始動不能/アテンザ③ | 自動車整備士駆け込み寺 喝っ!

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ヤフーブログからの引っ越しです。

燃圧が低くてエンジンがかからないというアクセラ。

 

 

 

 

コモンレール部からコモンレールに燃料が供給されているかを確認するために、コモンレール部でサポライポンプから来ているパイプを外してクランキングしてみた。

 

すると、外した部分から「ブシュ―、ブシュー」と霧状になったエアを吹き上げた。

 

 

「ん!?」

 

 

「ブシュ―、ブシュー」と霧状になったエアを吹き上げた?

 

 

「えっ?」

 

 

おかしくない????

 

外したパイプのところを見ると、最初はサプライポンプから燃料が供給されているパイプから、エア抜きが終わっていなくて多量の空気が出ているものと思っていたが、よく見るとコモンレール側からエアを吹き上げている。

 

 

下向きのパイプを外したわけなので、本来、下に向かって吹き出さなければいけない。

 

 

しかし、実際にはコモンレールから上に向かって吹き上げているのである。

 

また、実際に正常な車のパイプを外したことはないので定かではないが、「ブシュ―、ブシュー」と間欠的に出るのではなく、ほぼ連続的に燃料が出るのではないかと思う。(推定)

 

 

 

※   コメントで、点検した時の状態にヒントがあると書きましたが、そのヒントは

 

【「ブシュ―、ブシュー」と霧状になったエアを吹き上げた。 】でした。

 

エアを吹き上げるということは、コモンレール側からエアが出ているということになります。

 

 

コモンレールには、各シリンダにつながっている4つのパイプと、サプライポンプから燃料を供給する1つのパイプしかつながっていない。

 

 

その燃料の供給元であるサプライポンプから供給されているパイプを外した状態で、コモンレールからエアを吹き上げるということは、圧縮圧力がインジェクタ側から来ているとしか考えられない。

 

 

しかし、よく考えると、クランキング時、インジェクタは噴射する時には定期的に開いているわけである。

 

その時に、高圧の燃料圧力がかかっていれば燃料を噴射するが、このように燃圧が圧縮圧力より低い場合は、インジェクタ側から逆流することがあるのかもしれない。

 

それを確認するために、パイプを外したままインジェクタのコネクタを抜いてクランキングしてみた。

 

 

しかし、それでもコモンレールからエアを吹き上げた。

 

 

ということは、インジェクタが噴射タイミングで開いていることにより逆流しているのではなく、機械的に開いているということになる。

 

どのシリンダから吹き上げているのかを確認するために、すべてのパイプを緩めてクランキングしてみた。

 

 

すると、コモンレールからはエアを吹き上がることは無くなったが、代わりの1番シリンダのインジェクタからのパイプからだけエアを吹き出していた。

 

 

この1番シリンダからの圧縮圧力がかかることにより、エア抜きが出来なくて燃圧が上がらなかったものと思われる。

 

 

1番シリンダのインジェクタを外して、先端の噴射穴からエアガンでエアを吹いて漏れを確認したが、確認できなかった。

 

 

と、ここで、少し疑問が発生。

 

 

正常なインジェクタの場合、クランキング時、噴射穴が開き時には圧縮圧力がコモンレール側に逆流する可能性がある。

 

しかし、通常は燃圧の方が高いのでエアは逆流することなく燃料が噴射される。

 

 

ただ、部品交換時、大量のエアがコモンレール内にあった場合、今回と同じ症状にはならないのか?

 

 

と思ったが、インジェクタンの噴射穴が小さいので、実際はほんの少し逆流しているのかもしれないが、その容量は少なく燃圧側の方が勝つのかもしれない。※   私の根拠のない推理ですので信頼性はありません。

 

では、今回のエアはどうやってこんなにも逆流したのか?

 

 

インジェクタが不良には間違いないが、なんかスッキリしない。

 

そんなことを考えながら、どこかに亀裂や穴が開いてないかなど調べていて、何の気なしにインジェクタをねじってみると簡単にねじれたではないか!!!

 

 

えっ~!と思うと同時に、全ての疑問が解消された。

 

 

これだけ緩んでいたのであれば、大量の圧縮圧力が逆流するのも納得できる。

 

 

 

新品のインジェクタを交換し、エア抜きの必要もなく、クランキングするといとも簡単にエンジンがかかった。

 

 

結局、始動不能の原因は、インジェクタの不良であった。

 

 

これでスッキリするはずだったが、またまた新たな疑問が・・・

 

 

こんなものが自然に緩むものなのか?

 

そしてもう1つ。

 

緩んでいたので先端から5cmくらいのところである。

 

ここまで圧縮圧力がかかるものなのか?

 

ノズルの先端部分で密着されているような気がするが。。

 

 

ただ、この2つに関しても、少しだけだが可能性があることが分かった。

 

 

知人からの情報だが、インジェクタの取り付けは緩んであることがあるということ。

 

もう1つは、インジェクタの取り付け時、フューエル・インジェクタ・ブラケット取付けナットは角度締めであるが、それを正しくつけていない可能性があるということである。

 

 

実際、このエンジンも、ブラケットの水平度合いがおかしく、また、ケガキ線から角度がおかしいような気がした。

 

 

取り付け不良により、圧縮が上まで漏れていた可能性はある。

 

また、押しつけ不足により、振動等でインジェクタが緩んだ可能性も捨てきれない。

 

原因は分かってスッキリしたと思ったが、最後になっていろいろと謎が残るトラブル事例となった。