑張りました。


それを踏まえると、
女性が何の抵抗もなく男性のために金を使い、
男性も何のわだかまりもなく悠々とおごってもらえる、
バレンタインはそんな素敵な1日です。


ただ、西洋の聖人のお祭りなので仕方ないのですが、
チョコレートというのは
ちょっと小洒落てて、どちらかといえば
女性が好むおやつではないかと思います。



というわけで、僕は女性におごってもらう
ちょっとしたおやつは何がいいのか考えてみましたスペード



アイスクリームは溶けてしまうし、
甘栗では西洋的でない上に、素材の形状が
露骨に現れているという点で泥臭い。
するめは臭うし、ピーナッツは節分とちょっとかぶってしまう…。





色々考えた末に、僕が出した結論は、
つまり缶詰がいいのではないかと思うのですドンッ


ちょっとしたおやつの果物はもちろん、
ご飯のおともに最適な牛肉のしぐれ煮でも
缶詰だとちょっとお洒落な感じがします。


缶詰だと、臭いもないし、
持ち運びにたいへん便利です。
スノッブなバーのカウンターで転がして渡すのも、
まっすぐ転がす技術があれば様になります。
オリーブの缶詰なんかだと、
マティーニにちょいと乗せれば月も輝きを増します宝石ブルー


お値段も様々なので、金額の大小で
義理缶と本命缶を区別することもできますし、
相手の男性の好みが分かっていれば、
彼の好む果物・具材を選ぶことができます。

愛犬の散歩で出会う彼には、
犬のえさでもやっておけば、
さりげなく気持ちを伝えることができます。

たとえばおもちゃの缶詰のように、
お金で買えない価値を提示することも可能です。


さらに、バレンタインの出自を鑑みても、
災害用にももってこいの缶詰は、
無償の施しという点で、シンボリックであります。


現在のバレンタイン制度下においては
チョコレート業界が潤うだけですが、
缶詰では色々な食品業界が参入しやすくなり、
市場も拡大するかもしれません。


さらに、花言葉のように、
それぞれの缶詰に”缶言葉”を付けて
特別な意味合いを持たせると、
より神秘的でロマンティックな感じがして、
恋人たちに喜ばれるでしょうクラッカー

りんご…遺伝子が求める愛。
馬肉…今すぐあなたの元へ。
なた豆…賑やかな家庭。とか、ね。


何より、缶詰に使用されている
”スチール”缶の響きが、西洋的な演出を施します。
スティールと呼び方を変えれば、
もっと華やかになるかもしれません。
パッケージの向こうに、鈍い輝きが見え隠れするのです。



右矢印


ただ、僕がひとつ懸念しているのは、
義理缶でサバの味噌煮なんかをもらったら、
義理チョコの何倍も落ち込むと思うのですダウン

サバの味噌煮には、缶言葉も付かないだろうし…。

手作りの缶詰なんか、
工場の娘が作ってきても、
この子どうかしてるな、としか思われません。


なんにせよ、自分の愛情を品物に換えて伝えるという行為自体、
僕には下劣な文化だと思えるのです。