燃圧が低くてエンジンがかからないというアクセラ。
赤丸は交換部品
燃料システムの部品は、図のようにホース・パイプ類、インジェクタや燃温センサ以外はほとんど新品に交換しており、サプライポンプは新品ではないが信頼性の高いデンソー製のリビルト品を使っている。
ただ、だからといって部品が完全に良いとはいえない。
よって、最終的には疑うが、信頼性の高い部品に交換しており、かつ、交換後も症状が全く変わらないということで、疑うのは後回しにすることにした。
燃料の流れは、燃料タンク→フューエルフィルタ→サクションコントロールバルブ→サプライポンプ→コモンレール→インジェクタへと流れる。
また、リターンはインジェクタ→フェーエル・チェック・バルブ→燃料タンクに戻る場合と、コモンレール→フェーエル・フィードバルブ→フェーエル・チェック・バルブ→燃料タンクと戻る場合がある。
(制御が複雑なので詳細は割愛)
コモンレール圧が低い原因として、単純に考えると次の4つが考えられる。
1. 燃料タンク~サクションポンプ間の詰り。
4. リターン側のバルブの開きっぱなし。
これらを1つずつ確認していくことにした。
まず、1の燃料タンク~サクションポンプ間の詰り。
これはサクションポンプの入口のホースを外し、手動ポンプをつないで燃料を吸い上げてみたが、すんなりと燃料を吸い上げることが出来た。
念のため、ポンプ側からタンク側に向かってホースを口で吹いてみたが詰まっている感じはなかった。
次は2のサクションポンプが高圧にしていない。
これについては、プンプ自体の点検は出来ないので、サクションコントロールバルブの駆動信号をオシロスコープで点検してみたが、デューティ制御されていた。(デューティ比が正しいかは不明)
制御的には問題ないと思われる。
また、コネクタを外すと最大燃圧になるという制御のようなので、外してみたが燃圧は上がらなかった。
残るはポンプが機械的に駆動されていない可能性があるが、これについては同僚がポンプを外してカムシャフトの動き、カムシャフトとポンプの接合部を点検していたが、再度点検してみた。
しかし、やはり問題なかった。
あとは、実際に燃圧が上がっているのかを点検したい所だが、ガソリン車のように燃圧計での測定は不可。
簡易的に、ポンプの出口側のパイプを外して、実際に燃料が出ているかを確認したいが、コモンレール式のような高圧で制御する部品の場合は、パイプ等を緩めた時などは、部品交換をしなければならない場合があるので、パイプを緩めるのは最後の手段とした。
3のサクションポンプ~コモンレール間の詰りも、パイプを外さないといけないのであと回し。
4のリターン側のバルブの開きっぱなしについては、リターンの通路を全てカットしてみたが、燃圧はほんの少し上がるだけでエンジンはかからなかった。
リターン側からのリークで燃圧が低いのであれば、リターンをカットすると燃圧は上がるはず。
しかし、変化が無かったということで、リターン側の開きっぱなしの可能性も無くなった。
こうなると、サプライポンプが不良で燃料が出ていない可能性があるが、ポンプはデンソー製のリビルト品なので考えにくい。
また、ポンプからコモンレールまでのパイプの詰りの可能性もあるが、40Mpa以上になるパイプ内の詰りも考えにくい。
とはいえ、調べないといけないので、コモンレール部でサポライポンプから来ているパイプを外してクランキングしてみた。
すると、外した部分から「ブシュ―、ブシュー」と霧状になったエアを吹き上げた。
詰りは無さそうだしポンプからは供給されている気がする。
しかし、大量のエアが出ていることから、エア抜きが出来ていないのか、もしくはエアを噛み込んでいるのか?と思ったが、なんかおかしい。
なんでこんなに大量のエアがでるのか?
もう一度クランキングすると、先ほどと同じように霧状になったエアを吹き上げた。
「????」
「えっ!!あり得ない!!」
つづく