永遠の満月 | それもまた良し

それもまた良し

関西のとあるベンチャーで働くSEのブログ。

日々のインプットから、アウトプットを定期的に行うことが目標です。主に組織論やドラッカーの話題が中心ですが、タイトルにもあるように「松下幸之助氏」のような互助の精神を持ち、社会人として成長出来る事が最大の目標です。

今日も定時帰社。
遅くまで仕事している人を傍目に、帰ります。

いつも、
「お先失礼します。お疲れします」
と言って帰るんですが、あまり誰も「お疲れ様です」って言わないんだな。

なんだよこいつ、先に帰りやがってと思っている人がいるのだとしたら悲しいです。
残業が常態化しているウチの会社なのですが、決められた時間(8時間)の枠内で決められた仕事(上長からの指示で与えられた仕事)をこなすことは当たり前です。

決められた枠内をオーバーするということは、仕事の量が多いということであり、それは上長の責任。
もし本人に仕事をこなすことが出来ないのだとしたら、それも上長の責任。

決められた枠内に収まるように、仕事を与えた人を見守り、時には実践して見せてやらないといけないから。


そう思って、たまに他の同僚や上長に言うのですが、凄く怪訝な顔をされます。

「いや、時間内に仕事を終えない俺が悪いんや」
「8時間以内に終わる仕事の量じゃないから」

と言うのだったら、まだ良いのですが、

「これぐらいしないと成長しない」
「仕事は質だけでなく、量でも決まる」

と言って憚らない人がいて凄く困っています。
その割には会社の利益は上がらないし、何だったら赤字事業部はあるもんですから、

「どれだけ成長のためと言って仕事をしても、赤字なんだから、残業自体、害悪だよ」

と言ってしまうのですが、まぁ、そういう性格が幸いして、社内では嫌われ者です。
理解者は4人か5人ぐらいでしょうか。



だからなのですが、僕自身は凄くベンチャー企業が嫌いなのです。
(じゃあ、なぜベンチャー企業で働くのか、という突っ込みは無しにして下さい)

仕事で成長しよう! という雰囲気や考え方そのものに、一種の嫌悪感を感じてしまう。


確かに仕事は、自分を成長させるものだと思うですが、仕事が全てではありません。
他のツールでも自分を成長させることは出来るし、逆に成長した自分を仕事に落とし込むことが出来る。

つまり、僕にとっての仕事は「すること」なのではなく、あくまで「結果を出す場所」でしか無い。
「確かに仕事は、自分を成長させる」と書いたのは、RPGで言えば結果を出した対価として経験値を得ているから、それをもって成長はする、という意味です。

しかしRPGでも敵に敗れれたり、敵から逃げたりすれば、経験値は得られませんし、龍が如くのような経験値を得て、その経験値を「自分の能力に注入しなければ成長出来ない」場合もあると思います。

なので仕事で成長出来る、とは一概に言えないはずなんです。
それを知ってか知らずか口にしている経営者―ベンチャー企業に多いのですが―は、どうも従業員を消しゴムかライターのように消耗品扱いしている気がするんですよね……。


じゃあ、仕事って何? と言われたら、やはり結果を残すフィールドです、としか言いようがない。
そして「結果」と言えば、それは「売上」であり、「市場に対する影響」「顧客満足度」だと思います。

いわゆる、近江商人の三方よし、ですね。
会社良し、取引先企業良し、世間良し。

さらに会社に落とし込んで言えば、自分良し(労働者)、会社良し(資本。使用者じゃないよん)、雰囲気良し、になると思います。

まず自分が満足して働けて、それを会社の良い結果に繋げ、その相乗効果で雰囲気が良くなる。
そこで初めて本当の意味で、「会社良し」となる。



そういう意味で、ある意味、仕事で自分を成長するって言うのは、会社にとっても失礼ですし、自分も勿体ないと思うんですよね。上にも書きましたが。

それだけじゃないです。
仕事から学ぶことはあるかもしれない、しかしその「仕事から学べること」って言うのは、あくまで自分―会社―雰囲気の三方でしか活きない訳です。

言い方を悪くすれば、普遍的で無い、一部でしか使えない労働力に尽くすことにしか他ならない。
まるで地元商店街でしか使えない500円券を獲得するために労働しているようなもんではないでしょうか。


もし、このブログを読んでいる人で「いや労働というものは普遍的なものだから、A社で働いて得た労働力を全てB社で活かせることが出来る!!」と思うのだったら、まず今働いている会社を退職してすぐに転職して、証明して欲しいと思っています。

ま、物事の立証責任は全て起案者にありますから、これを証明するのは僕ですね(笑)。
どうやって証明しましょう。

なかなか転職できないことを証明?
それじゃあ、ダメ人間の証明になってしまいますね(笑)。



結局、自分が成長するために、どうしたら良いか?を突き詰めると、24時間365日成長を考えるしか無い。
月が満月であり続けるために、満月であり続ける方法を考えること。
それしかないです。

(禅問答みたいですが)

会社だけで成長なんて勿体ない。
自宅でも資格勉強や実習など、色々出来る筈です。

そして、それこそ「A社で働いて得た労働力を全てB社で活かせる」ための時間だと思います。
普遍的な労働力であり、ある意味では「ナンバー1」「オンリー1」になるための実習、でしょうか。

これを会社で活かす。
結果を残す。
経験値を得る。
より深い普遍的な労働力や、先進性のある実習を行う。
会社で活かす。
結果を残す。

この繰り返しが、大切かな、と最近は思っています。



もっとも、これが出来れば苦労はしないと思います。
月は基本的には月です。丸いです。真ん丸です。

ではなぜ、欠けるのか。
地球が回っているからであり、太陽が照らしているからですよね。

満月であり続けるためには地球の回転に合わせて、太陽の光を浴び続けなければいけないからです。
並大抵の苦労では出来ません。

というか、これを実際に月がやろうとしたら、自然界の法則に反すると思います。



だから、結局、言いたかったことは、永遠の満月なんて存在しない、ということなんです。

光を浴びない時もある、地球の回転に付いていけない時もある。
それでも月は満ちたり欠けたりするものなんですよ。

やるという心掛け、熱い情熱で自分という月を照らして下さい。
しかし上手く行かない時もあります。

その時に遮二無二頑張って結果が出ない時もあると思います。
それは、しゃあーない。それも、また良しです。



……あ。
だからと言って、前半にいった部分を諦める。

そういう人も、僕は嫌いです。