この1週間、ずっと悩んでいることがあります。
それは自分の出処進退について。
チーフ職という訳の解らない役職に就く筈が、土壇場になってオジャン。
しかも、ずっとチーフ職になるなら金くれ金くれと言い続けていたら、周囲から「あいつは何だ!」と言われる始末。
もし僕の仕事ぶりがお金を払うに値しないと言うのであれば納得するのですが、みんなが我慢しているからお前も我慢しろという下らない理由―。
鷲津さんの姿が思い浮かびます。
「日本は資本主義社会でしょ?お金を稼ぐことがいけないことでしょうか。いけないことでしょうか!」
そう啖呵切りたいです。
冗談じゃない、そう言いたい。
僕は、役職が上がるなら、その分給料を上げてくれ、と言っているに過ぎない。
役職が上がる、仕事内容が変わらない、だから給料は上がらない。それであれば、役職を上げる意味は無い。
役職が上がる、仕事内容も変わる、けど給料は上がらない。それであれば、辞退せざるを得ない。
役職というのは仕事内容に応じて分けられるべきだし、その仕事をするから、その役職になる。
それに見合った給料というのもある筈だ。
その理屈が解らないというのは、本当に参った。
ドラマ版、映画版「ハゲタカ」が万人に受ける理由がよく解ります。
この中で描かれている人間の不条理、強欲は全て、普遍的で、一般的な話なんですね。
だから、自己投影し易い。
旅館西之屋の、決して経営の上手くない西野昭吾。
彼に対して息子の治が「言ってやんなきゃ解んねんだよ!」と言う瞬間は、誰もが脳裏に、我儘で責任を取ろうとしない上司や役員の姿が思い浮かんだはずです。
サンデートイズの、強欲社長である大河内瑞恵。
彼女に対して鷲津が「会社は、あなたのおもちゃじゃない」と言う瞬間は、誰もが脳裏に、会社を自分の私物化にして、従業員を好き勝手に扱う役員の姿が思い浮かんだはずです。
大空電機の、伝説的名経営者である大木昇三郎。
彼が株主総会に送った手紙の一節に「大空には人と人とを繋ぐ、モノづくりという魂があります。会社を動かすのは、この魂です」という下りがありますが、この瞬間に、誰もが自分自身は何のために、今の会社で働いているのか、今の会社は何を目的として存在しているのかに思いが及んだはずです。
大空電機の株主総会で「誇りで飯が食えますか、誇りで業績が上がりますか、商品が売れますか」と鷲津が言う瞬間は、誰もが脳裏に、過去のシガラミに囚われ、新しいことに挑戦出来ないまま、組織そのものが衰退していく会社の姿が思い浮かんだはずです。
そしてアカマ自動車で社長の古谷に対して「会社も生き物なんです。夢や希望を持たないと生きていけないんです。……こういう時代だからこそ、夢や希望を語るリーダーが必要なんです!」と芝野が言う瞬間は、誰もが脳裏に、古谷社長と同じく上辺だけの経営理念を掲げ、「夢や希望なんかで飯が食える時代か」と小馬鹿にした組織の人たちが思い浮かんだはずです。
そう言う意味で、誰もが芝野や鷲津になれるはずです。
そして組織を再生出来るはずです。
今の僕の心の拠り所は、この1点に尽きます。
絶対に腐ってはいけない。
自分で限界を作ってはいけない。
やるんだ。
夢や希望を忘れてはいけないんだ。
自分なりの決着を、絶対に付けないといけない。
生きている理由は、そこにしかない。
だから頑張る。
重く考えちゃいけない。
けど、軽く考えてもいけない。
真摯に受け止めて、1つ1つやっていく。