★小説ブログ (76)★ | KAZUKI✳blog

KAZUKI✳blog

小説家のブログ

小説ブログのKAZUKIです😉

小説ブログは連載に限る☝が信条❕   

今夜も書きます📝

連載作品はラブホラーVOiCE」😱    

読んでみて下さい。よろしく👋

 

 

VOiCE (53)

 

by KAZUKI

 

 

 

「マジかもな。ミカリなら、然もありなんだ。珂怜!間違っても彼女に殺されたりするんじゃないぞ。ま、その時はこのオレがついているが……」

珂怜は、いっぺんに眠気が吹き飛んだような丸い目でシュージの顔を見た。そしてよろける足で彼の肩に寄り添い、怖っと小声を漏らす。二人のアパートは、路地を二つ隔てているだけである。シュージは、珂怜を彼女のアパートまで送ると自室に向かった。そして独りになると、ミカリのことを考えた。

この先も彼女は、また珂怜の身辺に近づこうとするだろうか?もちろん珂怜にも生来の並外れた能力があるのだから、さほど心配の必要はないのかも知れない。しかし原因は何であれ、ミカリは明らかに心を病んでいた。両親の突然の死による幼少期のトラウマを考慮したとしても、彼女のその狂気ぶりは遥かに程度を超えたもののようだ。当然何か対策を、講じなければならないだろう。

その夜シュージは明け方まで作品の執筆に手がつかなかった。どうすれば良いのか?ミカリの心は、もう救いようのないものであるのか?シュージは、独り思い巡らせた。何か、良い手だてはないものか?お互いが、仕合わせに収まる妙案は?うつらうつらしている内に、東の空が白白と明るくなって来た。

 

つづく