英検1級を圧倒したこの一冊【28】国際ジャーナリストの英語術 | ひとときのときのひと

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まずは英語から。

 ここでは、英検1級1発合格術にこだわらず「ためになる英語」学習に関して、役立つ本を案内していきます。

 

 

 28冊目は「国際ジャーナリストの英語術」(村上吉男)です。

 

 

 

 書かれているのは、まさに題名の通り、特派員生活や海外の支局長として豊富に積み上げた学識と経験から生み出されたノウハウです。

 

 中でも、本ブログ筆者がうなづかされたのが第4章「品格の英語ーまずは”and,but, so"の卒業」の内容でした。

 

 この章の初めの方で、「くだけた物言いと流暢さは違う」と見出しを立て、日本における英語中上級者が陥りがちな癖について釘を刺しています。

 

 続けてand,but, soを続けてしまいやすい日本人英語の癖について「あまりにも平板で、単純すぎてintelligence(知性)が感じられない文形になってしまう」と注意を促しています。

 

 さらに読み進めていくと、こんな提案を目にすることになります。

 

 引用してみます。

 

 さらに英語らしい話し方をするためには、主語をいろいろと変えて話す習慣を身につける方法がある。(中略)たとえば、

”I saw so many people in the room. It was very crowded.

 と言う例文で、主語を”I”の代わりに、”people"や”room"にしてみると、

”So many people were inthe room. It was very crouded.”

”The room was full of so many people.”

と言う風になる。

 

 いかがでしょうか。

 

 英語は、命令文等を除けば、必ず主語を設けないといけない。その原則はまちがっていませんが、日本人がこれを守るとき、ついつい”I”の多用に陥り、外国人相手をゲンナリさせているのかもしれないのです。

 

 たとえば、最近の動画等で英語のインストラクターの方が英語で自己紹介する時も、発音は素晴らしいものの、このあたりについて配慮がいまひとつのケースが少なくないように見ています。

 

 たとえば料理するのが好きと言いたいとき、

 

I like cooking.でも、I enjoy cooking.でもいいのですが、

 

Cooking is always fun to me.

  とか

Cooking always makes me feel happy.

 

といった感じで言い換えることは、そんなに難しくないでしょう。いや、「料理が好き」に関してI like cooking.にこだわっていると、外国人が他の言い方をしてきたとき、見当が付かないこともあり得るのです。それは、うまくないでしょう。

 

 実際、本ブログ筆者は英検1級の面接試験のときについての助言として「あい、しんく」を頻発しないようにすること、つまり”In my view”とか、”From my perspective” といった他の言い方をできるようにしておくことで、半馬身くらいは他の受験生と差をつけられるのではないか、という提案をしています。それは、この本で得たヒントをもとにしています。

 

 もちろん、日本語で想定したとしても、いつも「私は」「私は」が口から出てくる人には、あまり知性とか品性は感じないでしょう。

 

 また、英語と言うのは、物や事象を主語にすることでも十分に自分の経験したことや知っていることを伝えられる、その特徴を十分意識することも、語学学習上、英語生活実践上、欠かせないことなのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

 この他にも、「単語の言い換えで会話の格を上げる」として日本人が大好きな”important”を"significant"や”critical"に、あるいは"weak"を”vulnerble"に言い換えることによって「英語らしい話し方」に近づけることができると説いています。

 

 もちろん、本ブログの読者の中には、そんな気取った言い方までしなくていいのだ、とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

 

 本ブログ筆者は、そういう考え方を全否定はしません。しかしながら、少なくとも英会話におけるピッチャー役として、「ストレートだけでなく、変化球も数種類持っていていつでも使えるのだ」という方が、より豊かな外国語生活を送れるのではないかと思います。 

 

 以上、英語の参考書には載っていないかもしれませんが、あなたの英語学習の参考になれば幸いに思います。

 

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