発進時、ミスが発生するというN-BOX(JF3、S07B)
同業者からの依頼。
症状的には点火系のミスのようなので、プラグは新品に交換、IGコイルは良品と入れ替えたようだが変化なし。
また、エアフロメータは中古品に交換。
データモニタで失火カウンタを調べると、発進時、全シリンダが不規則に失火していることがわかった。
全シリンダが失火している原因として考えられるのは、空燃比のずれ、過大EGR、燃料自体の不良、バルブタイミングと思っている。
ただし、アイドリング時は問題ないのでバルブタイミングについては後回し。
まずは、データモニタで空燃比を調べたが、大きくはずれていなかった。
EGRが効きすぎているのではないかと思い、データモニタで目標EGRとEGRの実リフト量を比較しながら走行してみたが、ほぼ同期していた。
ただ、レーシングで不具合が出ないこともあって、EGRの可能性が十分にあるということで気になったので、ミスのないアイドリング状態でEGRのコネクタを抜いて走ってみた。
すると、不具合は出なくなった。
コネクタを接続すると不具合は発生。
何度も繰り返したが結果は同じ。
EGRバルブのどこがどう悪いのかはわからないが、バルブが過大に作動しているのではないかと思われる。(スブリングのへたり?)
EGRバルブの不良ということで交換するとよくなった。
データモニタでは問題ないと思ったが、念のために調べたことで原因が究明できた。
私は「念のために調べる」ということが多いほうだと思うが、その多くは無駄になっている。
しかし、その「念のために調べた」ことで、ごく一部だが原因の究明が出来ているのは事実である。
今回も、この「念のために」と思ったことを調べなければ、原因究明はかなり困難になっていたのではないかと思う。