イタリアももう、秋真っ盛りな今日この頃。


理由あって、ほぼ季節外れになりかけの

Frutti di bosco (森の木の実)

が大量に手に入りました。



ちなみに、ハイシーズンは8~9月ですが

今や、ビニールハウスを始めとした

室内栽培が進み、一年中手に入るのが

イタリアの現状です。


勿論、価格の面でも、味の面でもはっきり。

安くておいしいのが、シーズン中と言えるでしょう。


さて、今回のこの微妙な時期の

Frutti di boscoの登場にあたり、



課題が出てきました。



それは!!!



「Cosa facciamo con questi frutti di bosco?」

この木の実でなにをしよう・・・?




ちなみに、今回のそのメンバーを紹介すると・・・


Ribes =つぐみ

     今回の写真の場合、白い粒(本来は、ブドウの様な房状になっており、

     他に赤い物もよく出回っている)


Ramponi = フランボアーズ・ラズベリー

         その特徴は、なんと言ってもカビ易い。


mirtilli =ブルーベリー


三者共に、共通することは美味しい♪

ということでしょうか??


しかし、ピングイーノの居るリストランテでは、

通常、これらのfrutti di boscoは、

ドルチェの皿上で、guarnizione(飾り)に

使われる場合が多いのが現状。

(又は、タルトなどに盛る等・・・)


それ以外には、あまり使ったことがありませんでした。


そこで今回、オーナーからの指令は





いつもと違った使い方を考え出してくれ。




うーん。

そう言われても・・・




ジャムにでもしますか??



ジャム用だったら、もっと熟した物を

使うべきだし、ジャム用には

今回のものはキレイ過ぎる。




ゼリー寄せにしてみましょうか??




今は、もう秋だし、これからどんどん

寒くなっていくのに、

そんな見た目の涼しいドルチェを出したら、

お客さまが風邪ひくだろうがぁー。


と、まぁ、


何を言っても、

帯に長し・・・たすきに短い様で・・・。


今日のところは、ギブアップして

休憩に入ったピングイーノ。


しかし、気になって気になって。

でも・・・アイディアは一向に沸かず・・・


しかし、現実というものは厳しく、

Frutti di boscoは既に、もう

手元にある訳で、

ここでゆっくり、のんびり、

考えている訳にもいかないのです・・・



どうしましょう。




結構、これで、ちょっとfrutti di bosco が

古くなってきた辺りで、

「熟したし♪」

と言って、ジャムにしちゃうのも手かも?!


なんて、悪魔の誘惑に駆られつつ・・・

悩むピングイーノです。




リストランテに葡萄がとどきました。




さっそく♪ 味見。




すっすっす、すっぱーい・・・・・・・・!!!!




がっかりなくらい酸っぱい葡萄で、一同硬直。

普段なら、かなりの勢いで、

味見(盗み食い)するコックたちも。

ちょっと、遠慮ぎみ。


この酸っぱさ・・・・




こんなぶどう、どうするんだよ。
ちょっと、怒り気味な雰囲気にさせる位、

酸っぱいんです。



酸っぱいものが結構、好きなピングイーノでさえも、

このぶどうは酸っぱすぎ。やり過ぎです・・・・




そこへ、現れたシェフ。

「おぉー、やっと届いたかぁ。待ってたんだよ。コレコレ」



酸っぱいですぜ。



と、そんな事はまるで気にもせずに


Allora cominciamo ??

じゃぁ、はじめよっか?



はいっ?




なにか、約束してましたっけ??



もしかして、我慢大会?!

ぶどう祭りと称して、ぶどうのぶつけ合い??



そんな、不安な空気が厨房に立ち込めているなんて、

つゆ知らず、シェフはルンルンで、

なにやら、準備を開始しました。



実際、イタリアの厨房でよく

あることですが・・・・


Facciamo.....

(~をしましょう。)

Cominciamo....

(~を始めよう)


と、noi (私たち)の形でこちらに喋りかけていると

見せかけて・・・、

シェフが一人で何か仕事を進めるコト。


一見、こっちも手伝わなくちゃいけないのかなー

と思って、仕事を中断して、

そっちの仕事に参加しようとすると、

「うん?!」っていうイヤな空気を流されたりします。


一人でやりたい時は、

「俺はやるぞー!」

くらいで、行ってほしいのに・・・


なんて、ひそかに思いつつ、

本日も助っ人の出番はなし。

と、すべてのコックが察して、

全員、元のポジションへ・・・


※注意 

しかし、たまに

無言の圧力で、助っ人を必要としている

こともあります。

コックは、シェフの片腕となる為、

いつも気配り。そして、観察です。




そんなコトなど、全く興味ありませんわ。


とコックの気持ち、シェフ知らず。


で、シェフは、粉・水・酵母・少量の砂糖を

混ぜ始めました。


はて??



そこへ、葡萄も加えました。



はて?なにをしているのでしょうか・・・


と、イキナリ 凄い勢いで混ぜ始めました。


なにが、起きたの?!

と顔を見合わせる、コックたち。



激しく混ぜられた、葡萄と生地は鉄板に流されて

上から、砂糖をふられて・・・


シェフと共に、ひと休憩。


あれだけ、激しく混ぜたら、疲れる筈です。


余熱で暖められていたオーブンに

入った葡萄たち。



やっと、満足気な感じになったシェフは

こっちに向かって喋りはじめました。



「Ho fatto un tipo di pane con uva selvatica.」

野生の葡萄を使った葡萄パンを作ったんだ。



野生だったんだ。

あの葡萄。




E‘la ricetta della mia nonna che viveva in campagna.

これは、田舎に住んでいた自分のおばーちゃんのレシピなんだ。




ほほーう。

それはまた、興味深い!




でも、その説明、作業の前に

先に言ってくれてたら、

こっちも、もっと真剣に見たのに、メモったのにぃ・・・



後で、教えてくれる?そのレシピ。


すると、シェフ。


「自分も、おばあちゃんのやっていたのを

見よう見まねでやったから

これでいいのかよく、わからないから・・・・」



「今は、教えられない」



がーん



そんなぁ。そんな所で、プライド見せなくていいですからぁ・・・・




と、そこへ、他のコックが




「forno ! forno!!」

オーブン!オーブン!!




どーん。



表面の葡萄が少々焦げてしまいました・・・

ショック


でも、結構葡萄から水分が出たり、水っぽい生地だった為、

表面の葡萄の焦げを除けば、

cottura(火加減)は丁度良かったらしいです。



そして、シェフが一言。


「Comunque era una prova.」

いずれにしろ、試しだったから・・・



そうだった。



Assaggia assaggia ! ! !

味見しよう。味見してみろー



わくわく。わくわく


だって、元はあの酸っぱい

↑これでしたから。



そして!

そのお味は。



うーん?

E` buono, ma ancora troppo aspro.

うん。おいしい! でも、やっぱりちょっと酸っぱすぎるかも・・・



そこでシェフの一言。

La uva era selvatica..... sai ?

ほら、野生の葡萄だったから・・・・・だよ



って、やっぱり

ちょっと、予想外だったんだね。

この酸っぱさ。


と思った一同でした。



ここ数日、リストランテの仕事は暇気味。



そんな暇な時に、時間をかけるもの !それはまかない

うちのお店では、もっぱら 

Per noi (私たちの為)

と呼びます。


Cosa facciamo per noi ??

( まかない何する??)





暇な時期、ここであり得ない会話が



Facciamo la pasta fresca!

(フレッシュパスタをしよう!)




はいっ・・・・???





あと1時間もしないうちに、

営業始まるのに?


なんにも、準備されてないのに??



※通常、まかないは、仕込み中に仕事の合間を

みつつ準備して、営業前に食べます。



まだ、微妙に仕込みもあるのに・・・・。



Pasta fresca??

(フレッシュパスタ??)




Si !

(そう!)




たとえ、イタリアと言えども、シェフの一言

は絶対です・・・・・・




Va bene....

(いいよ。)



ショウガナイなぁーぽいニュアンスをかなり匂わせつつ。



しかし、シェフは大満足そうに


「今朝は、朝の目覚めからpasta frescaな気分だったから・・・」



どんな気分で、目覚めているんですか??




まぁ、あなたのhappyの為なら、

営業に仕込みが間に合わなくても・・・・


美味しいpasta frescaを作っちゃいます♪



他のコックは、横目で見て

笑っていたりします・・・

声には出さないけど。


「ちゃっちゃとやって、仕込み終わらせてくれよー

ホント、参るよね。シェフの気まぐれ。」



まさに、



本日のシェフの

気まぐれパスタ





・・・・・・・。




ちなみに、今日のPasta al uovo は、


500g 小麦粉

no.4  卵黄

no.1  全卵

     水 適量


水の量は小麦粉の持つ、湿度などによって、調節しますが、

全体的に少なめに、生地は固めに練るのがポイントです。


その後、生地を休ませ


(今日の様な場合は、殆どこの時間を省きます。

なんせ、営業時間が迫っていますから(笑))


パスタマシーン または、麺棒で伸ばしていきます。


そして、そのパスタを包丁で切っていきます。

ちなみに今日は、

TAGLIOLINI (タリォリーニ)




急いでいたのもあって、ちょっと↑切り方がまばらですが・・・


とにかく

per noi (私たち用)

ですから・・・



しかし、ここで





タイムアウトォ !!!!!






こんな暇な日に限って、

予約なしの

2人組みが・・・。






お客様・・・・




残念ながら、お客様

今月NO.1に、コックからヒンシュクを

買っております。






mangiamo dopo...

(後で、食べよう・・・)






そして、こんなテーブルに限って、



えっ、

プリモ しか食べないの??

(パスタ)


それも、メニューに無いのに

pasta al pomodoro.とか欲しがるし・・・



しかし、やはりここはリストランテ。

お客様のご要望には、できる限り答えます。



そこへ、カメリエーレ(サービス)が戻ってきて

Vogliono anche una insalata mista.

(ミックスサラダを一皿、追加で)




・・・・・・・・。




なんで、メニューに無いものしか、オーダーしないの?

このテーブル。




しかし、ここはリストランテ。

泣けてきます。



そんな、お客様と、その他数組のお客様

で、昼の営業は、無事終了。




しかし、営業が終わると、

早く、帰りたい!


そんなものです。



ということで、

結局、pasta fresca は

burro e salvia

(セージバター風味)

とシンプルに。


シンプルだけど、これは美味しいんです♪


「Buona. Brava !」

おいしいよ。


Grazie.

ありがとー。


と直ぐに。


allora ce ne andiamo.

じゃぁ、帰ろっか。


そんなもんす。


ok ! !


だって、お疲れですから・・・

色々な意味で。


ピングイーノの好きなもの、の一つ。

それは!

これっ↓



Formaggio★

チーズ です。


日本に居るころから、嫌いではなかったけど・・・

イタリアで生活し始めてから、その魅力の虜になってしまった感じ。


ゴルゴンゾーラを始めとした、カビ系のチーズも

大好き。


ちなみに、ゴルゴンゾーラはamore(愛)なチーズなんです♪

昔、チーズ作りをしていた羊飼いの若い青年が、ある女性に恋をし、

遠く住む彼女に会いに行く為に、家を数日あけてしまいました。

(当時は、交通機関も無かった為、徒歩で移動)


再び、家に帰った時に、チーズはみんなカビてしまっていた。

途方に暮れた青年。

しかし、そのカビの色があまりにも綺麗だった為、

試しに、食べてみると、

「Buono♪」

美味しかったんです。

そこから、ゴルゴンゾーラは生まれたと言われています。



現在はチーズに無数の細い穴をあけ、

人為的にカビの生える環境を作っています。

確実に、満遍なくアオカビを発生させるテクニックのひとつです。


その他にも、stagionato(熟成された)なモノ、

piccante(辛い?)と言われる様な、匂い、風味ともに

強烈なモノも、イケマス。大好きです。


そんなピングイーノは、

イタリアのリストランテで、セコンド(メイン料理)

の代わりに、Formaggioをオーダーするのが

大好きです。


そもそもリストランテで働いていると、

たまに入ってくるこの様なオーダー。


「Un piatto di formaggio misto al posto di secondo.」

チーズの盛り合わせを、メイン料理の代わりに一皿。



そんな時、いつもピングイーノは


「このお客様は、かなりの通(ツウ)な筈♪」


と密かに思って、そのFormaggio mistoのお皿の

準備にかなり気合を入れてみたりします(笑)



イタリアの場合、チーズと一緒に甘いものを組み合わせる

食べ合わせが結構、主流で、

ゴルゴンゾーラに、miele di castagna(栗の花の蜂蜜)

をはじめ、

木の実のジャムや、玉ねぎと松の実のコンフェットゥーラ(ジャムの一種)等を

ペコリーノチーズなどと一緒に、サービスしたりします。


ペコリーノと洋ナシの組み合わせも、黄金コンビのひとつ。


この組み合わせの良さは、農夫だけが知っていて、

美味しすぎるから、それを誰にも教えない。

 

なんていう、ことわざ(言い伝え)がある程。



チーズ本来の味わいだけでなく、組合わせによる

新しい味わい・・・

かなり、楽しめる一皿になります。


そうそう。

でも、メイン料理はやっぱり、メイン。

楽しみとして、ちょっと、譲れない!!

という場合は、

メインの代わりに食べなくても、

勿論、食後にデザートの前に、チーズは楽しめますよ。


そりゃぁ、イタリア人の食事時間も延びる訳です♪


ピングイーノも、Ristoranteに行って、

degustazione(コースメニュー)をはじめ、フルで食事をすると

3時間とか、4時間とか。

ゆっくり、お食事しながら、おしゃべりして・・・

素敵な時間を過ごしてしまいます。


はっ!

と気がついたら、こんな時間。なんてこともしばしば。


しかし、イタリアの食事は、料理もチーズもドルチェも大切

ですが・・・・一緒に組み合わせる飲み物もかなり大切です。



まず、食前酒のAperitivoは、お店で頂いたり、

Bar (バール)などで、済ませていったりします。

だいたいは、prosecco(辛口のスパークリングワイン)

などを、頂いて。


そして、食事中は勿論、VINO(ワイン)で。

チーズと一緒に、vino dolce(甘口のワイン)なんて出されたら、

もうかなりHappy具合も、絶好調♪


そして、忘れてはいけないのが

Digestivo(食後酒)です。

リモンチェロの様な、甘いお酒でしめる方も居ますが、

ピングイーノはグラッパ派です。


ただの、酒好き。


ではなく、このDigestivo、本当に消化を助けている様に思います。

特に、Ristoranteで量を食べてしまった日など・・・。

また、ちょっと鮮度の悪いモノを食べてしまい、

心配な日などにも・・・・・



その他にも、既に胃の調子が狂い始めている時などは、

Amaro(薬草酒)など・・・。


薬に頼らずに、うまく体調を整える効果あり。



イタリアの食事、それは本当に、

人をHAPPYにしてくれるモノです。

そして、そんな場を提供している


Ristorante

素敵な場所です。


そして、素敵な場所になってほしい。

あなたが来るその日も。

そんな思いからも、一皿一皿、綺麗な皿、

美味しい皿を、お客様のテーブルに提供したいんです



ピングイーノはオーナーでも、なんでもないけど、

イチ 料理人として、そういう考え持ってます。



Vasco Rossi
Buoni O Cattivi

イタリア人で、Vasco Rossi が好きな人は多いと思う。

そしてまた、

歌手は誰が好き??

って言われた時に、

「Vasco」 っていうと、喜ばれる率が高い。

E` grande. (彼は偉大だよね)

とでも、付け加えておけば、

かなりの勢いで、喜ばれる。


日本人で言うと誰にあたるんだろう?

国民的歌手。。。 誰ですか?

さぶちゃん?

うーん・・・



でも、ピングイーノがVasco の話を

友達とする時、それは別に

相手を喜ばす為じゃなくて、


Vascoの曲が好きだから。

いい曲歌うんです。彼。


思わず、一緒に口づさみたくなる。

まさに、そんな曲ばかり。


↑このアルバムもいい曲詰まっています。


タイトルにもある、

Buoni o cattivi

この曲が出た出たばかりの頃、

仕事中にラジオから流れてくる度に、

Voglio cattivi.

と聞き間違い続け、

悪でいたい。ってこと?!でも、

文法的にも全然違うし・・・


どうしたんだぁーVasco!!!


と思い続けていたピングイーノ。



どうしたんだー?

は逆にピングイーノの聞き取り?!


でも、真実を知った今でも

目をつぶって、歌詞と合わせて

ヴォーリォ カッティービ。

って歌えちゃう(笑)


聞き間違い万歳。