毎年、会社における組織体制のありようと言うのは大なり小なり変化していくものです。
場合によっては、毎年違う名前の部門で働くと言うこともあるでしょう。
現場にいる人間にとっては、組織の体制の変わりように意味を見出すことができず、まるで年末にあちこちで起こる「道路を掘っては埋める」公共工事をしているようだと感じたりします。
組織の意味が伝わっているのか?
組織が変わると言うことは、会社にとって戦略的な意味がありされていることです。
会社の事業計画により、強化・統廃合すべき分野を考慮し、組織のあり方も変えていくわけですから、それに振り回されているという現場は仕方なくも、その会社と言う大きな船に乗っている以上、経営陣が舵を取る方向に向け、注力していかなくてはなりません。
これも、公共工事に例えたように掘り進めたのに、翌年には埋めろと指示され、また翌年にはやっぱり掘れと支持されるよう、組織を変えたのに解体し、また同じような組織を作るというのでは現場もほとほと疲れます。
組織のありようなんて会社ごとに異なってきますので、一概にこうだ!とは言い切れません。
どこかの企業の成功事例に感化されて、同じように舵を取ろうとしたところで部分的に改善しただけでは上手くいかず、また元の木阿弥ということもあったりします。
事業計画がその通りにいく保証などどこにもないわけで、経済情勢などの影響も受け、方向転換せざる得ないわけで、試行錯誤のところもあるのでしょう。
現場視点で見れば、はっきりしてくれと思うところもありますが、お上の判断ではそういった苦慮も感じられます。
ですので、単に振り回されていると言うことに嫌気が差すというよりは、その意味や方向性がきちんと現場に伝わっていないことによる不満が多かったりするのではと思います。
「ほう・れん・そう」なんて言葉がありますけど、現場で教えられることは下から上への情報伝達経路をさしていて、どうもそれは上から下への情報伝達経路ではないのだな、と皮肉に感じられることもあります。
現場に伝えるリーダーシップ
よく日本ではリーダーシップをとる人がいない、何てこと言われますけど、そういった組織の意思や目的というものをきちんと現場に伝えると言うこともその一環だと思います。
何もそれは、Steve Ballmerのように人々を魅了し鼓舞するほどの演説をする力をもたなくてはならないと言うことではないでしょう。(もちろんあるに越したことは無いでしょうけど)
※ Steve Ballmer(Microsoft CEO)の3の法則 @ TechCrunch JAPAN
上の判断や意思がきちんと現場に伝わると言うことは重要です。
組織の長が組織を壊し、組織を再編するのであれば、その意思を現場に示すべきでしょう。
大体、そういった情報が落ちてくる場合、中間管理職のつらい立場にある人がお茶を濁しながら「色々上の判断もあってね・・・。君たちもつらいのはわかるけどしたがってくれ」とでも最小限の情報しか出さなかったりします。
その説明を受けただけでは納得できない人も多いでしょう。(その悲壮感から、泣き落としの効果はあるのかもしれませんが)
例え説明があったとしても、間に介在する階層が多くなれば雑音も多くなり、本当の意味や目的というものが薄れてきます。
社長が直に現場に伝える言葉と、社長がこういっていたと間に誰かは行って伝えられる言葉とではどっちが力強いでしょうか。
「年末の公共工事」と揶揄されるのは、その目的がはっきりしないからです。
年末に車で出かける場合に、工事で渋滞しているとなおさらその意味を問いたくなります。
毎年、道路を掘っては埋めてる、それは単に税金の無駄遣いのように見えてしまいます。
組織のありよう、求めることというものをしっかり示すリーダーシップを取るだけでも、現場の意思とモチベーションと言うのは随分と違ってくるものだと感じたりします。