緊急時でわかる人の本質
海水温が年々高くなっているんでしょう。以前から気象学者が懸念していたように、日本に近い位置で台風が発生するので、大型のままで台風が日本に上陸するようになってきました。
私の周りにも、全国を回るセミナー講師の方、たくさんいます。ただ、こういうときにこそ、その方の本質が見えてくるんです。お客さんを大事にしているか、自分本位なのか。
前にも、信頼できる講師の方が投稿されていました。天候の悪化が予見できるなら、たとえどんな地方であっても、迷わず移動できるうちに移動して、場合によっては前日泊すると。それで中止になっても、地元の方に対しての義理は果たせるから、と。プロですよね。
一方で、当日の朝に移動しようとして、できなかったら天候のせいにする方も。何をどう言い訳しようと、自分勝手にしか映りません。忙しい?じゃあ、受任しなければいいだけですよね。
困るのは、現場の担当者、主催者なんですよね。あらかじめ、移動してきてくれる方と、来るかどうかも分からない方。私なら迷わず前者を選びますし、後者は二度と・・・。人が集まってるのに中止なんて、これほどかっこ悪いことないのでww
こういうときにこそ、人の本質って見えてきます。どんなにネットでかっこつけていようが、言葉だけはきれいごとを言ってようが、お客さんを見ない方はねえ・・・ww
もう一つ付け加えるなら、本当に信頼される講師なら、現場の方と事前に何度も連絡しあって、最善の方法を。当日の朝出かけてから考えるなんてこと、起こるはずもないんですけどね。プロと自分に甘い素人、思い切り差がついてしまいますね。
陥りやすい誤解
私が開業したころ、様々な交流会を主催したことがあります。そして、講師の選定にも自信を持っていたはずなのですが・・・
何かおかしいと感じ始めたんです。それは、
経験者だからと言って使えるとは限らない
ってこと。まあ、トンデモ講師がいっぱいいることを知りました。例えば、
・銀行出身者の資金調達セミナー
・新聞社経験者のプレスリリースセミナー
・人事経験者の助成金セミナー
いずれも期待外れと言うか、肝心の成果につながらない。どうしてかと考えた時に、私が特許業界に足を踏み入れた時にお話ししたある弁護士さんの話を思い出したんです。
「弁護士なんて偉くないんですよ。事件が起こってから、それの対処を考えているだけ。事件が起こる前に起らないような特許を取りに行く弁理士さんの偉大さをしみじみ感じています。」
これ、何も自慢話ではないです(笑)。この弁護士さん、知財関連の訴訟では連戦連勝の凄腕の方。彼が言いたかったのは、後付けで理由付けするのと、何もないところから作り上げるのとでは、必要とされる能力が違う、ということなんです。
例えば、銀行にいたところで、所詮提出された書類で審査をしているだけ。審査書類を一から作り上げる能力が高いわけではない。
新聞社にいたところで、提出されるプレスリリースを批評しているだけで、自分でプレスリリースを作っているわけではない。
人事にいたところで、助成金を申請することなんてほとんどない。つまり、申請書類の書き方に精通なんてしていない。
つまりは、いかにも、って感じで宣伝されてはいますが、考えてみれば使っている能力が違うんだから、素人レベルってことなんですよね。(少しは隣の部署の作業を目にすることはあるでしょうが・・・)そりゃ、成果が出るはずもなく。
セミナーの告知、よく観察してみてください。本来なら話をする資格のない講師が平然と登壇しているもの、多数あることに気づきますから。
根拠を確認しない情報ほどおそろしいものはない
先日、弁護士さんが開催されているパネルディスカッションを聞きに行きました。AIに関することだったので。
そこで、あるパネラーの方、特技懇において、ある審査官の方がまとめたグラフを根拠も確認することなく示されて、特許査定率が異様に高いから、今がAI特許出願のチャンスだとあおるような発言をしちゃいました(汗。
まあ、弁護士さんは実情もご存じないですから、その情報をそのまま鵜呑みにされて興奮されていましたが、少し冷静に考えてみたらわかるはずなんです。
今、AI関連発明の出願大国は米国と中国です。米国は2011年当たりから急増、中国は2014年から急増と言う資料も提示されていました。
それに対して、日本だけが出願件数が横ばい、むしろ右肩下がりということが同じ資料から読み取ることができます。
しかし、一方で日本での機械学習関連発明は、2013年当たりから延びて、2015、2016で急増しているとのグラフを。これ、中国で急増した特許出願をパリルートで出願したならちょうどその伸びと一致するようなグラフです。つまり、出願人が日本の企業とは、どこにも書いていないし、出願が伸びているのが外国の出願人であると容易に推測できる資料です。
そして、特許査定率が高いというグラフを示されたのですが・・・
外国から日本への出願、実は翻訳がネックになっています。私たち弁理士がなぜ技術に詳しくなければならないのか、というのは、ひとえに翻訳文の精度を高めるためだと言っても過言ではないでしょう。
しかし、今、日本の弁理士でAIに明るい方って、まあ20人もいないでしょう。あとは、マスコミと同レベル。そんな方々が翻訳すれば、訳の分からない出願内容になり・・・・
このとき、特許庁の対応は2つあります。誠実に拒絶するという方法。もう1つは、第三者に被害が出ない内容へ限定(つまりは、ごく狭い権利に誘導させる・・・)させて特許を取らせてしまうという方法。後者の方が特許料が特許庁に入るのですから、外国からの出願の特許査定率が高い傾向にあるのもうなづけるでしょう。
すると、この高い特許査定率、出願人が外国企業である可能性がすこぶる高い。そこまで確認してからの話なら分かりますが、残念ながら発表者は確認も何もしていませんでした。まして、年間30万件のうちの100件の話。拡大解釈するレベルかと言えば・・・
このように、グラフってそのベースになる数字の意味を理解してから読まないと、とんでもない誤解が生じます。それを公の場で発表するというのが、どれほど責任のあることなのかを専門家は考えるべきだと。一度、精査してみます。