自分のためか、組織のためか | それもまた良し

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関西のとあるベンチャーで働くSEのブログ。

日々のインプットから、アウトプットを定期的に行うことが目標です。主に組織論やドラッカーの話題が中心ですが、タイトルにもあるように「松下幸之助氏」のような互助の精神を持ち、社会人として成長出来る事が最大の目標です。

土曜日です。

今日1日は体をリフレッシュさせ、明日は試験勉強重点日と称して、ITパスポート試験とメンタルヘルスマネジメント試験合格を受けたレポート作成に勤しみます。
リフレッシュと言っても、まだまだ病み上がりなので、足を延ばして本屋に行って、スタバで本を読むぐらいでしょうかね。地味ですが……(笑)。


さて、WBCが3月にあるということで、スポーツ紙だけでなくテレビ等でも野球がクローズアップされていますが、野球に興味が無い人も、この球技ほど組織論に通じる球技はありませんので、せっかくですからこの機会に野球を知って欲しいと思います。

野球は9人の選手でやるスポーツだと言われがちですが、それだけでなく1人の監督と、十数人のコーチでやるものだと僕は思います。
グラウンドで戦うのは9人ですが、選手を指揮するのは監督ですし、選手のコンディションを整えるのは十数人のコーチです。つまり職場で戦う人間(=選手)、指揮する人間(=監督)、調整する人間(=コーチ)がいて、初めて野球が成り立つ訳です。



ただ、ここで「グラウンドの矛盾」が出てきます。

監督は組織が勝つために、試合を指揮します。監督の存在理由とは、試合に勝つことですから、当然と言えば当然です。
コーチは選手が勝てるために、試合に挑みます。コーチの存在理由とは、試合に勝つために選手のパフォーマンスを最大限に引き出すことですから、これも当然と言えば当然です。

では、選手はどうでしょうか?


実は選手の場合、結果を出すことが試合に勝つとは限りません。
野球は9人で戦うものですから、選手一人が4打数4安打4打点を叩き出したとしても、相手側がそれを上回る結果を残せば負けてしまいます。

つまり1人が100点で残り8人が0点なのと、9人全員が12点なのでは、100対108で、12点が勝利してしまいます。
これが「グラウンドの矛盾」です。



成績を残すことこそ勝利への近道だが、それが絶対では無いのです。



例えば横浜ベイスターズの村田選手はホームランキングになりましたが、チームとしては最下位ですし、楽天イーグルスの岩隈選手はMVP・沢村賞を受賞しましたが、チームは5位でした。

個人成績が、かならずしもチームを優勝に導かない―この矛盾が、実は野球の醍醐味であったり、組織論に通じたりします。
皆さんの組織でもあると思うのですが、ばりばりと結果を残すスーパー営業マンがいるのだけれど、組織全体で見れば利益はなかなか上向かない―そんなこと、ないでしょうか。


野村監督なんかは、これを「選手はグラウンドで自分のためにプレーするのではなく、チームのためにプレーをするんだ。それが結果として自分のためになる」と言っています。

つまり「グラウンドの矛盾」を解く鍵として、選手に「試合で結果を残すこと」よりも「試合に勝つこと」を求めており、勝つことに拘れば自然と「試合で結果を残せる」と説いています。


一方、落合監督なんかは「選手はグラウンドで自分のためだけにプレーしろ。結果を出すだけで良い。それをチームの勝利に結び付けるのは、監督の仕事だ」と言っています。

つまり「グラウンドの矛盾」を解く鍵として、選手に「試合に勝つこと」よりも「試合で結果を残すこと」を求めており、選手が残した結果を結び付けて勝利を生むのは「監督の仕事」と説いています。



僕にとっては、どちらも筋が通っていますし、どちらも奥の深い「監督論」であり「組織論」だと思います。



ただ言えることは、監督の考え方が違えば矛盾を解き解す方程式も違うということです。
山があれば、違う登山口でも頂点は同じように。


同じ「結末」を考えているのであれば、解き方はどちらでも良いような気がします。
組織も一緒ですよね。特に株式会社の場合、利益を出すことが「目的」ですよね。



大切なことは、選手に対してリーダーが何を求めているか、口に出していることではないでしょうか。

何を期待しているか。
何を職場で発揮して欲しいか。

リーダーがそれを知り、フォロワーに対してアプローチ出来ている組織ほど強い組織はありません。
自分のために仕事をしても、組織のために仕事をしても、それはどちらでも良いことです。

要は勝てば良いわけで、問題はそれを「誰が、どのように、勝利に結び付けるか?」が鍵だと思うのです。



思い巡らせて下さい。

皆さんの職場で、自分の役割を認識し、今、この瞬間、自分は何をすればよいか、理解出来て、率先してそれが出来ていますか?
出来ていない場合、それをリーダーに相談することが出来ますか?