コントロールすること | それもまた良し

それもまた良し

関西のとあるベンチャーで働くSEのブログ。

日々のインプットから、アウトプットを定期的に行うことが目標です。主に組織論やドラッカーの話題が中心ですが、タイトルにもあるように「松下幸之助氏」のような互助の精神を持ち、社会人として成長出来る事が最大の目標です。

今日は気付いたら1日が終わっていました。
仕事をしたなぁ! 結果を出せたなぁ! という実感もあまり持てませんでした。

ちゃんと1日の時間配分をしていない証拠です。
最近は片道25分掛けて、徒歩で通勤していますし、行きの時間を利用して「今日1日、何をするか」という献立を立てたいと思います。


やはり新卒1年目だから、とか、まだ入社して間もないから、というのは言い訳だと思います。
こればかりは「それも良し」と言えません。

それじゃ、単なる妥協です。
包容ではありません。

新人に入社10年目でしか解決出来ない仕事を割り振るのは、それは上長が悪いですし、新卒1年目にはそれに見合った、或いは実力に見合った仕事が割り振られる筈です。

それを解決し、成果を出し、結果として残し、ステップアップしていく。
そのフィールドとして職場があるのでは、と考えています。



そう考えると、学生生活と何ら変わらないのではないか、と思います。

小学校~高校まで、時間割があり、それに基づいて授業を受けます。
授業を受けて、問題を解決し、答えという成果を出し、テストという結果を残し、クラスが上がります。

大学の場合、少しだけ難関が上がっており、テストで結果が残せなければ、クラスを上げることが出来ません。
それでも幸運なのは自分で時間割を作成し、何を解決するか選択出来ることです。


社会に出ると、まず時間割が無くなります。
入社して暫くは研修と称して、時間割もどきを与えられますが、長くて1年。

その先は自分で時間割を組み立てる必要があります。
つまり自分で問題を発見し、それを解決し、結果を出す。

そして「クラス」という階級を昇格していく。
係長、課長、部長、役員、社長……役職に応じた問題が散らばっていますが、あくまでも問題は自分で発見し、自分で組み立てて解決する必要があると思います。



そもそも考えてみれば、自分の人生だって時間割を作成しないと無法地帯です。

ある意味で大人とは時間という概念と欲望という欲求を自制出来る生物です。

同性を威嚇しながら、異性とセックスすることは出来ますが、それを抑えることは出来ます。
また、24時間という平等な時間を与えられながら、ある人物は堕落し、ある人物は成功をおさめることが出来ます。


言わば、「時間の使い方」と「欲望」をコントロール出来る生物こそ、人間なのかも知れません。
そしてコントロール出来るからこそ、時間割のように、限られた時間内で最大最高の成果を出すことが目的の「欲望」を生み出すことが大切なのではないでしょうか。



坂口安吾は堕落論の中で「生きよ、堕ちよ」と書きました。

戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり脆弱ぜいじゃくであり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。

これだけ読むと、結局は「欲望に負けても仕方が無いんだよ」「道徳と堕落は対義語」と思われるかもしれません。しかし決してそうでは無いのです。

堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。政治による救いなどは上皮だけの愚にもつかない物である。

つまり堕ちて堕ちて、底抜けに落ち切って、その底でプライドや欲望に塗れた自分自身を発見し、そして、その自分自身を救わなければいけないのではないか、と思うのです。


この本が書かれて居た頃は、終戦直後であり、皆の目の前にいた現人神―天皇であり、実は人間であったという事実とマッチすると思うのですが、今の時代も似たようなものですね。



つまり、難関・難問が目の前に登場した瞬間に、さっと現れる白馬の王子様はいません。
また、いきなり神様が登場して魔法の杖を使い、強力なリーダーシップを授けてはくれません。
そして、天空から稲妻が落ちて、脳に刺激を与えて、どんな問題も一瞬で解決するスーパーマンには変身出来ません。

鏡を見るべき、なのかもしれません。


問題を解決するのは自分。
その手で縺れた糸を解きほぐし、その足で糸を持つ人の元へ通い、その口で説得させ、その全身で全ての物事を受け止める。


プライドを捨てるのではありません。

自分自身を知ることが大切。
最近、そう思っています。

自分自身を知れば、欲望や時間だけでなく、自分自身すら自分自身でコントロール出来るのではないでしょうか。