先日の3連休を利用して、
長崎県にある、通称軍艦島に、
一人で旅行に行ってきました。
お昼前にゆっくりと目を覚まし、
スーツケースに筆記用具と着替えと
本を何冊か詰め込んで、
淡々と、いささか義務的に、僕の旅は始まりました。
僕の車は ↓

こんな感じで屋根がないので、
長崎県まで約3時間、ホッキョクグマでも凍えるくらい
寒い中を、音楽を聴くこともなくひたすら黙々と走っていました

なんで!?閉めればいいじゃんとか、
閉めた方がいいと思いますとか、
閉めないと風邪引くから本当に止めてとか、
メールで励ましの言葉をいくつかもらいましたが、
屋根がない車は、冬は信じられないくらい寒いという
当たり前のことを教えてくれる辺りも、
ロードスターという車の魅力のひとつかもしれません。
ぷっぷー

計画を立てる際、
何をどう勘違いしたのか覚えていませんが、
港に近い長崎市ではなく、佐世保市にホテルを予約したので、
まあ、往路は思っていたより近く感じました。
というわけで、
佐世保市中心のセントラルホテル佐世保に宿泊したのですが、
まあ、取り立てて何もない、ふつーーーのビジネスホテルでした。
チェックインして早々に夜の佐世保の商店街を行ったり来たりして、
「蜂の家」という佐世保ランキング3位のレモンステーキを食べ、
「さかなや道場」というしょうもない名前のお店で
地元の海で獲れたのか分かりませんが、
新鮮と思われるお魚や馬のハツ(!)とを食べて、
ホテルに帰って本を読みながら、長い時間考え事をしました

他の観光客の老夫婦とお話しをしたり、
結婚式の3次会のお兄さん方にちょこっといじられたり、
ふだんは下戸なのにビールや熱燗を思いっきり飲んだりと、
旅先の夕食としてはまずまずのものでした。
お酒を飲んだせいか夜中にカップヌードルを食べ、
お酒を飲んだせいか多少の吐き気と闘いながら、
結局、午前5時に眠りにつくこととなりました。
枕に頭をうずめて備え付けのデスクを見ると、
朝食を摂る予定のレストランの案内が目に入り、
あまりに無防備にも
メチャ旨いよ!!
と書いてあったので、
「ほう、そんなに美味しいのかな」とか
思ったり思わなかったりしながら、
それでも朝食には多少の期待を持って眠りました

明日、僕は軍艦島に行くのです。
取り立てて何もない1日でしたが、
この日の行動のひとつひとつが
今回の旅に大きな打撃を与えるとは、
この時の僕は、みかんの缶詰ほどにも思わなかったのです

翌朝9時くらいに起きて、
あまりに寝不足だったので熱いシャワーをしっかりと浴びて、
コートにブラシをかけ、靴をさっと磨いて
いざ朝食のレストランに行った訳ですが、
まず驚いたのが、バイキングであるにも関わらず
なんとも質素で、あまりの品数の少なさでした。
名物っぽいのは長崎県産のひじきと豆腐くらいで、
綿埃みたいなウインナーだとか、
床に落とした卵みたいなスクランブルエッグだとか、
解けた雪だるまみたいなヨーグルトがぼそぼそっと並んでいました

海軍カレーという、いかにも米軍基地の町らしいものもあったのですが、
鍋ごと持っていってもいいのかと思うくらい、
鍋底の輝きがすっかり見える有様なのです。
(みんなこれ食べたんだろね…)
飲み物も、僕の大好きなオレンジジュースはすっからかんで、
かぐわしい酸味を放つコーヒーと
ラブホテルにいつも置いてあるティーバッグの緑茶と、
なぜかピッチャーに「牛乳」とマジックで書いた「牛乳」が置いてありました。
僕はもっとも当たり障りのなさそうな
隅っこの方のリプトンの紅茶を淹れて、
レモンの輪切りを浮かべてみたりしました。
「メチャ旨いよ!!」でおなじみの
これらの食事に、僕はすっかり食欲をなくして、
スプーンで掬った海軍カレーに
1粒のらっきょとウインナーを1つ乗せて、
レモンティーを申し程度に一口飲んだだけで、
レストランをしぶしぶ後にしました。
ちょうど知り合いからメールが来て、
「佐世保には何もないよ。今からどうするの!?」という内容で、
僕はほとんど人生の岐路に立たされたような気分でした。
思えば叔父の奥さん(叔母)が亡くなった時、
僕の母親が「義兄さん、(これから)どうする?」と言ったのを聞いて
なんて不躾で酷いことを訊くのだとあきれたものですが、
「どうする」と訊かれた人間は、
深刻であればあるほど、「どうしたらいい?」と
訊き返すことでしょう。
チェックアウトまであまり時間がなかったので、
少し慌てて身支度をし、
もはや既に廃墟のように感じる部屋を後にしながら、
ああ、ここは佐世保なのだと。
佐世保バーガーがあるじゃないかと。
レモンステーキと佐世保バーガーじゃないかと思い、
フロントの方におすすめの佐世保バーガーショップを伺って、
とにもかくにもホテルを出ました。

↑ ホテルの部屋で、自分撮りの練習。
軍艦島に鏡はないので、まったく意味はなし。
つづく。
※ホテルの名誉のために申し上げますと、
ホテル自体は普通のホテルでして、
フロントの方の堅苦しすぎないサーヴィスは
とても心地よいものでした。
それから、ホテルの入り口にあった
自動靴磨き機は、靴好きの僕としては、
ぜひともお家に欲しい最先端マシーンです。