プロジェクトを掛け持ちしてはいけない理由 | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

私の経験則から。


1. 会議体に時間をとられるから


1つのプロジェクトには数多くの会議体が存在します。

週次報告、月次報告、定例報告、チーム報告、リーダー会議、レビュー会議。

名前は異なるものの、することはあまり変わりません。

そして、それは自分の本来業務に使う時間を蝕んでいく事になります。

1つのプロジェクト内でもそんなにも会議体が存在するケースがあるのです。

それが2つ、3つと増えていくとどうなるでしょうか?

毎日何がしかの会議に参加する事になります。



2. 「調整」に追われるから


1.の会議体の話もそうですが、プロジェクトの関係各所と調整する時間を強いられる事になります。

また、メンバーのアサインなどもそうです。

メンバーの調整、スケジュールの調整、会議室の調整、タスクの調整、経費の調整、資料の調整、必要機材の調整。

調整、調整、また調整。

それは本来やるべき中心業務でしょうか。



3. 「付き合い」に追われるから


1つのプロジェクトには多くの関係者が参加してきます。

それは担当する領域や権限の違いから必要な人たちになりますが、自分が参加した以上はそれらの人たちと当たり障り無くプロジェクトを進行していかなければなりません。

付き合いは、自分を大きく変えてくれる要素にもなりえます。

しかし、他のプロジェクトも掛け持ちしているあなたは、その人たちにじっくり割く時間が取れません。

そうなってくると、その付き合いさえも煩わしさに変わってきてしまいます。



4. メンバーを管理できなくなるから


もし自分の下に部下が何人かいた場合、プロジェクトごとにそれらの人たち(場合によっては外部のリソース)をうまく管理していかなければなりません。

多くの会議や調整、付き合いに時間を取られている自分は、それらのメンバーをうまくコントロールするための時間を裂くことができなくなってくるでしょう。

複数の人をうまくコントロールする事で乗り切る算段が、自分自身の管理不能な状態により、メンバーの行動は制御できなくなり、そこから思わぬ方向へ転がるプロジェクトが1つ、また1つと生まれてしまう事になります。



5. 責任を負うことになるから


これは無責任な言い方かもしれませんが。

自分の意思であるにしろないにしろプロジェクトに参加した以上、自分の担当領域には責任をおう形になります。

しかし、自分自身が複数のプロジェクトを掛け持ちしていると、中にはあきらかに成功が無理と分かってしまう場合があります。

しかし、無理でも参加している以上は自分の責任は取らなくてはなりません。

クビになることはないかもしれませんが、査定にはひびいてくる可能性はあります。



6. ストレスになるから


ここまで挙げてきた要素を考えただけでもストレスになる事が分かるかと思いますが、複数のプロジェクトを抱える事により、それは数倍にも膨れ上がる事になります。

いや、単純に2つのプロジェクトを掛け持ちした場合には2倍、3つなら3倍と言う計算では成り立ちません。

プロジェクトの数のべき乗に匹敵するほどのストレスを感じることになるかもしれません。

仕事をする上で一番重要な要素は、体と精神の健康です。



7. モチベーションが低下するから


ほとほと疲れ果てた自分は、それらのプロジェクトを成功に導く気力を失うかもしれません。

あるプロジェクトが順調でも、別のプロジェクトがデスマーチ化していると自分のモチベーションは大きなマイナスになりえます。

そしてそのマイナスは、他のプロジェクトへも波及する可能性があるのです。



以上、自分の経験から7つを挙げてみましたが、8つ目を挙げるとするとそれらの複合要素から「生産性が著しく低下するから」でしょう。

もちろん、プロジェクトには大小さまざまな規模のものがありますから、一つのプロジェクトだけだと時間を持て余すことになる場合もあります。

プロジェクトには様々な登場人物がいる以上、それらの人との調整で待ちが発生する事は多々あるので、その時間をうまく埋めることができる小さなプロジェクトが別にあれば好都合かもしれません。

しかし、プロジェクトへの参加は自分の意思だけではどうにもならず、無関係に放り込まれる事もありますので注意が必要です。


どんなに優秀な人でも、ここで挙げた要素に飲み込まれ本来の能力を発揮できないと言うケースはあると思います。

指揮する側は、その有能な人を3つのプロジェクトに参加させる事で、その人の能力を3分割できる事を期待するでしょうけど、実際のところはそんな力も発揮する事なく、全てが失敗してしまうことにもありえます。

それは、期待はずれなんかではなく、プロジェクトごとに潜む小さな因子が、掛け持つ事による相乗効果で肥大化した結果に過ぎないのだと感じます。