絶望工場 ― 企業が行わなければいけない人材の育成とは何か ― | それもまた良し

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関西のとあるベンチャーで働くSEのブログ。

日々のインプットから、アウトプットを定期的に行うことが目標です。主に組織論やドラッカーの話題が中心ですが、タイトルにもあるように「松下幸之助氏」のような互助の精神を持ち、社会人として成長出来る事が最大の目標です。

管理職の決断、そろそろ迫っています。
が、まだ迷っています。

待遇が悪すぎるのです。
一般職から、管理職にはなりたくないという声が上がるぐらい、仕事量は多いし、残業時間は22時23時は当たり前になっている、しかもスキルアップは望めない、ときた。

一瞬、ブラック企業か?と思えてしまいます。
が実は僕の勤めている会社、そこそこ有名な会社なんですよね。


つまり、IT系企業の日常ってこんな感じなんだろう、というのが僕の率直な感想です。



だからこそ問いたいのですが、皆さんは何故、今働いている企業に勤めているのでしょうか?
特にIT企業で働いている社員の皆さん。その企業でなければいけない理由はあるのでしょうか。

朝起きて会社行ってコード書いて昼飯食べてコード書いて事務職が帰ってコード書いて眠くなったから家に帰って寝て朝起きて会社行ってコード書いて……。

ドラッカーが描いた知識労働者の姿は、IT業界にこそふさわしい筈なのに、なんですか。
この現実は。

僕は、悲惨なこの現状を「絶望工場」と呼んでいます。
プログラマがコーディングしているのは、ソフトウェアではなく絶望だと僕は思うのです。



なぜ、こういう状態に陥るかと言えば、企業にとって人材が替えの利く状態だからだと思うのです。
つまり今日書いているコードが、別に違う人間が書いたとしてもソフトウェアは動くにお金になる―経営者がそう判断しているケースが多いからです(本当は違うのですが)。

つまり、正社員という名前が付いているにも関わらず、実際は請負の存在と変わらない。
育成のための投資がされないし、替えの利く人間だからそもそも投資をしようとも思っていない。



この状況を改善するためには、どうすれば良いのか。

正直、僕の中で答えは見つかっていません。
こういう状況に満足している経営者が経営者なら、こういう状況になっても何も文句を言わないエンジニアもエンジニアではないか?とも思います。

結局、やらないといけないことは、

■エンジニアがスペシャリストとして活躍出来る環境作り
 ⇒「この人にしか出来ない仕事」を生み出す

■スペシャリストが生み出した仕事の普遍化
 ⇒この人にしか出来ない仕事を、誰もが出来るようにマニュアル化してその他の人の成長を促す

■仕事に対して責任を持てる環境作り
 ⇒スペシャリストとしての能力を持たせることで、仕事への誇りを持たせる、それが成果への責任となる

■スペシャリスト育成のためのお金作り
 ⇒金を生むのは事業では無い、金を生むのは人である。だからこそ、人のためにこそ金を使うべきである


この4点かな、なんて思っています。