お試しにはいいかも・・・

 

ケータイWatchの記事に、 楽天モバイルの「Rakuten Mini」が1円に てのがありました。

 

楽天モバイルは、オリジナルのAndroidスマートフォン「Rakuten Mini」1円で販売するキャンペーンを開始したそうです。記事によると・・・

 

Rakuten Miniは手のひらにすっぽり収まるコンパクトなスマートフォン。今回のキャンペーンでは、期間限定で1円という価格(通常2万1800円)で販売されることになった。1円で購入できるのは、期間中、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」へ申し込み、同時にRakuten Miniを購入するユーザー。新規、MNPでの契約のほか、楽天モバイルのMVNOやユーザーも対象。いずれも「Rakuten UN-LIMIT」の料金1年間無料対象者に限られる。購入できるのは1人1回限り。なお、無料サポータープログラムからのプラン変更は対象外。

 

だそうです。「Rakuten Mini」に関しては、本ブログの 楽天モバイルからeSIM対応の独自スマホ「Rakuten Mini」が登場 とのエントリーにてご紹介していましたので、端末の詳細はそちらをご覧いただきたいのですが、現在の楽天モバイルには以下の2つの問題があると思います。

  1. エリアの問題
  2. 端末の問題
エリアの問題は現在は東名阪地域のみでの利用となるため、それ以外の地域での利用は見込めないことです。この問題に関しては一朝一夕でどうにかなる問題ではないので、時間をかけて対応していくしか方法がありません。
 
もう一つの端末の問題は、現状で楽天モバイルを利用するには、実質、楽天モバイル対応端末を購入する必要があるということです。
 
楽天モバイルを利用するためには、総務省から割り当てられたBand 3 [1.7 – 1.8 GHz]とローミング先のauのBand 18 [800 MHz]に対応した端末が必要となるわけですが、この2つのバンドに対応しているからと言って単純に楽天モバイルが利用できるようになるかというとそういうわけでもありません。
 
いい例がiPhoneです。楽天モバイルによると最新の iPhone SE (第2世代) でも利用できるのはデータ通信、通話、SMS(楽天回線)のみで、接続回線の自動切替(楽天回線⇔パートナー回線)やSMS(パートナー回線)やETWSは利用できない状況です。
 
御存知の通り、iPhoneはグローバル端末ですので、多くのバンドに対応しています。前述のiPhone SEも
FDD‑LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66)に対応するなど非常に多くのバンドに対応しています。しかしながら、楽天モバイルでは動作保証対象外端末となっています。
 
このように楽天モバイルが正式に対応を謳っている端末以外はフルサービスを利用できない状況です。ですので、多くの場合は楽天モバイル用に新たに端末を購入しなければならないのが現状です。
 
東名阪でしか使えず、地下やビル内などの奥まった環境の場合、auのローミングになるなど何かと制約の多い環境での利用にならざるを得ないサービスに対して、新たに端末を購入してまで移行したいと思われる方がどれだけいるのかというとかなり疑問です。
 
確かに1年間無料で利用できるなどの利点はあると思いますが、それでもこれだけの制約があるとメイン端末として利用したいと思う方はそんなに多くないでしょう。
 
前置きが長くなりましたが、そういった新たに端末を購入してまで利用したくないと思っている層に対してのアプローチが今回の「Rakuten Mini」のバラマキ戦略なのだと思います。
 
端末もほぼ無料、利用料も1年間タダであれば、利用者にとってリスクはありませんので、メイン端末としての利用ではなく現在利用している回線に加えて、サブ回線としてのお試し利用の需要を狙っているのでしょう。
使えないと思えば、1年間利用した後に解約すればいいわけですから。
 
「Rakuten Mini」は小さいながらも「おサイフケータイ」に対応していますので、おサイフケータイ専用端末としての利用にもいいかもしれません。
 
今回は、言ってみればマスに向けた「お試し」需要を狙ったものだと思いますが、同時に既存の楽天モバイル(MVNO)へのユーザーに向けた施策も実は本日行われていました。
 
中の人は現在楽天モバイル(MVNO)のユーザーなのですが、今日 【通話SIMご利用者限定】Galaxy A7本体代がほぼ全額返ってくる! との件名のメールが来ていました。
 
Galaxy A7という端末(一括価格18,700円税込)の端末を購入すると、18,699円相当のポイントを還元するという内容でした。つまりGalaxy A7を1円で購入可能ということです。こちらは「Rakuten Mini」と違い、エントリーレベルとはいえ、普通に利用可能な端末ですから非常に気になるオファーではあります。
 
こちらはより移行しやすいであろう既存ユーザーへのインセンティブですので、より具体性の高い端末でのアプローチですね。
 
このように楽天モバイルとしては、少なくとも「端末の問題」が移行の障害となっているユーザーに対してのアプローチを積極的に行うことにより、ユーザー獲得を進めたいという戦略のようです。
 
恐らく、一般ユーザーに向けたさらなる施策も用意していると予想しますので、6月の楽天スーパーセールあたりにはより魅力的な施策が打ち出されてくるのではないかと思っています。中の人も、6月はスマホ移行の契約時期でもありますので期待して待ちたいと思います。
 
しかし、「Rakuten Mini」を定価で買った方の気持ちを考えるとナントモ・・・