突然エンストすることがあるという平成19年式エブリバン(DA64V、K6A)
同業者からの依頼だが、症状が滅多に出ないのと、エンスト後の再始動は問題がなく、点検しようがないという。
ただ、お客さんは、カーブ途中でエンストし、怖い思いをしたので、お金がかかってもいいので完全に良くしてほしいという。
エンストはアイドリング中でも走行中でも発生するという。
症状は年に数回しかは発生しないようだが、発生後はダイアグノーシスではP0107(プレッシャセンサLow)を記憶しているという。
このDTCが出る可能性は、プレッシャセンサ不良、ECU不良、プレッシャセンサに関する配線である。
金額については何も言わないということなので、プレッシャセンサとECUは依頼者の工場で交換するという。
残る可能性である配線については、このDTCはどのような時に異常検出するのかを確認するために、プレッシャセンサの5Vの電源線、信号線、アース線をそれぞれ断線させたり地絡させてみた。
すると、電源線を断線した時と、信号線を地絡させた時にP0107を検出することが分かった。
配線図で確認すると、電源線についてはスロットルセンサと共通になっていたので、スロットルセンサから配線をバイパスさせた。
また、プレッシャセンサのターミナルの圧着不足の可能性もあったので点検したが問題なかった。
これで電源線が原因で不具合が出る可能性は無くなった。
信号線の地絡については、かなり配線を調べたが異常は見つからなかった。
また、ハーネスをゆすったりしてみたが不具合は再現できなかった。
こうなれば、センサ~ECU間の線を切って、新たな線を引き直すしかないと思い引き直した。
これで、P0107の原因となる可能性はほぼなくなったはず。
本当であれば、電源線や信号線をオシロスコープで調べ、どちらの信号に異常があるのかを調べ、その系統の配線の点検が必要であるが、あまりにも再現性が低く苦渋の修理方法となった。
約6か月ほど経過しているが、今のところ再発の連絡はない。