他人に変化を促すのではなく、自分が率先して変化する | それもまた良し

それもまた良し

関西のとあるベンチャーで働くSEのブログ。

日々のインプットから、アウトプットを定期的に行うことが目標です。主に組織論やドラッカーの話題が中心ですが、タイトルにもあるように「松下幸之助氏」のような互助の精神を持ち、社会人として成長出来る事が最大の目標です。

さぁ、1週間が始まりました。
今週も結果を出し続けましょう!

どんな小さな結果でも、出し続けることが大切です。

100点満点のテストを、1カ月かけて100点にするよりも、毎日60点取り続ければ、それは100点対60点×30日=1800点で1700点の差です。


やっぱり結果を出し続けること。
小出しでも良いので、何か成果を生み出すこと。

毎日60点でも良いと思います。何なら10点も良いのではないでしょうか。
1年かけて100点になれば良いでしょうし、それが1か月に短縮することが出来るのであれば最高です。


とにかく、何かをアウトプットすること。
そしてそれを形にすること。

そうしないと、何も変化しません。



最近、良い本を読みました。
「王の道」という本です。

王貞治氏に関して書かれた本です。

読売巨人軍の選手としての王貞治氏。
読売巨人軍の監督としての王貞治氏。
ホークスの監督としての王貞治氏。

それぞれが描かれています。



特に異質というか、強烈なインパクトを放っているのがホークス監督時代です。

当初は期待の監督としてダイエーホークスに就任するのですが、南海ホークス時代の負け癖が身に付いているため惨敗に次ぐ惨敗。

果てには、生卵事件で有名な「ファンに生卵をぶつけられる」事件まで勃発。


「俺はこんな仕打ちをうけるために、福岡に来たんじゃない」
「我々が卵を投げ返すのは簡単だが、これをファンの意見と取るならば、勝つ事しかないんだよ」


という言葉をしたことは有名です。



では、なぜダイエーホークスは弱小から常勝に変わったのか。
それは王貞治氏が「世界の王」から「ダイエー監督の王」に変化したからだと本には書かれています。



「世界の王」として、練習することはプロとして当然のことでした。
練習に次ぐ練習を重ねて、結果を残すことこそがプロであり、またその証。

だから練習をしない選手には叱責し、結果を残せない選手を罵倒しました。
初めのうちは潮らしく聞いていた選手も、そのうち諦めの境地に達してしまいます。

「どうせ、おれたちはダメだよ」
「どうせ、世界の王には敵わないよ」

これが組織文化として定着している会社に根付くと、最悪です。



選手は結果が出せない→監督が罵倒する→選手は諦め、練習をしなくなる→監督が叱責する→モチベーションスパイラル



こうなると、どうしようもありません。

勝ちに拘れば拘るほど、負けてしまう環境をして、王監督はそれでも、

「俺は辞めない」
「我々は勝つしかないんだ」

と言い続けました。


自分は勝ちたい。
しかし、選手には勝ちたいという気迫に欠ける。

選手は勝ちたくないのか?
いや、そうではない。
本当は、きっと本心では勝ちたいと思っている筈だ。

ただ勝ちの喜び、楽しみを味わっていないから「何としても勝ちたい !!」という執念でなく「勝てたら良いなぁ !!」という希望しか持てないのだ。

勝ちの喜びを味わって欲しい。
しかし、それを知るためには、今の環境から抜け出さないと無理だ。

だが、選手は今の環境に満足し、ぬるま湯から抜け出せないでいる―。



王監督がしたことは何か?

選手をぬるま湯から熱湯に放り込み、急激な変化を促したのではありません。
王監督自ら「ぬるま湯」という組織に浸かったのです。

「ぬるま湯」を沸かす薪を手にもって。



つまり、「世界の王」から「監督の王」に自らが変化したのです。

気軽に選手に触れ合い、話し掛けた。
選手の息遣いを感じ、選手の悩み、汗、涙を全身で受け止めた。

もちろん、1日1日と「ぬるま湯」に薪を入れることを怠らずに。



熱湯経営という本が、一時期、ブームになりました。
それもありだとは思います。

しかし、TPOがあります。


熱湯経営を行えるほど全社的に危機感を共有し、それを行える大義名分が存在し、それが実行出来る責任ある人間でないと、間違いなく失敗します。



王貞治氏は、一番大切な「危機感」を共有できていなかった。

どうすれば良いか?
少しづつ、改善していくしかないのです。


そして彼は真っ先に変えるものとして「自分」を選択した。

組織でも、部下でもなく、自分です。
自分が変わらなければ、部下は変わらない。

ましてや、自分がいる「組織」も。



変わらなければ、昨今の変化に間違いなくついていけません。

「変化に対応していこう!」

ではなく、

「変化を促そう!」

という方向性は解ります。
しかし、その変化に「自分」は入っていますか。


自分だけは変わらなくてもよい。
そう思っていたら、部下全員が「自分は良いやろ」と思うに決まっています。


変わるときは、まず自分から。


「ぬるま湯だから、そこに入るのは迎合だ!」


というのは正論です。
しかし、正論がすべての良い結果を生むとは限りません。



ぬるま湯に浸かるのなら、湯を沸かす薪を持てば良いのではないでしょうか。



一番最初に言った、毎日結果を出し続けるということは、出し続けることで「何か1週間前と変わったことはないか」変化に気付くことです。

1日10センチでも、10日建てば1メートルです。



ちょっとずつの変化でも良いではありませんか。
さぁ、まずは自分から変わりましょう!!