板前日記

1999年 web日記とよばれた時代から書き続けている店主の日々の記録です。
板前の日常を垣間見ることで、パンフレットでは書ききれない店の姿勢までうかがえるかもしれません。


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昨日友人の日本料理店で持ち寄り日本酒の会が行われました。

 

尊敬するプロ(料理店 酒屋さん)が何人も参加すると知り、お話を聞けたら。。。と私も参加しました。

 

持って行ったのは一年熟成の白鶴錦(酒米です)三種類

 

白鶴 東洋美人 東一

 

料理は

松輪産黒むつの焼き霜造り 塩昆布添え

 

 

多くの参加者は一般の方々であったようですが、さすがに日本酒のプロとのお話は限りなく面白く、興味をそそるお話ばかりでありました。

 

そういう横の繋がりでお話ができる機会ってありそうでないものなんです。

 

 

 

 

酔いが回った頃、プロ限定で全員に訊いてみました。

 

「お客様が”辛口ください”って注文されたら 何出しますか?」

 

いやぁぁ それぞれの口から出てくるのは、お悩みばかり。次々と出てきます。

 

そう、力のあるプロフェッショナルは全員が「辛口ください」に「ああああ、もうぉぉぉぉ」と思っているのです。

 

「辛口って注文だと”生”はまず無理ですね」

「大吟は100%ダメ、本醸造か純米くらいかなぁ」

「香り系は絶対受け入れてもらえませんね」

「そう、よくて純米吟醸か?」

「辛口って注文は選択肢を2割くらいにせばめちゃうんですけどね」

「とりあえず新潟のお手頃なやつ」

「日本酒度 +6でも甘いって言われます」

「まず聞きます。淡麗なヤツですか?濃厚なヤツですか?って」

「まっ、9割淡麗って言われますよねぇ」

「淡麗=辛口って信じている方多いですよね」

「○○です!」と力強く

「店に日本酒を買いに来るお客様の99%が辛口くださいっていいます」

「甘い辛いで日本酒を区別するって女性を美人とブスの二分割にするくらい大雑把です」

「でも 甘いか辛いかくらいしか表現力を持っていらっしゃいませんから仕方ないです」

「日本酒は米でできているから基本甘くなるんですって言います」

「ある名杜氏さんはご飯って噛んでいくと甘くなるのに、お酒には辛さを求めるって変って、、、」

「ウチにはこれ以上辛いお酒はありません。って言っておきます」

「何飲んでも甘いっておっしゃるので米焼酎混ぜてやろうか・・・って思うことあります」

「醸造用アルコール混ぜるとその刺激で辛いって思うんですよぉ」

「でも純米信奉なんですよね」

「言いくるめワードで納得させます」

「このメンバー中に辛いだけのお酒 置いてる方いらっしゃらないですよね」

「辛口っていう方に一番辛いヤツ出しても半数がもっと辛いヤツっておっしゃいます」

 

 

全員が志の高い日本酒プロです。

 

が、

おわかりのようにプロは「辛口ください」って注文でやる気を刺激されることはありません。

 

 

私はずっと以前から度々「もう辛口信奉はやめませんか」と言い続けています。

 

以前にこんな記事を書いています。

 

 

この会で、集まってプロたちと話題を共有できただけでもとても有意義でした。

 

 

いつか「そういえば、昔、辛口辛口っていう時代があったよねぇ」と懐かしむ時代がやってくるのでしょうか?

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