ある女子大講師 -4ページ目

日本がG7で提案した「新しい経済指標」

日本がG7で提案した「新しい経済指標」

1.「終わりのない成長を目指し続ける資本主義体制はもう限界ではないか」  そんな思いを世界中の人々が抱えるなか、現実問題として地球温暖化が「資本主義など唯一永続可能な経済体制足りえない」ことを残酷なまでに示している。しかしその一方で、現状を追認するでも諦観を示すでもなく、夢物語でない現実に即したビジョンを示せる論者はいまだに現れない。

 

2.「新自由主義の権化」に経済学を学び、20年以上経済のリアルを追いかけてきた記者が、海外の著名なパイオニアたちと共に資本主義の「教義」を問い直した『世界の賢人と語る「資本主義の先」』(井手壮平著)より抜粋して、「現実的な方策」をお届けする。  『世界の賢人と語る「資本主義の先」』連載第3回  『襲い掛かる「GDPショック」…しかし多くの日本人が知らない、「GDPが国の豊かさを示せない」理由』より続く尺度探し。

 

3.GDPの限界を踏まえ、経済規模ではなく生活の質や幸福度を測る試みもあるにはある。  国際機関による取り組みに限っても、経済協力開発機構(OECD)の「より良い暮らし指標」や国連開発計画(UNDP)の「人間開発指数」がある。  平均寿命や教育水準など、経済以外の要素を組み込んだのが特徴だが、GDPと比べて言及されることは圧倒的に少ない。また、どの要素をより重視するかは人によって異なるため、皆が納得する共通尺度をつくるのはそもそも不可能に近い。  熊本県は「県民総幸福量」の調査を2012年から始めている。夢を持っているかや将来に不安がないかといった「幸福量」を構成する要素を特定し、総合的な幸福度を100点満点で指数化するという意欲的な試みだ。ほぼ毎年、18歳以上の3500人を無作為に選び調査しており、ブータン政府が公表している国民総幸福量(GNH)を参考にしたという。  だが、この調査は県民にすら広く関心を持たれているとは言いがたい。熊本県企画課の岩井政樹は「調査の認知度よりも、幸福度そのものを高めていくことが重要だ」と訴える。

 

4.G7で日本が議論。各国政府もこうした問題にまったく無自覚なわけではない。着目すべき試みの1つは、2023年5月に新潟市で開かれた先進7ヵ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議とその準備段階で日本が議長国として提起した議論だろう。  GDPという尺度の限界とそれを乗り越える方法を正面から取り上げ、それぞれの国で始まっているGDPに代わる経済的厚生(ウェルフェア)の算出の事例を共有した。前出のデービッド・ピリングやノーベル経済学賞受賞者で左派経済学者の代表格とも言うべきジョセフ・スティグリッツも呼ばれ、討議に加わった。  メディアにはほとんど注目されなかったが、議論の成果は広島サミット(2023年5月)の首脳宣言にも以下のように盛り込まれた。  

 

5.「我々は、我々の経済的及び社会的構造がダイナミックかつ根本的な変容を遂げていることを認識しつつ、ウェルフェアの多元的な側面及びこれらの側面を実用的かつ効果的な方法で政策立案に組み込むべきであるということを強調する。このような取組は、G7の中核的価値観である民主主義と市場経済への信頼を維持することに資する」  『岸田首相も大誤算…「GDP=国の豊かさ」という前時代の妄想がもたらす深刻すぎる「弊害」』へ続く

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小塩隆志『高校生のための経済学入門[新版]』ちくま新書

1.著者は官庁エコノミストから早々に学界に転じて、現在は一橋大学の研究者。[新版]と銘打っている通り、2002年版があるが、今年2024年になって新しい新版が出版。理工学部生や文学部生に日本経済を教える場合、高校生に教えるのと大きな違いない部分も少なくなく、本書を手に取ってみた。タイトル通りに、本書冒頭で「高校生に経済学の初歩を学んでもらうための入門書」と明記。

 

2.対象は基本的に高校生であって、経済学なので、需要曲線と供給曲線の交点で価格と需要量=供給量が決まる、という広く知られた関係から始まる。本書で取り上げられている順に、需要と供給、市場メカニズム、金利、格差、効率と公平、景気、物価、GDP、人口減少と経済成長、インフレ、金融政策、税金と財政、社会保障、円高と円安、比較優位、貿易と世界経済、ということになる。

 

3.カプラン教授の『選挙の経済学』などから経済学では想定しないような間違い、例えば、ロックフェラー一族とアラブの王様が結託して石油価格を釣り上げて庶民を苦しめている、といった反市場バイアスに対して、価格は市場で分散的に決まり、競争的市場で決まった価格シグナルによる資源配分は厚生経済学的に最適である、といった世間一般の誤解を解くとともに、経済学部生も含めて、もちろん、他学部生にも、経済や経済学であるので世間一般の常識をそのまま当てはめて理解することも十分可能である。

 

4.例えば、学生でもスーパーで安売りをするのは量をたくさん売りたいという意図に基づいている、ということくらいは理解できるから、価格低下と販売量の増加が相関していて、逆は逆であるとかだ。最後に、第5章の金融に関してミクロ経済学の視点がなく、マクロ経済学の観点だけからの説明しかないように感じた。すなわち、金融や金融機関、例えば、銀行のもっとも重要な役割は決済であり、支払いを滞りなく済ませるという観点が抜けていて、マクロの金融仲介機能とか、日銀の役割だけが取り上げられている。全体的には経済学のいい入門書だ。

大河ドラマ「光る君へ」第17回「うつろい」4月28日

大河ドラマ「光る君へ」第17回「うつろい」4月28日

1.まひろ(吉高由里子)は疫病から回復するも、宮中では道隆(井浦新)の体調に異変が見られ、衰弱し始める。 定子(高畑充希)は、兄・伊周(三浦翔平)が関白に準ずる職につけるよう、一条天皇(塩野瑛久)に働きかける。そんな中、意外な人物がまひろを訪ねてくるというあらすじ。図は相関図

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8人、、「まひろの家族 故人 ちやは 国仲 涼子 藤原為時 為時 藤原 岸谷五前 岸谷 五奶 熊 3 2 我 6 助言 計 う0 いと 養育 信川 清順 藤原 藤原惟規 惟規 高杉真宙 LEEE 源 氏 物 ERE 作 禁 式 吉高由里子 吉高 由里子 部 まひろ 藤原宣孝 藤原 宣孝 佐々木蔵之介 藏之介 佐木 市 井 の 人 Ie さわ INEE 仕える 野村 麻純 乙丸 矢部太郎」というテキストの画像のようです