組織というものは、非営利でない、つまり利潤を求めるのであれば、売上ではなく利益を手元に残さないといけないと思っています。
ただ、勘違いされるのが、僕が社内でこれを言うと利益第一主義だとレッテルを張られること。
利益第一主義なのではなく、利益忘れるな主義だと思っています。
非営利企業であろうと、営利企業であろうと、顧客という存在がいて、顧客に価値を感じて貰う、価値を届けることが必要である以上、存続し続けることが第一条件になると思います。
つまり、会社は生き続けることが大切なのではなく、顧客に価値を与え続けることが大切なのであり、それは必ずしも会社が生き続けることとイコールではないと思うのです。
日本の場合、明治維新以降、長らく数千万人の市場を相手に商売をしてきましたから、顧客に価値を与え続ける=そのために価値を生み出す企業が生き続ける、という方式が存在していたかもしれません。しかし、国境無きビジネスが展開される現在、顧客は全世界ですし、逆にライバルも全世界になります。
サントリーとキリンの統合に見られるように、大切なことは今までの歩んできた歴史、そしてそれ以上に、歴史が生み出した価値、そしてそれよりも上に、これからどんな価値を顧客に提供するか、という点ではないでしょうか。
その意味で、営利企業は利益を元手に、新しい価値、想像的な、所謂イノベーションを経た価値を提供することが使命だと考えれば、営利企業で働くモチベーションも、給料などのお金よりか、その会社で働くことで身に付くスキルよりか、価値を生み出し、価値を届けることへの満足感の方が、充実はするだろうな、と思います。
つまり、企業において「金のために働く」なんて当たり前。
そしてその企業で「スキルが身に付く」なら上等。
さらに企業で何か価値を生み出すことで、顧客が満足してくれることで「自分自身が満たされる」なら最高。
マズローは、所属と愛の欲求よりも、自己実現の欲求を上にしたけれど、実は逆なんじゃなかろうか。