ある女子大講師 -4386ページ目

華麗なる一族

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華麗なる一族と山崎作品
 キムタク氏の演ずるテレビドラマ「華麗なる一族」が終了した。全部を見ているわけではないが、視聴率30%超だからは成功した番組であった。山崎豊子氏の原作が出版された昭和47年には、私はある製鉄所に勤務していたので、その時に原作を読んでいる。鉄作りに情熱を燃やす技術者の主人公万表鉄平を演ずる木村拓也は、初めの内は製鉄所の現場とはイメージが違いすぎて違和感があった。ある製鉄所で溶けた鉄が液体のように流れるところを実際に見てから、初めてやる気が出てきたと、キムタク氏が自ら述べているように、ドラマの雰囲気に徐々に馴染んでいったように思う。誰でも溶けた鉄の流れを見ると感動するものである。

 製鉄業に長年、身をおいたものから見ると、原作とは違ってドラマでは、いささか強調しすぎていて違和感が感ぜられたことがある。「帝国製鉄」(富士製鉄)が鉄平の「阪神特殊鋼」(山陽特殊鋼)に高炉からの銑鉄の供給を意地悪く止める話があるが、業界協調を謳う製鉄業では、それほど各社の関係が悪いわけではない。

 また、製鉄関係者以外には、一貫製鉄所と特殊鋼製鉄所との設備の関係がこのドラマでは分かりにくい。そして高炉(コウロ)の発音であるが、ドラマでは、語尾が下がるアクセントであったが、製鉄所では高炉の発音は平らである。

 私は山崎作品を殆んどすべて読んでいるが、時代に即した主題の捉え方、物語の構成など純文学とは違った読み応えがあるように思う。「暖簾」、「ぼんち」、「花のれん」、「女の勲章」、「女系家族」、「花紋」、「華麗なる一族」、「白い巨塔」、「不毛地帯」、「大地の子」、「二つの祖国」、「沈まぬ太陽」などの作品中から、私が上げる代表作としては「花紋」と「不毛地帯」である。前者は文学史から消された関西の女流歌人の話、後者は旧日本軍参謀であった瀬島龍三氏が戦後、商社(伊藤忠)で暗躍する物語である。

ウエブ・ソフトの時代

ウエブ・ソフトの時代

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マイクロソフトよ さようなら
 マイクロソフト(MS)社の製品であるOSにはウインドウズWINDOWS、文書や表計算にはオフイスOFFICEで、世界中のパソコンの8割超で使われてきた。そしてこのお陰で、創設者のビル・ゲイツ氏はここ13年間にわたって、世界の長者番付のトップを続けてきている。今年になって、OSにはWINDOWS VISTAとオフイスにはOFFICE2007を出して、一段と性能を向上させていると喧伝されている。この両方のソフトを揃えると、最も高価なものでは5万円を超えてしまう。今使っているXPとオフイス2003でも別に困ることはないから、暫くは様子を見て、次にパソコンを買い換えるときにでも、変更しようかと考えている人が多いと思う。

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 さて、いつまでもMS社のソフトを使わなくても、IEやFireFoxなどのブラウザ上で使うことの出来るオフイス相当のソフトを無料で使うことが出来る。オフイスのワード、エクセル、パワーポイントなど機能は殆んど同等である。導入の方法は別のブログで説明することにする。ソフト不要、いつでもどこでも、無料で使用できるのであるから、マイクロソフト社はいずれ過去のものになるであろう。

 検索で世界のトップを走るグーグルでは、ウエブ上ですべて勝負をする仕組みを構築するシステムで、MSに対抗して急成長を遂げてきている。前記とは別に、グーグルではワープロソフトと表計算ソフトを統合したWebベースアプリケーション「Google Docs & Spreadsheets」のβテスト(試用版)を開始した。

 表計算のSpreadsheetsは2年前から出されていたが、今回これにワープロソフトのDocsを付け加えた。http://docs.google.com/から無料で利用できるが、利用にはGoogleアカウントが必要である。OSでもグーグルが独自のウエブOSを出して、有料のMSの製品を駆逐してしまう時代がくるであろう。

 ブラウザさえ動けばOSや機種、環境を限定しないので、出先などで自分のPC以外でも作業できる。ブラウザさえあれば作業環境を限定しない、というメリットは今後の利用範囲拡大に繋がる。グーグルからはMSのオフイスによって独占されている市場とは競合するものではない、と発表されているが今後どうなるかはネットサービスの発展次第と思う。
*OS:Operating System
*IE:Internet Explorer
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グーグルのウエブ・ソフト
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堀江貴文氏の裁判

堀江判決について
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 社会に与えた影響の大きさから執行猶予が付かなかったのは当然という声とか、あそこまで証拠が上がっているのに、知らなかったという態度は裁判官の心象を悪くしたから実刑はやむをえないともいう。さらに、ある弁護士のように、損害を与えた株主に弁償すべきなどというのは論外である。こういうのはやや感情的に過ぎる意見と思う。

 企業の社長の立場であるから、何も知らなかったということは通用しないであろう。しかし「自社株売却を投資事業組合でして、その利益は連結の利益剰余金か、それとも資本剰余金か」というような事は専門家でも即答は難しい。

 問題は、堀江氏に会計の専門家である宮内氏から「投資組合で自社株を売却したら、売上に計上できる」と説明されて、「それはまずいのでは?」と反論できるだけの会計的な知識があったかなということだろう。

 堀江氏に好意的な立場で考えると、会計上のことは宮内に任せてあったので、私は知らないのは当然ということになる。それで刑務所では、どの企業でも取締役社長は公認会計士なみの会計知識がないと勤まらないことになる。

 要は、資本市場の信頼性確保と企業の経済活動の自由度との兼ね合いである。ネットビジネスなどどんどん新しいビジネスモデルが誕生してきているので、商法や証券取引法などの法律と企業会計原則との間の隙間には、まだまだ明確でない領域が出てくるものと思われる。