昨日面白い出会いがありました。
滋賀県で活動している劇団「かいつぶり」の女優井本利美さんが、上越を訪ねてきたのです。
彼女は、有馬稲子さんがかつて演じた一人芝居「はなれ瞽女おりん」を自らも上演しようとしています。有馬さんのテープを幾度も聞いて稽古を始めたとのことですが、どうもその語り口≒方言が高田の瞽女さんらしくない、自分は可能な限り高田言葉で演じたいと考え、瞽女さんへの造詣が深い小川善司さん、高田言葉CD「おまんた」の監修を行った有沢栄一さん、松川太賀雄さんにたどり着き、高田言葉の教えを請いに500キロもクルマを走らせてやって来たという訳です。
処は高田小町のお茶室。お三人とおまけの滝沢の指導のもと、本をなぞりながら高田言葉を伝授する稽古が始まりました。
ところが井本さんはこてこての関西人、どうしゃべっても関西弁のイントネーションが抜けません。そこで有沢さんの苦肉の策で、単語だけ高田言葉に替えることとしたのです。
午後2時に始まった本読みはなんと8時間にも渡りました。
満月にほど近い青い月が昇り、軒先を超え、空高く上がる頃まで続いたのです。
と言っても、私は午後6時ころ、私用で抜けてしまったのですが。なんと有沢さんらはやり通し、本をすべて読み通したそうであります。
お三人の体力気力に脱帽です。
井本さん、良い芝居になることをお祈りしています。