いや、解っているんです。
野村監督という人は、極めてオーソドックスな試合展開をする、普通の監督さんなんです。
しかし、マスコミを利用し、選手の悪口を言い、相手の悪口を言い、オーソドックスな展開に、奇襲を入れることで、何をするか解らないという懐疑心を相手に掻き立てる人です。
テンポを乱す。
裏を掻く。
そんなことは朝飯前。
言わば、試合に負けないようにする。
相手のミスや綻びが出るのを待つのが、非常にうまい監督。
勝つべくして勝つのではなく、いつの間にかホイホイ勝っちゃう監督。
言い換えれば、勝てる試合で負けないことを目指す監督。
それを、不思議の勝ちとか言って、相手が「なぜ負けたんだ?」と混乱させるのが上手い。
でも、それでも野村監督の下で仕事をしてみたい。
小言を言われてみたい。
お前、何やっとんのや。
仕事ちゅうのが一向に解ってへん。
仕事は段取りや……。
そんなことを言われたい。
叱れる大人がいないと思うのです。
自信が無いのかも知れない。
自分のしている仕事に対して、信念を持っていないと、相手に対しても叱れない。
信念を持って、仕事をしている人と一緒に仕事をしたい。
最近の願いです。