初体験
そこに愛はあるのか!?
合同コンパ、略して合コン、コンパ
ところでタイトルに騙された人おる?
騙されたあなたは・・・
「むっつり検定準2級」を進呈
多くの方がこの競技に望み
栄光を勝ち取った者、挫折を味わった者
悲喜こもごもあっただろう・・・
そんな魅惑の初コンパの思い出。
当時の僕は高校を卒業し、
ピカピカの大学生となっていた。
嵐のような高校生活が去り
ようやくある種の自由を勝ち取った
開放感と高揚感で舞い上がっていた時期である。
なんたって高校時代は
男子のみ、授業数過多、成績至上主義という
3重苦に苦しんでいたのだ。
その箍(たが)が外れた僕は
そりゃ、走り出しますよ。
我を忘れて走り出しますよ!
犬井ヒロシのように「自由だぁあー!」と
叫ばずにはいられない。
酒を覚えたのも煙草を覚えたのもこの時期。
遅れてきた青春みたいなものだ。
女性関係は芳しくなかったので割愛させていただく。
うう、涙で前が見えないや・・・
話を戻して初コンパね。
多分、初やと思うんやけど友人Sに
「俺にコンパってもんを味あわせてくれ!」と
懇願し開催してもらったように思う。
記憶が曖昧で初かどうかが
イマイチ分からんがまぁいいだろう。
どちらにしろかなり初期のはずだ。
布陣はこうだ!
男性陣「僕、友人S、友人Sのバイト先の後輩、先輩」
女性人「看護学校に通う3人娘」
んん!?
すでに面子が合っていないではないか・・・
なんたる誤算。
しかも男性陣で僕が知っているのは
友人Sのみというなかなかデンジャラスな布陣。
まるで僕は海外組で緊急招集された気分だ。
これではアイ(愛)コンタクトによる意思疎通が出来ず
中○英寿のようにやるせない気持ちになってしまう。
よく言うではないか。
団体競技においていくら個人プレーが優れた者でも
チームプレイが出来なくては意味を為さない、と。
さらにオシム監督はこうも言っている
「走れない選手はいらない」
つまりこれは
「喋れない面子はいらない」
なんとサッカーもコンパも本質は一緒なのだ!
まま、僕のコンパ技能が優れているかどうかは
置いといて、これではお話にならない。
ましてや、僕にとっては嬉し恥ずかし初体験、
つまり未体験ゾーンであり代表初召集なのだ。
勝手なことを言うようだが
どちらかと言えばむしろフォローして欲しい身分である。
そうは言っても時間は待ってくれない。
コンセントレーションを高め決戦の場へ。
「かんぱーーい!」
若者らしく元気一杯乾杯を交わす。
一通り注文を終えると
自己紹介の儀式が厳かに執り行われる。
これは今でも緊張する一瞬だ。
残念だがなんと自己紹介したか
さっぱり覚えていない。
おそらく小中での新学期でするような
すっごいどうでもいい変哲のない
自己紹介に終始したことだろう。
自分で穴を掘って穴に入りたい・・・
や、今でも大した事は出来ませんがね。
100m競争のスタートでずっこけたかの如き
甚大な遅れを取ったものの
中盤以降は酒の勢いも借りつつ
なかなかいい雰囲気で盛り上がったように思う。
覚えたての一気のコールも織り交ぜながら
ぐいぐい酒はすすんでいく。
ますます気分は良くなりヒートアップ。
今なら過去の僕に「なぜコンパに一気を採用したのか!」と
叱りに行ってやりたい気持ちで一杯だ。
ここに落とし穴が・・・
僕はまだ酒の覚えたて、ピカピカの一年生だ。
当然、限界酒量など把握していないに等しい。
宴もたけなわ・・・
さぁ、ここからのツメが大切だ!
エースストライカーなら結果を残せ!!
・・・
ガクリッ・・・
僕はキレイに顎へのパンチをもらったかの如く
ストーンと眠りに落ちた。
「全く見てらんねぇよ、過去の僕よ。」
書いてる今でもこっぱずかしい・・・
もしこの様子が撮影されていて公開されたとしたら
僕は死を選びかねない。
まま、こんなことを今の僕は偉そうに書いているが
「大して変わっていない!」というお叱りを
98%ぐらいの確率で受けそうである。
友人Sの肩を借り、なんとか高槻まで無事
帰還する事に成功した。
楽しかったが収穫のない初コンパであった。
そしてその後も収穫を得ることが
特になかったことは内緒だ。
勇者は誰だ!?
はい、僕です!
そいやー!
ドドン!
もう一丁!
ドドドーン!
僕がまだちびっ子だった頃のお話。
「いかに高いところから飛び降りれるか!?」という
3流バラエティでもやらないような遊びが
当時の僕らの間で大流行していた。
高い所から飛び降りれる奴が
勇気がありかっちょいい男だという
誰もが憧れるステータスを手に入れることが出来た。
実にくだらない風潮である。
猿でももう少し賢い選択をしそうだ・・・
余談だが
酒をたくさん飲める奴が偉いという
大学時代の風潮にも似ている。
なんとも成長の跡が見られない・・・
・・・たくさん飲んだな、うん。
このステータスを手に入れるため
アホな僕らは来る日も来る日も飛び続けたのである。
「貴様はこんな高さも飛べんのかぁ!」
僕らにこの言葉は即、
戦力外通告、いや死刑宣告とも言えた。
その宣告を受けた者は
もはやその後の地位が決まったも同然である。
なんとしても避けねばならぬ言葉だった。
僕らはカルト教団の信者の如く
見えない何かに怯える様に飛び降り続けた。
今思うと、まるで集団自殺のようで恐ろしい・・・
「バカは高い所が好き」
当時の僕らにジャストフィットな上
横漏れ防止ギャザー付きという
念の入った適切な言葉だ。
非常にデンジャラスかつ無意味な遊びの1つだった。
まさにハイリスクノーリターン、
いや、むしろ
ハイリスクノータリンである。
そりゃもちろん最初こそは
ジャングルジムやら土管の上からなど
実にかわいらしい度胸試し程度だったさ。
しかしみんながクリアしてくると
優位性が全くなくなる。
「人類、皆平等」という崇高な精神など
持ち合わせていないコジャリたちが
さらなる高さを求めるのは防ぎようがない自然の摂理だ。
そうは言っても高さを求めていくと言っても限界はある。
いくらアホでもマンションの3階、4階から
飛べばどうなるかぐらい
脳の皺一本でもあれば十分、分かることだ。
(マンションの3階からは1回飛んだことがある。
マジで怖かった・・・)
そこで僕らは考えた。
高さでこれ以上、差を出せないならどうするか?
ポクポクポク・・・チチーン!
「思いついたで!」
「妙案か?いそ汁!」
「おうよ!高さがダメなら横だ!」
友人らは一同アホ面を並べてポカーンとしていた。
「ふっ、理解力のない奴らだ・・・」
僕は得意げに
「よく見とけ!」と告げた後
階段を駆け上がった。
そしてジャンプ一番、飛んで見せた。
そう高さに横幅という新要素を取り入れたのだ。
そう遠くない未来に
思いついた僕でも
想定の範囲外の恐怖が襲うことになる。
これは階段の種類にもよるが
僕らの主戦場だった階段は
8段を超えてくると非常に恐ろしい
モンスターへと変貌を遂げる。
めちゃくちゃ怖いの・・・
なんたって着地点がはるか先に見えるのね。
(実際は数メートルだけどね)
そう、この新競技(?)の
隠された真の恐ろしさとは
横の距離を出すため
自ら高く飛ばねばならぬ点にある。
先にある着地点めがけて大ジャンプである。
滞空時間もなかなかのものであった。
これが歴戦の勇者たちを
震え上がらせた。
最後の方には
「怖いんやろ?止めとけよ」
「何言うてんねん、お前が怖いんやろ!」と
お互いが飛ぶのをためらい
本来、体を張った根性試しのはずが
屁のツッパリにもならん
意地の張り合い、野次の飛ばし合いと
成り下がってしまった。
こうして
僕らの格付け競技は
後味の悪い終わり方で終焉を迎えたのであった。
後から知ったのだが
人間の価値の決め手はどうやら
「高い所からジャンプできる」ではないようである。
激闘5時間
ワッショイ!わっしょい!ワッショイ!
威勢の良い掛け声が駆け巡る。
あれは確か2年前だったかな。
僕はひょんなことから
地元高槻の祭りで神輿を担ぐことになった。
誘い文句は
「来ればタダで酒が飲み放題!」
そう、僕は高槻を愛し、信仰深いため参加を決意したのだ!
決してタダ酒が飲み放題だからってわけじゃない。
当日、酒が飲め・・じゃなくて
神輿を担げるということでわくわくしていた。
ビジネスマンならスーツ、
喫茶店ならメイド服というように
もちろん半被に身を包む。
「うむ、ある程度予想はしていたが小さい・・・
足元なんかつんつるてんだ。」
少し恥ずかしい。
なんたってこれから高槻を練り歩かねばならんのだ。
「まっ、しょうがねぇか」ということで
威風堂々と神輿のある神社まで
友人らと移動する。
移動中、道行く人から
「おっ、神輿か!?頑張れよ」などと
声をかけて頂き、単純な僕は
ヒーローのような気分に浸っていた。
神輿は三基あり、各自治会がそれぞれ担当する。
清めの酒を神輿に振り、
そして担ぎ手は一口づつ、酒を頂戴する。
儀式的なことも終わり
いよいよ神輿だ!ワッショイ!
「よいこらせ!」
一気に持ち上がる神輿。
小ぶりな割りになかなかの重量感。
「さすが神様の乗り物だぜ!」
「それにしてもこいつはやたら重いのぉ・・・
はうあ!忘れてた!
わしは皆よりはるかに背が高いんじゃったぁあ!」
一身に重圧を背負うエースのように
僕は一身に神輿の重量を背負う破目となった。
「最後まで耐えられるのか・・・」
小鹿のようにプルプル震えながらの出発となった。
ガシガシ容赦なく担ぎ棒が
僕の肩を攻撃してくる。
「あんた、暴力は止めて~」と
か弱き女房の如く声を上げざるを得ない。
まずは高槻駅に各自治体の神輿が集合して
そこから神輿はそれぞれ自分の町内に
向けて発進していく。
高槻駅までは特にアクションはなく
掛け声をかけながら行進するだけである。
これから始まる真の戦いに向けた
いわばウォーミングアップ。
高槻駅で早速、振舞われるビール。
疲労した体に染み渡る。
タダということでここぞと飲みまくる。
しかし本当にやぶぁいのはこれからだ。
ホントはそんなに飲んでる場合ではない。
まぁそれに気づいたのは後のことなんだけどね・・・
これから各町内に散らばり
ますます血気盛んな祭り神輿が練り歩く。
僕らの神輿の担ぎ手は比較的、若い衆が多く
すさまじい活気だった。
無駄に神輿を上下に揺り動かし
さらには何故か、神輿を高速回転させやがる。
一番、先頭の僕は皆より余計に走っております。
遠心力で血圧とテンションが無駄に上がっていくようだ。
カメラに気づいては
ジャニーズも真っ青のカメラ目線を
バシバシ決めていく。
将来を渇望される若手の到来だと
騒ぎ立てられたに違いない!
しかし僕の貧弱な体力はどんどん残り少なくなってゆく。
僕は体力を回復させるため
忍者のような素早さで神輿から離脱し
大うちわで皆を煽り立てる役に転職した。
おそらくあまりに華麗な転身に
皆、僕が最初からこの役をしていたと思ったはずである!
しかし程なくして
「はよ!神輿に戻れや!アフォ!」と愛のないお言葉を頂き
「誰かツッコんでくれるの待ってたんや!」と
負け惜しみを言いながら輪に戻っていった。
確実に僕は、心で泣いていた。
涙を汗という形に変えて・・・
相変わらず力一杯、
神輿を振り回す気の狂ったかのような一団。
子供なら泣いて逃げてしまうぞ、これは。
数時間に渡って続いた神輿行脚も
ようやく終わりを迎えようとしていた。
さすがに僕以外の体力自慢も
くたくたといった感じであった。
僕はすでにエクトプラズムを
惜しげもなく放出していたはずだ。
さぁいよいよ、僕にとって本番(?)
お酒の時間だ!
今日は相当、うまく感じることだろう。
酒が登場するこのフィールドでは
体力自慢の奴らにも引けをとらないはずだ。
ぬははは!!
しかしその期待も虚しく
体力自慢は酒自慢でもあった・・・
僕のアイデンティティが脆くも崩れ去る。
わっしょい、わっしょい・・・