飲んでいた時、僕と何故か妙に呼吸の合うホールがいた。
何の呼吸が合うかというと、僕のジョッキが空きそうになると必ず僕の視野に入ってくるのだ。
非常に追加注文しやすい。
その後も僕が悦に入って語っていると、遠くで「もう一杯お持ちしましょうか?」と指で合図してくる。
僕もすかさず眼で合図する。当然もう一杯だ。
いや僕も接客業なので普段からそういう目で見てしまうのだが、非常に感心したので帰り際にちょっと呼び止めて聞いてみた。
「良い接客をありがとう。あなたは一番売るでしょ?」と。
やはり成績は一番だとのことだ。
うん、そうに違いない。チャンスロスがほとんど無いもん。
聞くと店長からは他のスタッフの教育係を命じられているのだが、何を教えて良いか分からないと言う。
自分の接客をマニュアル化するようにも言われているのだが、どれもこれも大事なことは言葉にするのが難しく、やっとの思いで作ってみると「お客さんの立場になって行動する」とか「笑顔で挨拶する」とか当り前のことしか出てこないから困っているとのことだ。
僕は聞いてなるほどと思った。
彼が持っている才能は、いわゆる「暗黙知」といわれるもので、長年彼が見て、考えて、試して、修正して、積み重ねてきた「ちょっとした秘伝・勘どころ」といったもので、これは決してマニュアル(形式知)にはできないのだ。
そして大体は能力の差というのは、そのほとんどがこの「暗黙知」の部分なのである。「形式知」では平均点にしかならないのだ。
翻って、さくら整骨院ではどうだろうか?
「暗黙知」で動けているか?
「マニュアル」(形式知」を求めすぎてないか?
そのちょっとした「勘どころ」を高めるために、日々学び、仮説をたて、実行し、検証できているだろうか?
より皆様に満足してもらうために・・・
さくら整骨院ではあえてマニュアルは少なくしている。
決して・・・・・・
僕が楽をするためではない・・・・