上越文化会館創立30周年記念の市民創作音楽劇「くびき野の歌」が、3月13日、14日の二日間上演されます。
台本、杉みき子さん。総合監督、上野正人上越教育大学准教授。作曲、阿部亮太郎上越教育大学准教授。技術スタッフを除く、ほとんどすべてが上越市民の手で創作されます。
くびき野、とくると、美しい自然、四季のうつろい、冬の厳しさ、春の歓び・・・がすぐに頭に浮かびますが、トトロのように、「都会から来た少女が、豊かな自然、温かな人々に囲まれながら、不思議な者たちと出会い、幸せを掴んでいく」そんなステロタイプなものにはならないでほしいな、と思っていましたが、資料を読む限り、ちょっとそのようなにおいがして、ほんの少し心配です。
こういうストーリーは、ドラマの世界では「天使もの」あるいは「堕天使もの」といわれています。よそ者が、閉鎖された土地にやってきて、そこに住む異文化の人々と出会い、軋轢を重ねながら、やがて幸せをもたらす、あるいは幸せになるストーリー。この「よそ者」が天使にあたるわけです。ドラマの王道ですね。流れ者のカウボーイが悪徳牧場主から農民たちを救って去っていく「シェーン」やモハベ砂漠にやってきたドイツ女がモーテル暮らしの人々の荒んだこころを癒す「バグダッドカフェ」などがその典型です。
そういうカテゴリーであっても、くびき野ならではの、新鮮な、また私たちに近しい物語になる事でしょう。純真な子どもたちはもちろん、心がちょっと汚れてしまった大人も、清らかな思いをもう一度甦らせることができるそんな音楽劇を期待しています。
いまから楽しみにしています。スタッフ、キャストの皆様、頑張ってください。