松本事件
はい、僕です!
何故だかよく見知らぬ人に話しかけられる。
それこそ若い人からお年寄りの方、
日本人から外国人まで幅広いラインナップで話しかけられる。
大概、道を聞いてくるのだが、以前、ブログでも書いたとおり
僕は自他共に認める生粋の方向音痴野郎なのでほとんど答えられない。
だからおそらく他の人より
「すいません」を数多く使用しているため
総理からキング・オブ・ソーリーの称号を授かる予定だ。
あまりにも微妙なギャグでサムい・・・
なんてこった・・・
それでも懲りずに今日もまた聞いてくる。
こんなうすらでかく、何を考えてるか分からんような
僕になぜ助けを求めるのか不思議でならない。
世の中は不思議がいっぱいだ。
とまぁ、よく話しかけられる僕なのだが
前代未聞の衝撃的なことがあった。
「お前、松本か?」
平和にパチンコをパチパチ打っていた昼下がり。
突然、掛けられた言葉。
僕はなんのこっちゃと思い、振り向く。
・・・
何故だか明らかに怒ってらっしゃる。
「うわ~、変なのにからまれちゃったよ、ママン」
恐怖で産まれたてのバンビのようにプルプルしていた。
「お前、松本やろ!」
再度、怒りのアフガン顔負けの怒声が飛ぶ。
なんじゃ、そりゃ!?
「ちゃ、ちゃいますよ」
僕は恐る恐る「松本」ではない事を告げる。
聞く耳を持たない謎のおっさんは
「ここじゃ、なんやからちょっと出よか」と言うとシャツの肩口をピロリーンと開く。
「あれまー!もしやと思ったがドンピシャかよ!!」
そう松本という男を探している彼は
言い逃れなし、問答無用でヤ○ザさんだった。
(以後、ヤ○ザなので「ヤっくん」)
逆らってもいいことねぇなと思い、渋々、彼の後について外に出る。
外に出るとヤっくんは
「なんでこうなったかわかってるな」
「意味が分かりません」
ホントに意味が分からんのだ。
ヤっくん「お前!麻雀の借金まだ返済しとらんやろが!!」
ますます意味分かんねー!
第一、僕はその松本ちゃうっちゅーねん!
僕「あの、僕はいそた汁と言いますが・・・」
「あーーー!?」
うう、この人恐ひ・・・
お家帰りたい・・・
僕「だから松本ちゃいますって」
ヤっくん「ほんなら、お前誰やねん。パチ屋の店員から松本がおるって連絡来たんじゃ!」
ちっ、パチ屋の店員の密告か。はた迷惑な奴だ。
こんないたいけな少年を捕まえてからに!
僕「だから僕はいそ汁です。ほら」
免許証の名前の部分だけ見せる。
ヤっくん「おおー。松本違うんかい。はよ言うてくれたらええのに」
僕は心の中で思った。
「さっきから言うてるやん」と。
だが恐いので適当に愛想笑いをしておいた。
するとヤっくんは聞いてもいないのに「松本」について語り始めた。
「あいつはな、麻雀で100万ぐらいの借金あんねん。
返しもせんと行方くらましよったんや。
ほんで、あいつを捜しとるっちゅーわけや。
もともとわしらがハメたったんやけどな。
がははははは!!」
「うわ~笑っちゃってるよ、このおっさん」と心の中で思いながら
あんたの長話はいいから、早く開放してくれと切に願っていた。
ヤっくん
「そや、なんかあったら言うてこい。悪いようにはせーへんで」と
一枚の名刺を僕に手渡す。
「すげーベタな展開!!」と一人ツッコミを敢行した。
当然、口には出さない。恐いから。
一瞬にして「いらね!!」と思うのだが
怒らせても面倒だしと思い受け取る。
僕は「それじゃ、頑張ってください」とか
何に頑張れと言ったのか全く意味不明だが
そんな事を言ってその場を去っていった。
名刺は即効、捨てた。
何回も後ろを振り向きヤッくんがいないのを確認したから
捨てた事はバレてないはずだ。
僕は慎ましく生きているだけなので
あまり僕を恐がらせないで下さい。
ましてや、決して「松本」じゃありませんので。
恐いです、ホントに。
とりあえずどこの松本くんか知りませんが無事を祈っておきます。
いざ尋常に・・勝負!!
はい、僕です!
僕にとっては恐竜生存説やツチノコ発見報告より
信憑性の低い出来事が起ころうとしていた。
なんと女性とお食事に行く機会があったのだ。
僕は人とお酒を飲みながら話すのが大好きだし、
女性という事で「久しぶりの肉じゃ」的な・・ね
まぁ楽しみにしてたんですよ。
めったにない女性とのお食事です。そりゃもう心は踊る大捜査戦ですよ。
「小学生の時はモテたのになぁ」と古き良き時代を思い、
ほろりと涙を流しながらごそごそと服を捜索し、ビシリと着こなす。
そして今日は気合を入れてコンタクトにしようと意気込んだ。
・・・しかし、コンタクトは断念した。
なんと僕のオメメが頑なにコンタクトの侵入を拒んだのだ。
「親の思い、子知らずとはこの事か!?」と嘆いたものだ。
しょうがないのでメガネ君となり出発。
待ち合わせの時間より少し前に到着。
そしておもむろに煙草を取り出しプカプカ吸う。
「ふふん、キマッた」
得意げになったのも束の間、コンタクトと格闘して充血したオメメに煙に沁みて
またも涙がほろり・・・
今日はよく涙する日だぜ。
大丈夫か!?
待ち合わせていた彼女も到着しお店に移動。
僕は上機嫌でビールもグイグイ進む。
彼女も楽しそうにしてくれていた・・はずだ!
僕はアホなので中身の相当薄い話ばかりしていたと思う。
例えるなら
磯野波平の頭髪、キャバクラでの水割りぐらいの薄さだ。
うんうん、よく耐えたと思うよ、彼女。
うう、涙で前が見えないや・・・
僕の薄々散弾トークマシンガンですっかり時間は過ぎてしまい
終電を逃すハメとなってしまった。
ちっ、調子に乗ってヘマ打っちまったぜ。
しかし光浦靖子とも接吻できそうなほど上機嫌な僕は
「ある意味、チャーンス!」的な邪な考えが浮かぶ。
幸い彼女も終電を逃した事にさほどショックを受けていないようだ。
どうする!俺!?
カードの切り方が人生だ!
カードは3枚・・・さぁ!!
・・
・・・
僕「ま、漫画喫茶行く?」
・・・なんだってーーー!!俺、何言ってんの!?
こんな時までザ・チキンなハートを元気一杯、披露せんでも!
彼女「うん!」
・・・
くぅ、最大のチャンスは逃しちまったが
まぁ、二人寄り添ってのんびりするのも悪くないね。
自分を納得させ向かう。
それはザ・チキン世界選手権大会13連覇の偉業を成し遂げた歴史的瞬間でもあった。
チキンチャンピオンの僕はすぐさま、防衛戦が控えていたのだ。
受付で
彼女「シングル席、2つ」
僕「なにににに!!」
彼女「その方がゆっくりできるでしょ」
な、なんだってー!ありがた迷惑だよ。
よし!ここはビシリと・・
僕「そ、そうね・・・」
いそたか、ここで白いタオルがセコンドから投げ込まれ試合終了。
チキンチャンピオンの座、断固死守。
「チャンプの座は誰にも渡さない!」
そんな気迫がほとばしるいい試合だった。
しかし、何だかもっと大切なものを失ったような気がした。
何故だかまたもや涙がほろり。
夜は静かに更けていく。。
小宇宙を爆発させろ
はい、僕です!
10月の祝日と言えば
体育の日・・・
昭和39年に日本で初めて開かれた五輪大会、
東京オリンピックの開会式がおこなわれた日を記念して制定された。
「体育の日だから運動せねばならん!」
変な使命感に駆られ、僕は近所のおっちゃんに聞いた自治会の運動会に急遽、参戦を表明した。
金子賢『HERO'S』電撃参戦と同じぐらい僕も電撃参戦だったはずだ!
・・・
そういうことにしておいてよ・・・
言うのはタダなんだから。。
そして競技に出場すれば順位に応じてなんと日用品がわんさかもらえるとのこと。
こりゃ、ますます頑張らねば!
かつて寒冷地方の農民たちは冬場、首都圏に出稼ぎに出ていた。
それと一緒のようなものだ。
いそたか、小規模出稼ぎ「日用品を手に入れろ!」
当日、颯爽とジャージ姿で現地に降り立つ。
周りを見渡すと、ジーパン姿の方々が多く、気合の空回り感をうっすらと感じる。
そして分かりきっていた事だが知り合いなどいない。
少し寂しい・・・
親とはぐれたヌーの子供みたいに挙動不審だったと思う。
蝿もたからんばかりにボケ~っと隅っこでお偉いさんの開会宣言を聞いていたのだが
意外に歴史は古く今大会で29回目を数える運動会であった。
なんだか分からないが「ほほ~」と偉そうに感心していた。
競技が始まり、着々と洗剤やらティッシュをゲットしてゆく。
「ぬはは、大量ゲットじゃわい」などと
卑しい事をのたまいながら競技を消化してゆく。
昼ご飯には愛妻弁当・・・ではなく吉○家で豚丼。
牛丼は5日までだったからね。
そういや結局、食ってないや。
並んでまで食べようとは思わなかったし。
最近は豚丼も十分旨い!と感じるようになってきたので無問題。
そして昼休み中、近所で友人の妹が結婚式をしていたので
祝ってやろうと思い、ジャージ姿のまま式場まで行く。
ちょうどチャペルから出てくる時で
僕は「おめでとう!」と力一杯祝福した。
周りの視線が痛い。
そりゃそうだ!
ジャージにTシャツ姿のもっさい男がいきなり
「おめでとう!」とか叫んでるんだから・・・
しかも涙という隠し味付きだ。(いや、隠れてないか・・・)
ヘビー級にスパイシーな刺激を参列者に与えることが出来て満更でもない僕。
なんとか無事、写真にも納まりミッション完了。
修正されて僕が消されないか少し心配だ。
後ろ髪を引かれながらも僕は運動会へ戻っていった。
こういうのは引き際が肝心なのだ。
午後も順調に競技を消化して持ちきれんばかりの日用品を手にしていた。
なんだか運動会荒らしの様相を呈してきた。
でも負けない!
「もらえるモンは根こそぎもらってやる」という
普段、仕事でも見せないような小宇宙(コスモ)を爆発させる。
繰り出す拳は音速を余裕で超える!
午後3時ごろ運動会は全種目、無事に終了し閉会となった。
いやはや、怪我なく終わってえかったわい。
賞品を自転車の籠にぶっこみ、ほくほく顔で僕は帰路につく。
僕は鼻歌を超越した熱唱でチャリンコを軽快に走らせる。
しかし・・・
その帰り途中、ティッシュ4箱セットが自転車の籠から
モロロンと転げ落ちトラックに踏み潰されて涙したのは内緒だ!