金額が大きくなるにつれ、単純な電子データの改ざんだけでは南辺会計担当理事の不安は増してきた。理事長の一言が、自分の行動をこれまで以上に危うくしているように思えてならなかった。
 

「このままではリスクが高すぎる」
 

南辺は住民や理事会に気づかれる可能性が高くなると感じ、次なる隠蔽工作を考えた。そこで思いついたのが、口座の複数化と資金移動だった。彼は新たにいくつかの銀行口座を開設し、そこに共益費や修繕積立金を振り分けることで、資金の流れを複雑にしようと考えた。この方法により、誰かが会計を監査したとしても、残高を正確に把握することが難しくなる。さらに、監査の時期には別口座から一時的に資金を移し、監査が終わった後に再び引き出すという手口を考えついた。
 

この方法に確信を持ったを持った彼は、早速資金移動を始めました。住民や監査役が簡単に残高を確認できないよう、口座を複雑に絡ませた資金の流れを作り上げた。
 

「これで理事会が動いても、不審に思われることはない。」
 

南辺はパソコンの画面に向かって資金の流れを再確認していた。彼は手元の口座間で資金をさらに巧妙に動かす方法を模索しながら、今後の対策を練っていた。理事長や他の理事たちが自分に疑念を抱き始めたとすれば、次に監査が行われる時には、これまで以上に慎重に対応しなければならないと感じた。
 

「後戻りはできない。」
 

南辺は、そう自分に言い聞かせながら、次なる手段としてさらに巧妙な隠蔽工作を計画し始めた。彼が考えたのは資金の流出を正当化する方法だった。それが成功すれば、誰にも気づかれることなく、さらなる資金を引き出すことができるはずだと信じていた。