原 憲司の志野ぐい吞「款冬」 | せともん道楽だもんで・・・

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主に東海地方の焼き物産地の瀬戸・美濃の陶芸作家が作った酒器(ぐい吞)を集めています。
作家が作った酒器は、作家の個性と技術が凝縮され、使って良し、飾って良しのコレクションアイテムです。
そんな酒器の魅力を紹介できたらと思っています。

 

桃山時代に瀬戸窯、現在の美濃で生まれた黄色の焼き物 「黄瀬戸」 に心酔し、
長年に渡り本歌の黄瀬戸を追い求め続ける陶芸作家、 憲司 先生の新品未使用ぐい吞の紹介です❕
ですが、、、今回紹介するのは黄瀬戸ではなく「志野」です😂ハハハ

 

コメントでこの作品の名前をいっぱい考えて頂いてありがとうございました🥰←追記

名前は 白ねこプリン さんに考えて頂いた 款冬 (かんとう)」 と名付けました❗

「款冬(かんとう)」とは何ぞや❓調べたところ・・・

フキノトウの別名で、つまりフキだそうです!

茶色の模様が雪の下から顔を出す、春の使者といわれるフキノトウに見立てました。

原先生のご自宅兼陶房のある岐阜県可児市久々利の自然豊かな凍てつく野山の土を割って、

力強くニョキッと顔を出すフキノトウが、正にこの白いぐい吞にピッタリだと思い 「款冬」 と名付けました😊

 

 

 

憲司 「志野(ぐい吞)」

 

憲司 (はらけんじ)先生は1947(昭和22)年、東京の焼け跡(江東区の下町)に生まれ、
1969年から人間国宝の故 加藤卓男先生に13年間師事、
1982年に独立後、美濃桃山陶の聖地・可児市久々利で黄瀬戸を中心に志野・瀬戸黒などを手掛けられています。
2018年 可児市重要無形文化財「黄瀬戸」技術保持者 に認定されました。

 

 

👆この志野ぐい吞は、美濃桃山陶を愛する原憲司先生らしく古典的な志野が持つ本来の色「白」を基調にしたぐい吞です。
低く腰の張った、どっしり地に足を付いたような堂々とした姿のぐい吞です❗

ぽってりとしたボク好みの志野らしい形のぐい吞です💛

 

現在流行りの赤やピンク、オレンジ、紫、などの派手な色合いの志野焼は、近・現代(昭和陶芸家)に作られた色で、

桃山時代の本歌の志野は白(乳白色)色が基本です。

この紹介する原先生の志野ぐい呑は、正に桃山時代の志野を目指した古典・伝統的な志野と言って過言ではありません❕

現代ではちょっと地味や時代遅れと言われてしまうかもしれませんが…😅💧

 

 

大ぶりで重たく見えますが、実際はとても軽いんですよ~

実物よりも大きく・重く見える作品は名品の証✨だと言われています❕

このぐい吞には名品の素質がしっかり兼ね備わっていますよ😁✨

 

 

飲み口となる口作りは凹凸が三山に削り作られ、
側面に打たれた鉄絵の模様とヘラによる削り、とてもカッコイイです😍カッコイイ!

月面のクレータの様なピンホールの現れた志野釉の景色・肌合いもイイ感じです😍

 

 

上から見ると楕円形をしているのがわかると思います👀❗

歪んだ形も手作りの焼き物らしくて良いです。

底の部分には渦巻き状のロクロ目がハッキリ見えています🌀

 

 

碁笥底と言われる高台部分には原先生のこだわりがたっぷり詰まった希少な白い美濃の土(もぐさ土)がハッキリ見えます❕

ボクのようなマニアには、この上質なもぐさ土を見ているだけで楽しめます👍good

高台にある三つの焦げ跡にも趣がありますね💛

 

 

付属の桐箱も上質で側面を凹凸に組んだ仕様、

新品でありながら桐箱の色合いも赤く焼けた様な肌色をしています。

箱書きも「志野」のみ❗正にこれが本物の志野だと言っているかのようです❗❗

 

 

👆上の写真はある陶芸本に載っていた原憲司先生の最上級🏅の志野ぐい呑3点です🍶

どのぐい呑も最上級の作品が持つ高級感と気品があり、原先生のこだわりとセンスが見えますね✨

みんな同じ筒型ですが、志野の色のバリエーションがどれも違っていておもしろいですね~

 

 

ボクは現在流行りの赤やオレンジ、紫、ピンクなどの鮮やかな緋色の志野ではなく、
美濃桃山陶復元を志し、その生涯をささげる原憲司先生の志野は「白志野」がいちばん美しく合っていると思っています❗
だからボクが保有する原先生の最上級🏅の志野ぐい吞は、この白い志野なのです🥰🧡


近頃、原先生の奥様の体調があまりよろしくないようで、制作ができていない模様・・・💦
先生は奥様との二人三脚で釉掛け等を行っているため、今後の動向が非常に気になります😰ダイジュウブカナ・・・



原先生は古典的な本物の美濃桃山陶を作る最後の世代の作家と言っても過言ではありません❗
志野・黄瀬戸・瀬戸黒などの桃山陶の名品を生んだ岐阜県可児市久々利の地で、

桃山時代と同じ様式の穴窯、桃山の陶工と同じ手回しのロクロ、志野の原料である長石類は石臼を手動で突いて砕き、

自らの足で探し手に入れた美濃の土「もぐさ土や五斗薪土」で志野を作る。
古典的な美濃陶を作る作家が注目・評価されにくい今この時代に💦、
美濃陶を愛し、本物の志野・黄瀬戸を目指す原憲司先生に感動と尊敬をしてやみません🥲✨✨✨

 

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