寂しき春 室生犀星 越後の山も見ゆるぞ | 地方都市は死なず! 滝沢いっせい ブログ爽創通信  *09016693890*kpissey@rf6.so-net.ne.jp*

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上越市議会議員滝沢一成のブログです! 日々感じたこと、考えたことを、できるだけ素直に書いてゆきます。
滝沢一成のテーマは「雪」「老い」「貧困」、これらを追及します。

今日はオフ。

好きな詩の掲載でご容赦。犀星は金沢の人、この詩はどこで書いたのか。

越後の山が「見ゆる」ところ・・・




 寂しき春        
  
   したたり止まぬ日のひかり
   うつうつまはる水ぐるま
   あをぞらに
   越後の山も見ゆるぞ
   さびしいぞ


   一日もの言はず
   野にいでてあゆめば
   菜種のはなは波をつくりて
   いまははや
   しんにさびしいぞ




小景異情



ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや


ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや




犀星という筆名は、故郷金沢の犀川の畔に生まれ育ったことからと言われる。犀星はその川と山々の景色とを愛しながら、ほとんど故郷に戻ることなく、その写真を書斎に飾っていたという。


越後の山の向こうに犀星の古里の山がうすぼんやり見える。

私は今、その越後にいる。「遠くにありて思は」ずに帰ってきた、私の古里にいる。

ひとりで。