日産スカイラインのあるべき姿とは何か | Italiaspeedのロックな毎日

日産スカイラインのあるべき姿とは何か

 ということで、今年も今日で終わりですねぇ。みなさんこの1年いかがでしたか。

 今年最後ということでもないですが、ちょっと長いエントリを。
 昨日のNISSAN GT-Rのエントリ に続いては、新型スカイラインについてです。

 先日、日産ヘリテージカーパレードを横浜へ観に行った 時に、新型スカイラインを
 初めて観ました。

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 まぁ、デザインは我々素人が云々する時は個人の好き嫌いでしか言えないのは
 今まで言ってきた通りなんですが、個人的にはなかなか頑張ったいいデザインかな
 と思ってます。これならBMW5シリーズやアウディA6にわざわざ高い金払わなくても、
 この新型スカイラインでいいんじゃないかと。まぁ、このスカイライン自体が高い
 っつー話もありますがw。まだ乗ってないので中身がどれくらい競合を上回ってるか
 分からないので中身が相当いいという前提ですけどねw。

 この新型スカイラインで話題になってるのが、バッジがインフィニティで出たことです。
 これについて、日産商品企画の寺田美穂さんがサンケイビズのインタビューに答えた
 記事が載ってまして、すでにご覧になった方も多いと思います。コレ。


 日産技術すべて注いだ新型スカイライン インフィニティに変えた理由
 http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131223-00000501-biz_san-nb


 是非ご一読いただきたいのですが、まるで国会答弁のような苦しい回答になってる
 印象は否めませんなぁ。完全に後付でなんとかツジツマを合わせようといった感じ。

 スカイラインについて聞かれて答えてるんですが、どう読んでもインフィニティQ50
 について答えてる感じにプラスしてQ50をスカイラインで出さざるを得なかった言い訳
 のように聞こえてしょうがないです。

 例えば、新型スカイラインのターゲットについては、

 「年齢でいうと40代前半の男性。共働きの奥さんがいて、娘が1人。外資系企業で
 管理職をしており、非常にタフな環境の第一戦で活躍している人。都心のタワー
 マンションに住んでいる。まあ、私の友達にはあまりいないタイプだが…。
 重きを置いているのはむしろ価値観だ。良くも悪くも自信家で、自分に厳しい人。
 車を選ぶ際にも見えやブランドは気にせず、自分で『車はこうあるべきだ』と
 思ったものを追求する、厳しい審美眼を持っている」

 これってどう読んでもスカイラインのオーナー像ではなく、Q50のオーナー像ですね。
 外資系企業の管理職はスカイライン乗らないしw。

 NISSANマークではなく、インフィニティマークを付けたことについては、

 「スカイラインはこれまで、『ウナギ屋のタレ』のようにセダンとしての基本性能を
 ずっと進化させてきた。今回、そのタレを捨てて新しくタレを作った。セダン市場を
 もう一度活性化させるためには、いままでの続きで車を作っていてはだめだと考えた
 からだ。」

 「タレを捨ててゼロから新しいプレミアムカーを作ったとき、どの『バッヂ』を付ける
 のが一番似合うのかと議論をした結果だ。企業にとって、モデルにとって、バッヂは
 大事なものだが、販売の現場やお客さまは実はあまり気にしていないことも調べて分かった」

 スカイラインに乗るユーザーにはNISSANバッジは非常に重要でしょう。気にしないのは
 今まで日産車に乗ったことのない人なんじゃないでしょうか。インフィニティQ50を導入
 する時に日本のユーザーに調査した結果のようで、明らかにスカイラインユーザーには
 聞いてない感じがします。コカコーラも味を変えた時に総スカンくらって結局味を元に
 戻しましたことがありましたよね。タレの味が変わるとお客さんいなくなるんじゃないかと。
 変えるところは変えても、守るべきものもあると思いますが。

 昔ながらのスカイラインが好きな人には抵抗があるのではについて、

 「スカイラインはスカイラインだ。ただ、今回は進化じゃなくて生まれ変わった。
 そこはご理解いただきたい」

 スカイラインの名称を思い切って変えようという考えについて、

 「そういう意見もあった。スカイラインを捨てて新しいモデルにしたらどうだろうと。
 けれど、日本にはやはりスカイラインの熱烈なファンがいる。56年間愛し続けてくれる
 方もいる。そういう方々に、『もうスカイラインはないんです』とはいえない。
 だからスカイラインは、会社がなくならない限りスカイラインであり続けなければならない」

 この二つの回答は日産内部の葛藤がよく表れているというか、矛盾した回答のように
 聞こえるんですよねぇ。

 この矛盾はR34がV35で出た時からなことはみなさんもお感じになってると思います。
 まさにスカイラインがグローバリゼーションの波に飲みこまれてしまったわけです。
 これについては日産社内でも100万回以上の議論の末の判断だったんだろうことは
 想像に難くありません。その矛盾がこのインフィニティQ50の国内導入によって明らかに
 表面化してしまったのはある意味必然だったかもしれません。

 まぁ、ゴーン体制以降の日産において月販200台が目標のスカイラインを日本独自車として
 デザイン・生産することはどう考えても難しいでしょうし、だからと言ってスカイラインを
 無くすなんてことは日産社内としては絶対にできないし。スカイラインは今となっては
 日産日本人社員の魂と言っても過言ではないでしょうから、今回スカイラインの名前が
 残ったのは志賀さんの最後の置き土産だったかもしれません。日本人として外人役員
 への最後の抵抗だったのかなと。最後の抵抗にはなってほしくないですが。

 そういう意味では、インフィニティ担当役員もよくQ50にスカイラインバッジをリアに
 付けることを了承したよなぁと。さらに売ってるのがNISSANバッジの店舗なわけです。
 インフィニティブランドがNISSANバッジの店舗で売られるのは日本だけではないでしょうか。
 本来であれば、誰が考えてもおかしいことをよく説得したというか、これが最大の妥協案
 だったんでしょう。この折り合いを志賀さんはよくまとめたと思いますよ。それなのに
 責任取らされちゃうわけですから、ゴーンさんも非情ですよねぇ。

 まぁ、内部のやり取りはあくまでも外部の素人目に見た印象でしかないので、
 想像の域を出るものではないですし、間違ったものでもあるかもしれません。

 いずれにしても、ブランド論的にはありえない状況で発売される新型スカイラインである
 ことには変わりはありません。Q50がスカイラインバッジを付けたということは、
 今後出てくるであろうスカイラインのSUVやフーガなど、インフィニティと共有している
 クルマはこのスカイラインと同じ構造で出てくる可能性が高いですね。ということは
 この先数年間は混乱が続くことになります。現行車との併売も異例です。

 これでスカイラインやフーガが売れると、独立したインフィニティのクルマとして
 インフィニティ店舗を作って売ることもあるのかもしれません。その時が来ることは
 スカイラインが無くなることを意味するでしょう。

 スカイラインを残すことと、インフィニティを国内展開するのとどちらが利益を生むのか。
 この計算次第でスカイラインの運命が決まってしまうかもしれません。日本人にとっては
 なんとも残念な結果かもしれませんが、日産のグローバリゼーションはそういうことだと
 受け入れざるを得ないものになってしまうんですかねぇ。

 企業として非常に難しい判断を迫られる場面は進歩していく上で当然出てくることだと
 思います。スカイラインを今後のグローバル化の中でも残していってほしいことは、
 日産ファンみんなの総意であると思いますが、それがひずみを生んでしまっていることも
 事実です。この現実を受け入れる時、どう判断するのがベストなのか。

 個人的にひとつの可能性としてアリかもしれないと思ってるのは東京モーターショーで
 出たアイディーエックスの存在です。あれは個人的には510ブルへのオマージュのように
 見えますが、中にはハコスカと言ってる人もいます。あのアイディーエックスは市販化に
 向けて検討されてるようですが、おそらくスカイラインにはならないでしょう。

 可能性としてアリかな、というのは、アイディーエックスのデザインです。
 あの直線を基調とした平面構成は、まさにスカイラインのデザインに通じるものです。
 このデザイン言語を取り入れて新型スカイラインを作り、それをグローバルにNISSANの
 ブランド下で売ることができれば、インフィニティと共有する必要もなく、V35以来の
 呪縛からも逃れて、スカイライン本来が持っているデザインの良さを再構築することが
 できて、スポーティなセダンを全世界に導入することができれば、NISSANブランドの
 強化にも繋がり、月販目標も全世界でいけば200台なんてしょぼいことにもならずに、
 しっかり利益の出るクルマとして存続することが可能なのではないかと考えています。

 インフィニティQ50を新しく生まれ変わったスカイラインとご理解いただきたいと言うなら、
 上記アイディアのほうがよっぽど新生スカイラインになると思うわけですよ。
 既存のスカイラインファンも日産外人役員もみんな喜ぶことができて一石二鳥ですw。

 まぁ、これはかなり過激な意見かもしれませんが、インフィニティとの共有をなくすには
 これぐらいやらないとダメかなと。逆にこれができれば今までのスカイラインファンにも
 認めてもらえるし、新しい利益の源泉になる計算ができれば、外人役員もOKすると
 思うんですけど、どうですかね。利益計算は難しいかなぁ・・・。これがダメなら、
 もうスカイラインはなくすしか道はないかも。

 いずれにしても、スカイラインブランドは今となっては日産最後の魂だと思うので、
 なんとか残す方向で知恵を絞ってほしいですね。日産さん、お願いします!




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