英検1級を圧倒したこの一冊【34】その英語、ちょっとカタすぎます! | ひとときのときのひと

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だいたい毎日。



まずは英語から。

 

 ここでは、英検1級1発合格術にこだわらず「ためになる英語」学習に関して、役立つ本を案内していきます。

 

 

 34冊目は「その英語、ちょっとカタすぎます!日本人が知らないネイティブの英語表現」(キャサリン・A・クラフト著)です

 

 

 実は、似たようなタイトルの本は、いくつもあるのですが、その中でも、この本は、以下の点で優れているように感じます。

 

1.日本語発想の英語では、外国人に「?」と思われるという表現を指摘し対案を提示してくれている。

 

 たとえば、パーティを楽しむ、といったことを英語にする場合、日本人は決まってenjoyを使いたがる。しかし、enjoyは他動詞なので、その後に目的語をつけないといけない。

 

たとえば、I enjoyed cooking. とか、I enjoyed that party. といった風にしなければいけないのに、ただI enjoyed.で終わらせて平気。

 

 であるならもっと他に have a good time とか have a lot of fun といった言い方があるのに、そちらは使わない。使おうとしない。

 

 といった指摘が80ほど豊富な例文とともに紹介されています。このあたりは、日本人発想という事もありますが、やはり文法重視のせいであったり、あるいは日本語と英語を言葉一つ一つ一対一対応で訳す癖から抜け出られないといった癖のせいであったりと言うことになるのでしょう。

 

 が、もっと実用上どんな英語の、しかも音声として聞こえているのかに注意を払う必要があるという事になるでしょう。

 

 したがって、英語学習者であれば、字幕を見ながら出構わないので、どんな言い方がされているかは映画や動画を見る際にそういう癖をつけておいた方がいいという事になるのではないでしょうか。

 

2.さまざまな言い方を知っておくほうが親切と言う点を教えてくれる。

 

 実は、本ブログ筆者は、ネーティブからの「また日本語発想かよ」といった指摘に対して英語学習者がいちいちびくびくする必要はないと思っています。

 

 というのは、しゃべらないよりは、しゃべる方が百倍ましだからです。たとえば日本語発想だろうがなんだろうが、言葉を発生することがまずありきなのです。

 

 しかし、とあえて申し上げましょう。

 

 言い方を変えられることは、その次に来るものとして、やはり無視できない、学ばねばならない。それは確かなのです。

 

 同じ内容を告げるにしても、丁寧さの増減、ざっくばらんの高低を調整できること。この技術は非常に実践の場で欠かせないものと見ています。

 

 たとえば、「その話はしたくありません」と告げたい場合、

I don’t want to talk about it.

とするのが、フツーの日本人にとっては簡単かもしれません。

 

 しかし、want to をあからさまに使うのは、幼稚かもしれない、くらいの神経は持っていたいと思いませんか。

 

 この本では、

 

 I’d rather not comment on that.

 

  が紹介されています。

 

 この本には記載されていませんでしたが、他にも

 

 I’d rather not say.

(あまり言いたくありません)

 

や、

 

 I’m not sure how to answer that.

(なんとお答えすればいいのやら)

 

といった別の言い方があることくらいは、前頭葉のどこかに置いておいた方がいいでしょう。

 

 日本語で置き換えてみればわかるではありませんか。日本語がいくらたどたどしいから言って、二言目には

 

「答えたくないよ」

 

といった日本語を口にする外国人よりは、

 

「あいにく、お答えしかねます」

 

とか

 

「お答えを差し控えたいと思います」

 

といったいくつか違う形で相手に伝えようとする外国人の方に、魅力を感じませんか。

 

 英語を使う時、丁寧さというコストを惜しんだ結果、「なんだこいつ」と思われるリスクをとってしまうのは、「残念な行為」ということになる。そう言い換えてもいいのかもしれません。

 

  以上、「日本語発想から離れること」や「言い方の幅を拡げる」ことの大切さについて学べる一冊をご紹介しました。

 

 英語の参考書には載っていないかもしれませんが、あなたの英語学習の参考になれば幸いに思います。