エンジンのかかりが悪い時があるという平成16年式ハイゼット(S200P、EF-SE)
同業者からの依頼。
そもそもはオーバーヒートしたということで、エンジンを中古品に交換。
始動は出来て1時間くらいは正常だったとのこと。
その後、エンジン不調になったり始動性が悪くなったようだ。
このEF-SEというエンジンは、発売後、数年間は途中までバキュームセンサがなく、吸入空気量をスロットルセンサで判断するという特殊なエンジンである。
よって、スロットルボデーやECUを交換した場合は、学習が必要である。
まずは電話相談があったので、その学習を行ってもらったが変化なし。
元のスロットボデーと交換し、学習を行ってもらったが同じ。
手に負えないということで持ってきてもらった。
症状を確認するときに気が付いたのだが、キーONにすると、エンジン警告灯が高速点滅していた。
キーOFFにして、再度ONにすると一瞬点滅することもあれば、点灯したままの時もある。
クランキングすると、全く爆発の気配がない。
アクセルペダル操作をすると、何とか爆発があり、何度か繰り返すとエンジンはかかった。
エンジンはかかったが排気ガスが臭くエンジン不調。
しかし、どういうわけか暖機後は始動性も良くエンジンの調子も良かった。
(暖機後でも始動性が悪い時がある。)
スロットル開度とECUに関する3つの学習やリセットをこちらでも行ったが変化なし。
どうみてもECU不良。
特に、あの高速点滅はあり得ない。
ECUは中央のフロア部にあるので外そうと覗き込むと、ECUがあると思われる上部のカバーが濡れている。
その上にあるヒーターコア部には水が溜まっている。
ヒーターコアから水が漏れているようである。
外したECUのカバー
ECUを外す前に、ECUのコネクタをゆすってみると、それまで始動性が悪かったのに、一発で始動できた。
ECUを外すと、コネクタ内は汚れており、ECU部にも漏れた水が入っている感じがした。
このECUのカバーはリベット止めしているのでカバーは外せない。
エアガンでエアブローを行い、半日乾燥させたが正常な状態には戻らなかった。
ECUを交換するしか手が無いようなので、依頼者にその旨を伝えて引き取ってもらった。
依頼者の方では、オーバーヒートの原因がわからなかったようだが、ヒーターコアからの水漏れが原因だったのかもしれない。