まずは「CHAPTER1…『スポットライト 世紀のスクープ』の魅力を振り返り!」から…
今回は「CHAPTER」の内容に沿った、細かな項目がクレジットされていて
最初は「映画を観始めた時に感じた、この映画のただならぬ雰囲気」
甲斐さんは「まあ、あのー…これ、冒頭のシーンが、この映画すごくて…
あのー、神父にイタズラされた子供の親をですね
えー、その地区の司教と地方検事補が、えー
『必ず問題の神父を他に異動させるから』と説得するところから始まると…
イヤイヤイヤ、何が始まるんだろう?っていう感じだったんですけど、僕、この映画観て…」
…と、おっしゃってましたが「グリーンブック」をおすすめになった時も
「この映画の何が良いかっていうと、1962年のニューヨークで
ボビー・ライデルが、コパカバーナで歌うシーンから始まる導入部が素晴らしい
そこで働くトニーが、客を殴る展開からも
60年代前半の雰囲気と、その臨場感がよく伝わって来る」…と話されていたし
折に触れて、ビリー・ワイルダーの言葉…「正面玄関のドアを普通にノックして人が入って来る
そんなオープニングの映画を誰が金を払って見るんだ
バスルームの窓をいきなり開けて人が入って来る、そういうものに人は金を払うんだ」
バスルームの窓をいきなり開けて人が入って来る、そういうものに人は金を払うんだ」
…を挙げておられるし、いつも斬新な切り口を提示なさるような方って
「ツカミはOK!」な作品に敏感でいらっしゃるのかも知れませんね?(笑)
ともあれ…「で、あのー、バロン(ボストン支局長)の指示で、徹底的に調査を始めて…
えー、まっ『スポットライト』のチームがですね
それで、結果的に、あのー、各地区の神父の約6%の…実は、小児性愛者だということが判明して…
ということは…まっ、そこに1500人、神父がいるんで…ということは90人、割合が…
実際、その内87人が、えー、事実だっていうことが判明して
これ、トンでもないことだっていう風に…
そこからもう、事件がガンガン回り始めて
やっぱ、スゴイ映画にブチ当たっちゃったなっていうのが、僕は、一番最初の感想で…
こんなに緻密に、しかもあの…各シークエンスごとに
ホントにこう…むちゃむちゃイイ役者のキャスティングしてるんで
まあ、やっぱりそれが、よりリアリティを増して行くという風になってますよね」
…って、甲斐さんは、映画をご覧になる前に「あまり予備知識を入れない」そうだし
そのぶん「スゴイ映画」ということを、より強くお感じになったんじゃないかと…?
もっとも、ご自身は「セトリ予告アルバム」をリリースなさってましたけど…(笑)
次の項目「印象に残ったシーン」に挙げられたのは
「レイチェル・マクアダムス(演じる記者)の信仰心が強いおばあちゃんに
彼女が書いた記事を見せるシーンが、途中にあって…
で、それを読んだおばあちゃんが、読んだあとに
『水を1杯ちょうだい』って言うんですよね
もう、あそこがね(胸が)締めつけられる…
で、あと、あの…もう1人、記者…男性の記者の自宅の近くに
やっぱり、その問題になった神父とかが寄り合う、問題の家があるっていうことが判明して
そこを写真に撮って、で、冷蔵庫に貼りつけて
『この家には寄りつくな!』って言って…あの…書いて
子供たちには…見るように冷蔵庫に貼りつけるシーンもあるんですけど、それもね
しかも、彼は、あの…その内ガマン出来なくなって
マイケル・キートン(編集長)に『家族にみんな言っていいか?』って言ったら
『イヤ、記事が出るまでダメだ』っていう…
そういう、その…ホントにこう…隣り合わせの恐怖と闘ってるっていう
そういうところが、ホントこう…リアリティがあるというですね」…という2つのシーンでしたが
どちらも「スポットライト」のメンバーの家族に関わるエピソードであり
どちらの記者も、記事を世に出すまで、自分たちが調べた
恐ろしくて、胸が悪くなる事実を大切な人に告げることが出来ないという状態に置かれた訳で
その間の焦りや葛藤はいかばかりかと想像すると、いたたまれない気持ちになります(汗)
もっとも、このおばあちゃんには、長年信じて来たものが
夢にも思わなかった形で崩れてしまうという試練が与えられて、気の毒どころじゃないんですが
冷蔵庫の記者が、ようやく記事になった新聞を
配達されてすぐに、件の家の玄関先に置くシーンにはスッキリしました
更に、甲斐さんは「まあ、あのー、ラストシーンで
あのー、何年も何年もこの手の活動をやって来た、アルメニア人弁護士が…の所に
やっぱりイタズラされた幼い子供を連れた母親が訪ねて来て、弁護士事務所に…
で、その弁護士が一息ついて…で、ドア、バン!と開けながら
明るい声で『ハーイ!』って言うところで、この映画終わるんですけど
ということは、まだこの問題は終わってないんだ、続いてるんだ…というね
しかも、そのシーンのあとに、世界中で…
この問題が起きた各都市の都市名を全部(エンドロールの前に)羅列して行くと…
で、それで、この映画終わって行くという…
まだ…まだ終わってないんだ、まだ続いてるんだ…っていうことですよね」と指摘なさってましたが
正確には、この映画のラストは、ついに世紀のスクープが世に出て
その記事に対するクレーム処理のために手配していた電話は鳴らず
「スポットライト」の編集部に、被害者からの
電話が殺到するというシーンだったし
これまで声を上げることが出来なかった人々が
この記事をきっかけに…という流れからしても
その後「スポットライト」が、600本もの記事を書き
249人の神父が告発され、被害者は千人に及んだ…とのクレジットを見ても
あの都市名の羅列は、氷山の一角かも知れないと思えるくらいでした(汗)
そして「CHAPTER1」の最後の項目…
「『スポットライト』のチームが世界に与えた影響について」
「わずか…ボストンからの小っちゃな記事が、そこまで広かったっていう…
ナンか、僕、たぶん…この映画観て、そこまで想像をして欲しいなあって
すごく思いました、ナンか…」と甲斐さん
「あの世界中の問題がある街が全部、都市が全部出て来てっていう…すごい数だなって思ったんで…
叫びみたいなことをちゃんと自分たちで受け止めながら
それを広く世の中に知らしめるぞ!っていう根源は、怒りじゃないですか
その怒りみたいなことを、ずーっと抱え込みながら
ずーっとやってたんだと思うのね、この記者たちは…
わずか4人ですから…『スポットライト』のチームってね
それ、4人があれだけ綿々にスゴイ記事を書いて、延々ずーっと出し続けたっていうのは
やっぱりもう称賛されることですよね?素晴らしいと思います、ええ」と結ばれてました
余談ですが…奥さんは、この作品を見始めた途端
甲斐さんの影響で愛読していたロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズが
ボストンを本拠地にしていたことを思い出したらしく
まず「ボストングローブ」という紙名に食いつき(笑)地名や街並みにイチイチ反応(笑)
果ては、グローブ社の面々が野球観戦するシーンにクスクス(笑)
奥さんの「いつか行ってみたい街」のランキングに変動があったようです(笑)