追悼 美和隆治(享年92歳) | せともん道楽だもんで・・・

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主に東海地方の焼き物産地の瀬戸・美濃の陶芸作家が作った酒器(ぐい吞)を集めています。
作家が作った酒器は、作家の個性と技術が凝縮され、使って良し、飾って良しのコレクションアイテムです。
そんな酒器の魅力を紹介できたらと思っています。

 

追悼

突然届いたはがき✉に言葉を失いました💧

そのはがきの内容は…😰

 

喪中につき年頭のご挨拶をご遠慮させていただきます

一二月八日に美和隆治が九二才にて永眠いたしました。

 

 

自分が美和先生とお会いしたのはちょうど一か月程前・・・😰

ボクの前に並べられた先生がこれまでに作った志野・黄瀬戸・瀬戸黒・黒織部などの逸品茶碗を前に、

美濃のやきものの心を熱く語ってくださった先生、

92歳の年齢を感じさせない熱い気持ちと情熱を、ボクに伝えてくださいました🥹💧

 

 

美和隆治 (みわりゅうじ)先生は昭和5年(1930年)6月3日生まれ❗

若いころは画家🎨を志し、日展の洋画部門に数回入選されており、

画家活動の傍ら、地元美濃各地の古窯跡から発掘した陶片を元にして、

美濃で作られた焼き物(志野・黄瀬戸・瀬戸黒・黒織部・美濃伊賀)の研究を始められます。

多治見市の中学校美術教師を退職されてから、

陶芸家として活動を始めてからは輝かしい陶芸の公募展に入選を重ね、

赤やオレンジ、紫色をした、それまでは無かった色の志野焼を作り上げることに成功し、

多くの陶芸ファンを魅了し称賛を得ました❕

昭和の大陶芸家、故加藤唐九郎(1898年~1985年)先生の紫色の有名な志野茶碗(紫匂)も、

美和先生が教えたのか、盗んだかは不明ですが、その技法の派生型であります。

実際、美和先生の窯出しの時には唐九郎先生もよく見に来ていたようです❗

美和先生は志野だけでなく瀬戸黒技法でも、桃山時代の瀬戸黒茶碗の陶片と並べても、

そん色ない釉肌や照り、色彩など素晴らしい完成度を誇ります。

黒織部の茶碗も非常に人気があり、現代的で個性あふれる作品で現在でも高い人気があります😁

 

👇美和先生がこれまでに手掛けたお抹茶碗の作品資料です。ぜひ見てください👀

 

 

・志野茶盌

 

 

・黒織部茶盌

 

 

・志野茶盌

 

 

・瀬戸黒茶盌

 

 

・瀬戸黒茶盌

 

 

ボクが美和先生とお会いしたのは11月2日、

美濃の山々は真っ赤に紅葉🍁し色付き、とても美しい風景でした。

美和先生の瀬戸黒の酒器を頂くためにご自宅にお伺いしました🚗go~

コロナも流行中😷で、いくら自分が四回目のワクチン💉を打っていても、

先生は92歳の年齢もあり心配ではありましたが、

お会いしてくださった先生は若者の自分に焼き物への熱い情熱を語ってくださいました❗

そして素晴らしい瀬戸黒の酒器をボクにくださいました🥰

 

 

新年の年賀状🎍を送ったところ、まさか返ってきたのは喪中を告げるはがき・・・

涙がとまりません(´;ω;`)ウゥゥ

まさか美和先生にお会いした一か月後に突然亡くなってしまうなんて…

責任も感じますし、ボクに遺作を託すために…とも感じますし、いろんなことを考えてしまいます・・・

急なお別れに、今でも先生との記憶がはっきり思い出され、涙が出てしまいます🥹💧

 

美和先生のご自宅の周りには50年前に先生が植えた桜の木(ソメイヨシノ)🌸があり、

今年の春🐝には美しく咲き乱れるであろう桜を見ずに先生は旅立ってしまいました。

でも美和先生が作り上げた数々の作品たちはいつまでも美しく咲いています。

ボクはいつまでも語り継がれるであろう 美和隆治 と言う美濃の陶芸家を絶対忘れません❕

ご冥福をお祈りいたします😇🙏

 

 

美和先生の酒器🍶の記事『美和隆治の瀬戸黒盃「羽黒蜻蛉」』👆

もう一度読み返して頂けたら嬉しいです😊

 


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