加藤孝造の瀬戸黒ぐい呑「ほまれ」 | せともん道楽だもんで・・・

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【瀬戸黒】

桃山時代に現在の岐阜県美濃周辺で焼かれた、

1200度以上に燃える窯から鉄のハサミなどで引き出し、

水につけるなどして急冷し漆黒のやきものを作る技法です。

その名を美濃ではなく愛知・瀬戸とするのは、桃山時代に於いては美濃窯と瀬戸窯とを区別せず、

両者を併せて「瀬戸」と理解していたことによるものだそうです。

別名として、その技法から「引き出し黒」、

天正年間(1573~1593)より焼かれたことから「天正黒」とも呼ばれています。

瀬戸黒の技法で国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された陶芸家は過去に二人いて、

一人目は故荒川豊蔵(1894年~1985年)先生、もう一人は加藤孝造(1935年~)先生で有られます。

 

今回はそんな美濃の大巨匠陶芸家で瀬戸黒技法の人間国宝、

加藤孝造 先生(1935年3月12日生まれ)の 「瀬戸黒ぐい呑」 を紹介します❗

 

コメントでこの作品の名前を考えて頂いてありがとうございました。←追記

名前は マスカットさん に考えて頂いた 「ほまれ と名付けました。

 

 

 

・国指定重要無形文化財「瀬戸黒」保持者(人間国宝)

・岐阜県重要無形文化財「志野・瀬戸黒」保持者

・多治見市無形文化財保持者

 

この加藤孝造先生の瀬戸黒ぐい呑🍶は、

孝造先生の窯のある岐阜県可児市平柴谷と言う山中にある孝造先生の陶房まで🚗行き、

加藤孝造先生本人から直接頂いた、ヤフオクや通販、古美術店などで買ったものでは無い、

一度も誰かの元に渡っていない正真正銘、自分がワンオーナー品の新品未使用品✨です❗

それも数ヶ月前に焼き上がったばかりの最新作です🌟

 

もう一つこのぐい呑の自慢は形にあって、孝造先生の瀬戸黒のぐい呑は本来筒型なのですが、

このぐい呑はなんと碗型なのです❗逸品でもあり珍品でもあります❕

先人である桃山時代の陶工と同じ手回しロクロ🌀を用いて、

電動ロクロでは出来ないゆっくり手✋で回した回転から生まれたぐい呑なのです😄

 

 

加藤孝造先生の窯は赤松を燃料とした桃山時代の穴窯(美濃大窯)を再現し、

同じ窯で黄瀬戸、唐津風、瀬戸黒、志野の作品を一緒に焼き上げます❗

1回の窯焚きで焼成する作品は、瀬戸黒20点、志野120~130点、唐津風50点、黄瀬戸50点程を窯に入れます。

薪を投入する窯の焚口の手前から黄瀬戸と唐津風、中央よりに瀬戸黒、奥側に志野と、

三種類の種類の違う釉薬の焼き物を一緒に三日半~四日間かけてじっくり焼き上げられます🔥

 

孝造先生の瀬戸黒はまったく色むらの無い漆黒の黒色で、

漆黒の中に光を乱反射させるつややかな光沢があります🌟

この黒色を作り出すことができるのは、孝造先生の長年経験と窯から引き出すタイミング、

それは誰にも真似する事ができない孝造先生の技術(人間国宝)なのです❗❗

 

 

燃える1200度の窯から引き出した器は真っ赤に燃え🔥ていて、

それを木の桶の中に入った湧水💧に付けて一瞬で黒色に変化させます❕

黒くはなりますが、色や光沢など千差万別でひとつとして同じものはできません😰💦

 

写真📷では分かりにくいので光を当てると、

孝造先生の瀬戸黒の特徴でもある独特な縮れ模様が全面に見て取れ、

孝造先生自身もとても良く出来たと満足の出来の作品です😄👍

 

 

側面は濃度の濃い釉薬を二度掛けして厚みと縮れカイラギ(ヒビ割れ)、無数の穴が現れていますが、

内側は薄めの釉薬をかけて、側面と違い模様などを抑えてあります👀❕

孝造先生の瀬戸黒釉は、長石に土灰を合わせ、それに鬼板を混ぜて作り、その配合等は企業秘密です🤫

少し離れて見ると碗なりの黒い抹茶碗にしか見えません❗

 

 

高台中央に孝造の「こ」の彫り名があります👆

少し灰色に焼けた土は孝造先生が美濃の山から見つけ出した極上の山の土で、

釉薬のかかっていない三箇所の凹みは孝造先生の釉掛けの際の指跡で三本指👌でつかんだことがわかります😄

 

 

付属の桐箱も最上質で蓋は中央が膨らんでいる高級✨な盛りフタ使用で、

側面はこれまた高級な組箱使用で、木目も素晴しいです😲

墨で書かれた作品名「瀬戸黒ぐい呑」と孝造の「孝」、

それと人間国宝認定後の作品を表す窯の地「平柴谷」と書かれています❗

 

 

この試飲サイズの小さな志野のぐい呑🍶は孝造先生から特別に自分にくれたもので、

孝造先生が初めて赤土を用いて志野釉をかけたテストピース(試作品)で、

この色の孝造先生の志野を持っているコレクターは自分しかいないと思います😄👍

 

 

試作品でありながら高台中央には「こ」と鉄絵で描かれています👀❗

正真正銘、孝造先生の作の作品であることの証明でもありますよ~👏

高台の土の釉のかかっていない部分で赤い土であることが良くわかります。

 

 

加藤孝造先生は87歳を超えられた今でも一年に一回窯焚きを行っています❗

病気もお持ちで決して元気とは言えない体で💦、

全身全霊をかけて一年に一度の過酷な窯焚きを行っています。

そんな恐れ多い人間国宝の大先生が、自分のような若者に、

こんな素晴しいぐい呑をくださりました😢アリガトウゴザイマス・・・

 

陶芸のコレクターは敷居が高く、決して安い趣味💸ではありません❕

加藤孝造先生の新品の瀬戸黒ぐい呑(20万円を超えます)を求めるコレクターさんは、

社長さんであったり大企業の役職の方だったり、

定年を過ぎたかなりお金をお持ちの方だったり💰で、

自分のような若者には引け目や劣等感を感じることがたくさんあります😢💧

でもそんな来る🚗のも断られる様なコレクター弱者の自分を孝造先生は大切な陶房を見学させてくれ、

素晴しい瀬戸黒のぐい呑と世界にひとつと言って良い赤土志野ぐい呑をくださりました。

今思い出しても鮮明に思い出され、感動で涙が出てしまいます(;0;)ホロホロ💧💧💧

将来この孝造先生の瀬戸黒ぐい呑は美濃の陶芸美術館に寄贈し、

いつかの加藤孝造先生展などの展覧会で展示、多くの人に見てもらうことを考えています❗

それまで自分が誰にも手放さず宝物💰として大事に持って保管しておきます😊✨✨✨

 


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