帰って来た令和のシビレる言葉4 | ボクの奥さん

ボクの奥さん

ボクの奥さんは、半世紀に渡る甲斐よしひろさんファン。このブログは、主に彼女の『甲斐活』について綴っております。

甲斐さんが「LEGENDS」で、志村けんさんが亡くなられたあとに
「『風俗刑事』とか、ずっとやってまして
浜ちゃんが、志村けんさんをパンパンハタいてるという
なかなか観れないものも入れて…すごい懐かしかったんですけどね
えー、僕、一応、あまりに良かったんで
そのあと、あの…浜田さんに電話を入れまして…」と話されてましたが

その志村さんは「常識を尊ぶ」方だそうで
「常識を退屈な『マンネリ』だとバカにしていると、常識を超えたことも出来ない
飽きられないマンネリ、日々新たなマンネリというものがあるんだ
だから『常識人の変な人』を目指して来たんだ
マンネリをフレッシュに保つには『下ごしらえ』が大事
やっぱりプロは、下ごしらえもプロじゃなくちゃダメじゃないの」…と話されていて

「基本やスタンダードをないがしろにした異端なんてないからね」とか
音楽家というもの、音楽以外は知らなくていいっていう音楽バカはおかしい
もちろん、その仕事に関してはエキスパートであり
プロフェッショナルでなくてはならないけど
ロッカーがロックバカだけでいい、なんてあり得ない
はっきり言って、それは甘えだからね」という甲斐さんの言葉を思い出しました
「甲斐バンドのライブは予定調和」とよく口になさるのも
プロとしての下ごしらえが万全でいらっしゃるからこそかも知れませんね?

エッセイストの平松洋子さんの著書「そばですよ」に登場する
立ち食いそば店「ファミリー」の女将さんは…
「当たり前のことをちゃんと続けるっていうのが、何でも一番大事なんじゃないですか
下ごしらえや手入れをしたり、仲間の食事を作ったり
職場の環境を整えたり、特別なことなんて何もないの」…とおっしゃっているし

福岡の惣菜店経営のご夫婦は、多業種の人々がコロナ禍の日々を綴られた
「仕事本 わたしたちの緊急事態日記」に
ご近所の居酒屋さんの大半が休業を余儀なくされる中「お酒の飲める惣菜屋」として
「地道に惣菜や弁当を作り続けて来たことが今は生きている。地味なことは打たれ強い」
…と記されていて、日々の暮らしをこつこつと積み重ねることが生きる力になるんだなあと…

一方、同じ「仕事本 緊急事態日記」の中で、尾崎世界観さんは…
「コロナ禍の中、生活までテレビの再放送番組のようになっている
自分の今日も昨日の再放送だなんて悲し過ぎる」…と嘆かれ
「慣れない腕立て伏せなどして、ぷるぷる震えて」おられる(笑)と書かれてますが

この尾崎さんの日記文について、鷲田清一さんは…
「今日が昨日と違うのは、人であれ感覚であれ
そこに思いがけない触れあい(コンタクト)が挟まるから?
ちなみに、コンタクトと『偶発性(コンティジェンシー)』は
同じくラテン語の『触れる』に由来する」…とおっしゃっていて
物理的にも精神的にも何らかの刺激がないと、月日の感覚がなくなってしまうというのは
別にコロナ禍のステイホームに限ったことではないんじゃないかと…?(苦笑)

ちなみに、作家の筒井康隆さんの著書「現代語裏辞典」の「緊急」の項目には…
「~処置、~事態、~逮捕、~避難のように用いられるが
たいていはうろたえていて大事や失敗に終る」との説明が…(笑)
他にも「募集」には「まず詐欺を疑うべし」とか(笑)
「適材適所」には「気に食わない奴が左遷された時の憎まれ口」と、流石な説明が記されてます(笑)

それはともかく…吉村喜彦さんの「二子玉川物語」の中で
寿司屋の娘婿になるも、大阪生まれなので
「どうしても江戸前のシャリにならない」と、バーでこぼす職人に
そのバーの常連客が「『寿司通』に好かれる優等生になどならなくていい
自分に嘘ついてると、どんどん歪んでくる」とアドバイスする件があり

「魂無しに売れ線だと思って(曲を)作って、それでコケたら本当に自分がダメになるよ」とか
「ロックを歌ってるけど、生き方がロックじゃなかったら恥ずかしいよね」
…とおっしゃっていた某ミュージシャンの方のお顔が浮かびました(笑)

そのミュージシャンの方がお好きな「孤独のグルメ」シーズン3の第2話で
井之頭五郎さんが、ある中華料理店に入り
「豚で白い飯。直球勝負だ」と心を固めたにも関わらず
店内に漂う焼きビーフンの匂いにそそられてしまう自分に
「誘い球に手を出すと軸がぶれる」と言い聞かせるシーンについて
鷲田さんは…「一回一回を大切に思うなら構えを崩さない。邪心は禁物」…と記されてるんだけど

色川武大さんの「うらおもて人生録」の中の言葉「9勝6敗を狙え」にも
「高校野球なら、毎試合全力を投入しないと次に残れないが、プロの勝負は通算で決まる
人生も同じで、何もかも上手く行く訳はないから、どこで勝ち、どこで負けるかが肝要となる
そのためには『これを守っていれば勝ち越せる』というフォームを見つけること
実生活では形勢が読み難いから、余計にフォームが大事になる」と書かれていたなあと…

ライターの津村記久子さんも…「方言使う賢い人が一番怖い、最強やなと思います
中央との距離を意識して『小細工』するのはみっともない
中央との関係で自分を測るのは、評価軸が自分の内にないということ。だから、足許がもたつく
正しいことを正しいと地声で言えないと、生き方も浮わつく」…と話されていて
「構え」「フォーム」「軸」と言葉は違えど
自分なりのスタイルや価値観、ものさしは確立していないとダメってことですねぇ…

かの志ん生師匠から受け継がれた「『一門の教え』のようなもの」として
五街道雲助さんは「『なんでもいい』。でも『どうでもよくはないんだよ』」を挙げられ
ご自身の師匠であられる十代目・金原亭馬生さんも、稽古をつけて下さる代わりに
「『人にどう思われてもいいが、ひねくれや投げやりはダメ』とだけ言われた」…と明かされていて
「こうしなさい」ではなく「これだけはするな」と告げることによって
本人の選択肢を広げるという懐の深いやり方だなあと…